2010年03月31日

老い日記[13]――生誕18,569日/禁煙5日目

 ソファーで睡眠4時間。泥船のような体を引きずって午前中の会議へ。地下鉄を降りて地上に出ると、なんだかまっすぐ歩けていないような、頭も体もゆるーい麻酔にかかったように、ふらぁ〜っとする。
 もしや昨日の造影剤の影響か? そういえば副作用が後から出る場合もあると、検査後にもらった紙に書いてあったな。

 「遅発性副作用」というんだそうな。症状一覧を見てみる。あてはまるとしたら、「不快感」「倦怠感」といったところか。
 残念ながら、「めまい」「歩行不全」「頭がもやっとする」「むしょうに煙草が吸いたくなる」といった症状は記載されていない。

 煙草は見事に今日も0本。
 以前トライしたときより、禁断症状が強くないのが不思議。癌じゃしょうがないねぇ、という諦めの気持ちが最初から働いているのか? それとも展望の開けぬ芝居のほうが気になって、それどころではないということなのか?
 目覚めの一服・食後の一服はナシになっても、さほど困らない。一番の問題は「執筆」だ。パソコンの前に座って、書くことに思いを巡らせ、煙草を吸う。それが執筆モードへのスイッチ・オンになっていたので、禁煙を始めてから、どうもスムーズに執筆へと気持ちが切り替わらない。ぐずぐず、ぐだぐだ、散漫になる。これって煙草のせいではなくて、「文章力の老い」?

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ふらぁ〜っと移動していたら、駅のホームにこんなポスターが。うーん、ふらついてるのは、人生かも。

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2010年03月30日

老い日記[12]――生誕18,568日/禁煙4日目

 今日は手術前のCT検査に出かけた。
 癌専門病院はつくづく無駄がない。ほとんど感動的ですらある。 
 自動受付機で再来院手続きをすると(診察カードを入れるだけ)、受付表とPHSが出てくる。そのPHSの表示に従って、画像診断セクションの受付へ。指示された7番の部屋の前で待っていると、予約時間きっかりの14時に、「古城さん、中へどうぞ」と 声が掛かる。
 CT検査も素早い素早い。造影剤の静脈注射をあれよあれよという間に腕に打たれ、 「息を吸ってぇ。はい止めます。」を4回やっただけで、ハイ終了。ブンヤ魂に火がつくスキも与えないテキパキぶり。慌てて「造影剤ってどこに入れてるんですか?」とトンチンカンな質問を繰り出すと、「血管です。全身の血管ですね。針を抜いたところ、揉まずに3分ほどしっかり押さえてから着替えてくださいね」と、実に的確に、次の行動まで指示してくださる。
 会計も自動精算機で超簡単。診察カードを挿入→診療金額が表示される→お金を投入→領収書と診察カードが出てくる。おしまい。ここでも待ち時間なし。
 さぁ、帰ろうと病院を出て時計を見たら、病院に到着してから20分しかたってない。
20分!? 思わず目を疑った。目を疑って、すげぇ、となぜか感動した。

 病院に向かう途中の出来事。
 よっこらしょっと、と新宿駅1番ホームに出たところで突然、女の叫び声が聞こえた。なんだなんだ?と思って振り向くと、すぐ横を白髪混じりのブルゾン姿のオッサン、 猛然と人をかき分け走っていく。そして、そのまま線路に飛び降りた。おいおい、何やってんだ?とびっくりこいて見ていると、「誰か、誰か」と叫ぶ女は、よくよく見れば中学生?と思えるような幼さで、線路を逃げるオッサンを指さし、「あの人、痴漢です!!」と声を張り上げた。途端にざわっ、と辺りの空気が変わり、人だかりがし始め、 「誰か、その人捕まえて!!」みたいな男の声も聞こえ始めたが、発車チャイムが鳴り響いたので、やや後ろ髪引かれつつ電車に乗った。
  白髪混じりのオッサン、あれからどうなったのか、ホントに痴漢だったのか、さっぱり見当はつかないが、あんなに必死こいて逃げ去っていく「老体」だけは嫌だなぁ、みっともないなぁ。そう思った。


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 病院内のあちこちに、このボタンが。
 「どうか、た、た、煙草を、煙草を吸えば、気分はよくなります……」

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2010年03月29日

老い日記[11]――生誕18,567日/禁煙3日目

  朝起きると左膝の痛みは、嘘のように消えて……とはいきません。もうそんなに若くありません。昨日ほどではないが痛みとともに、階段を下りるときなどに、カクン、と そのまま膝が抜けてしまいそうな感覚がある。……もしかして、ヒアルロン酸不足?

 以前、ランニング中にめちゃくちゃ膝が痛くなり、数日たっても痛みがひかないので病院に行ったら、医者から「軟骨が磨り減ってますね」と、衝撃的な言葉が。
 ……はぁ、と中途半端な相づちを打つと、「磨り減った軟骨は、もう増えませんからね」と、さらに追い打ちが。
 「え、それって、もう年寄りだってことですか?」と詰め寄ると、「まぁ、そうですね」と、容赦ないトドメが。
 「ですから、あまり無理して走らないで、ウォーキングから始めてください」と最後には、年寄りの冷や水に釘をさすような、悲しい言葉を全身に浴びました。
 それでもメゲずに、「とりあえず、この痛みはなんとかなりませんか?」とお願いすると、「ヒアルロン酸を注射しますか、すぐに痛みは治まりますよ」。
 でもって、膝に直接、注射をぶすっ、と。これが嘘のように効果てきめん、一発で痛みは消え失せたのでありました。
 よし、あと2日、痛みが引かなかったら病院だ。病院行って、ヒアルロン酸だ。

 膝と同様に、もっと癌とも向き合うべきなのだろう。だがさっぱり自覚症状がないので、今はもっぱら禁煙と向き合っている。禁煙の記録更新に向けて日々、相当なエネルギーを注いでいる。
 禁煙も3日目になると――あれ? 喉にへばりつく痰がなくなって空気の通りがとてもさわやか(気のせい気のせい)、あれ? 心なしか味覚・嗅覚がずいぶんと研ぎ澄まされてきたような(もっと気のせい気のせい)、といった妄想をひたすら駆り立てて、煙草への誘惑を断ち切っている。なんて不毛な闘い……。

 稽古は若手男優陣に痺れを切らし、ついに手とり足とり、細かく細かく小返し。とっても時間がかかる。かかりすぎ。すいません、ドクター、下手な男優にイッパツで効くヒアルロン酸、ありませんか?
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あんなに足繁く通ったのに、煙草を吸わないなら行く理由がなくなった……。そういうことだ。別れはいつも唐突にやってくる。

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2010年03月28日

老い日記[10]――生誕18,566日

  朝起きると左膝の骨が痛い。左膝の内側の飛び出してる骨。そこに打撲のような痛みがある。痛いのは肉ではなく、明らかに骨。寝ている間に、いったい何があった?

 禁煙2日目。
 「しらばっくれ作戦」で、のらーり、くらーり、まるで夢遊病者のように過ごしているので、少しも仕事に集中できない。仕事もなんだか、のらーりくらーりになってしまうのである。
 いかんいかん、仕事までのらくらじゃ意味がない。ここは一つ冷静に対処するために、まずは一服して……と、ここでもまた罠に落ちそうになるから、気が抜けない。あーでも、ダメダメ、こんなことばっか考えてちゃ仕事になんねぇ。いっそスパッと煙草を吸ってガンガン仕事したほうが絶対マシ! ……などという考えも即座に浮かんだりするから、喫煙者の心はあなどれない。
 凄まじき心理戦になんとか勝利して、2日目もなんとか、喫煙0本。
 
 膝は結局、今も痛みが引かない。うーん、ホントに我が体ながら、理解に苦しむ。もしや睡眠中も、のらーりくらーりと知らぬ間に徘徊していて、膝をどこかで打ったのか?
 稽古も若手男優に活路が見いだせないまま、のらーりくらーりと時間だけが過ぎていく……いかん、いかんぞ。芝居に「しらばっくれ作戦」は絶対に通じないぞ。
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 固定バンドをしてみた。左膝のココが痛い。

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2010年03月27日

老い日記[9]――生誕18,565日

 苦しい苦しい禁煙初日。「ホラ、吸いたい。すぐ、吸いたい。今、吸いたい」。何をしていても頭の片隅で、甘く囁く声が聞こえる。この声こそが、しつこいしつこい最大の敵。
 癌のことを知らせた友人から、「ストレスにならないよう無理せず、どんと構えてね」という心優しきメールが届いたが、禁煙で早くも相当デカいストレスがのしかかる。
 でもでも、禁煙に失敗したこれまでの反省を、今回こそ生かしてみせましょう。

 今までの禁煙は「戦闘モード」だったのだが、たぶん、それがよくない。
 「かかってきなさい」と強気に構えてはいけない。囁く声が聞こえても、「うるさい! 俺は負けないぞ!」と歯を食いしばってはいけない。俺は今、闘っているんだという自己認識があればあるほど、それに伴う苦痛も大きくなる。なぜなら、憎むことと同様に、闘うことは苦しいから。そして苦痛が大きくなり続ければ、やがていつかは苦痛に耐えきれなくなる日を迎えることになる。
 だから今回は、闘わない。
 「ホラ、吸いたい」の声が聞こえてきても、「あれ? 今また囁く声がしたんじゃね?」「あ、そういや今、俺、禁煙中なんじゃね?」くらいに、ゆる〜く受け流したほうがきっとうまくいく。
 この「しらばっくれ作戦」で今回は挑む。

 そして本日の喫煙本数、見事、0本!
 やればできる。やればできるぞ、この男。こうなったら、とことん、しらばっくれるぞ。
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机の前の棚には「マイルドセブン」が2本だけ残してある。「吸いたくなったら、いつでも吸っちゃるもんね」という、徹底して闘わない作戦。果たして吉と出るか、凶と出るか。
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2010年03月26日

老い日記[8]――生誕18,564日

 疲れる。疲れやすくなった気がする。原因は胃腸炎なのか癌なのか、それとも単に老いたのか。
 たぶん正解は胃腸炎か癌だ。と、病気を言い訳にすれば、老いを直視しなくてすむ。
いや待て、ここで一番問題なのは老いなのか? いえいえ、もっと癌を直視しなさい。

 昨夜の深夜2時過ぎ。液晶画面を見続けることに、どうにもこうにも耐えられなくなり、ベッドに猛然と潜り込む。久々にベッドで寝て、ほんの数分横になったつもりでいたのに、目覚めたら朝の9時だった。久々の7時間睡眠。それでもだるい体に鞭打って 、午前中から会議へ。「公益法人改革」について熱く意見を交わしながら、改革しなきゃならんのは俺の体だぞぉと我が身に言い聞かせる。

 稽古は休み。夜は芝居を観に行く。主演はロンドン留学仲間のS君(演劇集団円)。
終演後、日芸の教え子だったY君と居酒屋に行くが、二人ともホット烏龍茶(俺は自主規制、Y君は酒が得意ではない)。後から合流したS君も「ちょっと頭が痛いんすよ」と緑茶を注文。だったら俺ら、なんで居酒屋?
 さぁて明日から、いざ禁煙。それこそ留学時期に「禁煙日記」をつけながらトライしたことがあるが、2カ月であっけなく挫折。「新・禁煙日記」はどうなる?

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旗揚げ公演『死ぬのは私ではない』執筆のための資料本。癌となった今思えば、芝居のタイトルも意味深だが、ここにも恐ろしい単語があちこちに……。
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2010年03月25日

老い日記[7]――生誕18,563日

 気がつけば、左足中指の付け根にマメができている。このところの体調不良でランニングは休んでいるのに、なぜ? この、ぷっくり水ぶくれのマメは天罰か? だとすれば何の?  
 歳を取ると毎日毎日、起床するたびに、どこかしら体に不調がある。なぜか左手親指付け根の骨が異常に痛かったり、左のふくらはぎが突然つったり、寝る前より首こりがひどくなっていたり……。
 目覚めすっきり、「よっしゃぁー! 健康健康!」なんて朝は、もう二度と訪れてくれないのであろうか。

 胃腸炎でお世話になった病院に紹介状を書いてもらった、癌の専門病院に初めて出向く。今日は問診だけかと思っていたら、血液・尿検査、通常心電図&運動後心電図、胸部レントゲン&腹部レントゲン、胃内視鏡(胃カメラ)と検査・検査の嵐。さすがに専門病院は違う。ハイ、次は50番受付。ハイ、今度はGエリアね。ハイ、ハイ、と、まるで患者はベルトコンベアの上を流れる荷物のようである。

 運動後心電図検査で、ルームランナーを前に、「運動は大丈夫ですか?」と老人扱いされて思わずムッとなる。あのね、私ゃ東京マラソンにもエントリーしたんだよ(抽選で落ちたけど)。
 「全ッ然ッ、大丈夫っすよ!」。若者のように溌剌と答えながら裸足になり、ルームランナーに飛び乗って気づいた。そうだ、今日は足にマメが……。マメが……。
 たった3分間の早足歩き(時速4.8km)が、まるで拷問のようだった。
 検査技師に「最後の1分が長く感じたでしょう?」と言われ、「いやぁ、意外としんどいもんですね」と笑顔で答えようとしたが、息があがりすぎて何も言えない。

 手術日も4月27日に決まる。旗揚げ公演初日前になることを怖れていたが、際どくセーフ。とはいえ、芝居も手術も手を抜くわけにはいかず、これはかえって大変な決断ではないのか?
 気がつけば、左足中指の付け根にマメができている。気がつけば、胃壁の粘膜層に癌ができている。うーん、やっぱ重みが違うなぁ……。感心してる場合じゃないけど。

 今日、最も衝撃的だったこと。
 問診中に、「煙草は吸われますか?」「はい、1日に1箱くらいは吸ってますね」「手術の1カ月前から禁煙ですからね」「え……?」「(カレンダーを見て)あ、もう1カ月前ですから、今日から禁煙してくださいね」「(心の中で)……マジかよ?」
 直後に、ブンヤ魂(新聞記者魂)をメラメラと目覚めさせ、「喫煙が手術にどんな悪影響を与えるのか?」「胃の手術なのに肺のリスクとどんな関係があるのか?」などと質問攻めで食い下がる。
 医者は少しも慌てず、まるで罪人を慈しむように、実に冷静に、かつ論理的に説明してくれる。
 ……完敗。か細い声で力なく、「わかりました……」と答えたのであった。

 なのに一日がかりの全検査を終え、病院を出て自宅近くに戻ると、ドトールに直行し、煙草を吸う。だってぇ、まだ1カ月前じゃないもぉん。ドクターは1カ月前って言ったもぉん。
この男、人間失格である。

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これからお世話になる「白い巨塔」。さぁ、生きて帰れるか?

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2010年03月24日

老い日記[6]――生誕18,562日

 汚い話で申し訳ないが、排泄物がよろしくない。排便後、何の気なしに覗いたら、未消化物がやたらと目についた。何あれ? もやし? しめじ? 長っぽそいのはそうだとして、ちっちゃい仁丹ほどの白い粒は何なんだ? 癌の衝撃に押されて胃腸炎を忘れつつあったが、未だにしゃっくりは出るし、気のせいか膨満感もある。この感覚、膨満感だよな、食べ過ぎじゃないよな。ともかく胃腸炎のほうもまだまだ心しておかないといかんなぁ。などと思いながらトイレでしばし、佇んでいた。ま、早い話、うんこ見てましたってだけですが。(さすがに写メは撮れません)
 
 今日も一日、執筆仕事をあれこれと。煙草の量も減ることはなく、高水準をキープ。
 「煙草はリスクが高い因子なので禁煙するように」。知人の看護師から、そんな有り難いメールも届いたというのに、この「右から左男」には役に立たない。
 
 夜、芝居の稽古。若手男優どもに未来は見えず。俺の癌の行方もさることながら、「演技が下手で公演中止しました」。シャレにもならんな。そんなクソ芝居こそ、水に流せ流せ。

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1日に吸う本数×年数。これが400を超えると癌の発生率が急激に上がると聞いたことがある。
もちろん、とうの昔に超えております。(泣)
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2010年03月23日

老い日記[5]――生誕18,561日

 年々、肩こりがひどくなる。それはね、パソコンに向き合う時間、稽古を凝視する時間、ひたすら目を酷使する時間が長いからだよ。そう自分に言い聞かせたいところだが、俳優たちと一緒にストレッチをやっても、張り切ってランニングに精を出しても、一向に楽にならないところをみると、たぶん年のせいなのだろう。
 もちろん老眼は数年前に始まっているので、パソコン作業もいちいち眼鏡を上げたり下げたり、無駄に忙しくて余計に疲れる。肩甲骨あたりに限られていた肩こりは今や首筋にまで至り、右も左も肩甲骨の下から耳の横まで鉄の板を張り付けたように重い。運動、運動。もっと筋肉をつければ肩こりも和らぐ。そう思いながらも、日に何度も「フェイタス」を塗るだけなので最も運動しているのは手首だけ。マズい。そのうち腱鞘炎にも思い悩むことになるのか?

 日中は一日、パソコンに向かって執筆作業。と言っても、あーでもない、こーでもない、と思い悩む時間のほうが長くて、煙草ばっか吸っている。
 芝居の稽古は若手男優が全然ダメ。全然あかん。肩こりどころか、気分までが重くのしかかる。

 稽古に励みつつも、あちこちから「体を一番に考えるべし。公演は中止しても、またいつでもできる」といったメールが次々に届く。美術家からは「古城さんが生還することを最優先でお願いします」とのメールが最古参の俳優に送信されたらしい。体が最優先とわかちゃいるが、旗揚げだし、待ってくれてるお客さんがいるし、と考え始めると、えへ、なんとかなるんじゃね? と問題を先送りしている。

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「フェイタス」のチックで毎日、塗り塗り。「アクテージ」もせっせと飲む飲む。効いてる実感は、さほどなし。(泣)
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2010年03月22日

老い日記[4]――生誕18,560日

昼過ぎに帰京。機内ではまたも爆睡。がっくん、がっくん、頭を揺さぶられながらも、意地を張って「睡眠確保、睡眠確保」と瞼を閉じ続ける。日頃から、どうも寝るのが下手くそだ。「健康には、まずは快眠」と、昨年末にベッドと枕を買い換えたものの、気がつけばソファで横になっている。なぜ? なんで? 問題なのは「よし、寝よう!」となかなか思えない往生際の悪い性格?

 夜、中二日空いての稽古。先週からムーブメントにかなりの時間を割いているが、徐々に形になりつつある。名づけて、「被害者ムーブ」&「加害者ムーブ」。それが今回のテーマとはいえ、すごいネーミングではあるな。


米子空港ターミナルの2階には、忽然と、バカでかいキリンが。なぜ? なんで?
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2010年03月21日

老い日記[3]――生誕18,559日

目が覚めて、もそもそと起き出すと、いつも染みるように目が痛い。肌が脂性だからか、目の中に一滴の油を垂らしたようなむず痒い違和感がある。何歳の頃から、こんなに染みるようになったのか。洗顔すれば一気に解消するのでさほどの問題ではないが、これも「老い」には違いない。
 不意に連続して起こる、しゃっくりが気になる。またも胃酸の逆流か? 不安に駆られて、よぉし、今日は一日に何回のしゃっくりが出るか数えようと思ったが、5分もしないうちに忘れていた。

 睡眠不足の体を引きずって、今日は午前中に戯曲リーディングを2本、昼食後に「コミュニケーション・ワークショップ」のシンポジウム、その後また戯曲リーディングを2本。計10時間の講師&パネラーをテンション上げ上げでこなし、たまに毒をまぶしつつ参加者をいじる。
 会場の「さなめホール」はもちろん館内禁煙。昨日はなんと27℃の夏日だった米子も、今日は強風吹きすさぶ寒さ。休憩10分のたびに、「寒い寒い」を連発しながら外で煙草を吸う。……春、まだ遠し。

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シンポジウムのチラシ。講師の健康状態は問われていない。
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2010年03月20日

老い日記[2]――生誕18,558日

 何か食べたり飲んだりした後で、不意に2度3度と、しゃっくりが出る。「逆流性食道炎」がまだ完治してないからだと思うが、いやいや、これは再び悪化に転じたか?

 思い返せば先月初め、いきなりしゃっくりが止まらなくなり、みるみる気分が悪くなって、挙げ句に嘔吐に下痢。たまらず夜中にタクシーで救急病院に駆け込んだのが発端であった。
 「細菌性急性胃腸炎でしょう」。最近多いんですよ、と医者は事も無げに言うのだが、しゃっくりは一向に止まらない。しゃっくりのたびに胃酸が上がってくるので、喉も焼けるようにひりつく。おいおい、丸3日しゃっくりが続けば人は死ぬ、誰かそう言ってなかったか?
 おまけにイッヒ……イッヒ……と一定間隔で続いていたしゃっくりは、いつしか、イッ、イッ、イッ、イッ……と連射砲のようになり、呼吸困難に陥り、とんでもなく慌てふためく。こりゃ死ぬな、と身辺整理を本気で考えた。
 結局、しゃっくりは丸4日過ぎて止まった。ようやく胃腸炎は沈静化に向かい始めたものの、「念のため、胃カメラやっておきましょう」という医者の勧めに従ったら、幸か不幸か「癌、みーつけた」と相なった。
 「造影剤じゃ癌はわかりませんからね。これはほとんど奇跡です。ラッキーです」。医者は力強く頷きながらそう言った。なるほど。人生、嬉しくない奇跡もある。

 昼過ぎまで必死こいて原稿執筆。その後、癌でした、と旗揚げ公演のスタッフ諸氏に連絡し、夕方の便で羽田から米子へ。離陸するや、条件反射のように爆睡。着いたら着いたで、すかさず煙草を吸いまくる。まったく自覚症状なし。でもねでもね、オイラ、腹の中に癌細胞を飼ってるんだぜぃ、と人ごとのように思う。バカである。
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米子空港では「鬼太郎」がお出迎えしてくれる。鬼太郎は老いないんだろうなぁ。
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2010年03月19日

老い日記[1]――生誕18,557日

 50の坂を越えて、いよいよ「老い」を見て見ぬふりはできなくなった。これからの日々、我が体としっかり向き合い、その変調だけをつらつら書き連ねた「老い日記」を始めようと思う。
 若き頃と比べれば衰えたところは数々あるけれど、目下の難敵は、思い出したように時折痛みが走る左膝、ひたひたと忍び寄る歯周病、もはや隠しようのない薄毛である。

 という書き出しだけ書いて、先々週初体験した胃カメラ検診の際に取った細胞検査の結果を聞きに病院に行ったら、癌だった。
 胃癌の早期。ただ見つかった「印環細胞癌」はタチが悪いらしく、早々に手術が必要ですねと医者は言う。胃を半分、切除するんだそうな。胃を半分? マジで?

 50の坂を越えて再び一念発起し、新たにスタートさせた劇団の旗揚げ公演初日まで、およそ1カ月。初日が先か、手術が先か。はたまた公演中止に追い込まれるのか?
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医者がわざわざインターネットで検索してプリントアウトしてくれた。「癌」の文字がなんだか大きく感じられる。
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