2010年04月30日

老い日記[43]――生誕18,599日

 公演が終わってみれば4月末、今年の3分の1が既に終わってる。時間は年を取るにつれて、びゅんびゅん速くなる。それだけ「老い」にもずんずん拍車が掛かる。
 もはや持病の首こり(特に左斜め後ろ)、左膝の痛み、目の奥の痛みが今日になって急激にひどくなった。……ような気がする。たぶん、張っていた気が抜けただけなのだが。
 いつも公演が終わると知らず知らず気が緩み、さぁて映画を観るぞ、本も読むぞ、と束の間の自由時間を満喫するはずが、時季外れの風邪引いて熱に浮かされながら部屋に引きこもる羽目になる。いかんいかん、抜くなよ、気。

 昨夜の打ち上げは珍しく終電前で終了(たぶん初めて)。おかげで疲労感も少なく(同時に燃え尽き感も少なく)、早速、今日から次回公演の制作雑務を粛々とこなす。
 明日から5月。我が誕生月。バースデイはたぶん入院中。いいさいいさ、それも人生。 

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自宅前ではツツジが満開。我が日常の一喜一憂などお構いなしに季節はしっかりと移りゆく。
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2010年04月29日

老い日記[42]――生誕18,598日

  旗揚げ公演『死ぬのは私ではない』、全12ステージ、すべて終了。いつものことだが、ああ、間に合うのか? 大丈夫なのか? とじりじりした気持ちでつくっていた舞台も、終わってみれば風が吹き抜けるように、あっという間に過去のものになる。
 これぞ舞台の潔さ。これぞ舞台のはかなさ。老いるに従って、つくづく人生と同じと身に滲みて思う。

 さぁて。大きく体調を崩すことなく無事に終われたことだし、明日からはきっちり体調管理に努めましょう。今は心底そう思うが、明日は明日の風が吹く。天の邪鬼はそうも思う。

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「劇場HOPE」客席。期間中、ここに座ってくださった皆様、お一人お一人に心より感謝。ホントにありがとう。
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2010年04月28日

老い日記[41]――生誕18,597日

  煙草が値上がりする。マイルドセブンが410円だと。一気に110円もの大幅アップ。イギリスの1箱1000円以上にはまだ遠く及ばないとはいえ、デフレ時代に逆行するこの空前絶後の値上げ、喫煙者人口を大幅に減らすのは間違いない。
 歯止めをすっかり失った感のある喫煙バッシングもそうだが、今やなんでもかんでも「健康、健康、健康」「エコ、エコ、エコ」の大合唱。この「健康暴力」「エコ暴力」がなんだか怖い。健康、エコのためなら人さえ殺しかねない勢いを感じる。
 でもさ、とてつもなく巨大な消毒布巾で地球をすみずみまでゴシゴシ拭きまくって、ほらきれいになったでしょう?と磨き上げられた地球は、ホントに住みやすいのかね? 「水清ければ魚棲まず」という言葉が頭をよぎるのは俺だけ?

 「ネオシーダーもやめてください」
 今夜芝居を観に来てくれた大学時代の後輩で今は医者のN君から真顔で忠告される。「もし胃を切るようなことになったら、煙草を吸ってると術後がとんでもなく苦しいですよ」
 「え? ネオシーダーは煙草じゃないけどダメなの?」
 往生際の悪いダメ患者は一縷の望みをかけてすがってみるが、N君、きっぱりと「ダメです」。
 そりゃそうです。ダメに決まってます。(泣)

 本日、アフタートークのゲストは演出家のMさん(青年座)。
 そういえば以前、禁煙すると言ってネオシーダーに手を出したMさんに、「ネオシーダー吸うくらいなら、すっぱりやめたほうがいいんじゃないっすか」と言い放ったことがあった。
 人間、勝手なもんです。いや勝手なのは人間ではなく、俺っすね?(泣)

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広島Oさんからの「必勝」差し入れ。お酒とかお花とか、至って普通の差し入れをもらえる体に早くなりたい。
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2010年04月27日

老い日記[40]――生誕18,596日

  腹腔鏡手術のままだったら、今日が手術の日。しかし今入院することなく、劇場に行ける我が身を思うと、内視鏡手術に変更になったありがたさ、我が身の強運をひしひしと感じる。
 せっかく劇場に連日行けるのだから、精いっぱい千秋楽まで努めようと殊勝な気持ちで出かけるのだが――
 「お元気そうで」「もっと痩せてるかと思った」「なんだ、全然変わらないじゃない」「普通じゃん」
 ――すみませんね、らしくない癌患者で。すみませんね、やつれてなくて。すみませんね、普通で。なんだか、元気でいることが悪いことのように思えてくる。
 わかりました。できるだけもっと、げっそりして蒼白い顔でいるようにします。明日は役者に交じって、「げっそりメイク」をすることにします。

 旗揚げ公演もいよいよ終盤。見ていて物足りないなと思っていた場面がどうにも許し難くなってきて、今日のマチネが終わった後、急遽イメージシーンをつくって付け足すことにする。残り3ステージなんだし、何もそこまでしなくてもとも思ったが、いやい
や、ここでこだわらなきゃ劇団である意味がないだろうと、照明家、音響家にもお願いして対応してもらい、昼公演と夜公演の間に俳優たちに説明して、ささっと稽古して、夜の公演からワンシーンを加えて上演。ほらぁ、よくなったじゃん、と思うのは我が儘この上ない演出家だけ?

楽屋.jpg
男子楽屋。この光景も、あと2回を残すのみ。
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2010年04月26日

老い日記[39]――生誕18,595日

癌のせいなのか、老いのせいなのか、ほんとに疲れやすくなったなぁと痛感する毎日。家に帰ると、全身がゲル状になったように、でろりん、と重くなり、なかなか仕事に取りかかれない。ちょっと休憩、とソファに移動すると、いつのまにかそのまま寝てし
まって、結局疲れがとれず、という悪循環。

 このところ膨満感も気になる。これも単に食べ過ぎなのか、もしかして胃腸に異常があるのか(癌は別にして)。そういえば最近、ああ、腹減ったなぁと、空腹感を覚えたためしがない。やっぱり食い過ぎだ、食い過ぎ。連日の飲み屋でも、酒を飲んでないから、ひたすら食ってるような気がする。
 イラストレーターのFさんに以前、「胃を切ったら、食にいじましいほうが早く回復する」と言われたが、胃を切らずに食にいじましと、当たり前ですが「回復」ではなく「肥満」になります。

 今日は1ステージのみなので、3時過ぎまで書き物仕事をこなしてから劇場へ。芝居は、若手の穴が少々埋まってきたかなと思ったら、ベテラン勢のトチりが目立つ。やはり、すべてがうまくいくということは神業のように難しい。

ケイタリング.JPG
ケイタリングには連日、思わず手が出る「デブの素」がずらりと並ぶ。
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2010年04月25日

老い日記[38]――生誕18,594日

照明家が突然、5月1日からの禁煙を宣言。美術家が悪性リンパ腫、演出家が胃癌、と立て続けに発覚したのことを奥さんに話したところ、かつてない真剣さで煙草をやめるよう言い渡されたそうな。あちゃー、大変なことになりましたね、Iさん。頑張ってください。まぁ、無理だと思いますが。

 本日、アフタートークはあったものの、公演はマチネのみで終了。トークゲストの新聞記者Kさんらと、5時半過ぎには飲みに出る。
 本番に入ると、毎夜毎夜、いろんなお客様が来てくれるので、毎夜毎夜、飲みに出る。そこでまたいろんな話が聞けるので、それが楽しいのだが、今の若手はなかなか飲みに行きたがらないし、行っても進んで話に加わろうとしない。この傾向は年々顕著になっているように思うのだが、なぜだろう?
 俺たちが若い頃はなぁ……なんて言い出すと、「老い」を証明しているようなものなので言わないけれど、やはり「老い」の身にはさっぱりわからない。

HOPE入り口.JPG
劇場HOPE入り口。いよいよ残り5ステージ。お見逃しなく。
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2010年04月24日

老い日記[37]――生誕18,593日

朝起きて、劇場行って、昼公演・夜公演やって、あっという間に1日が終了。本番に入ると、まさに光陰矢の如し。時間だけがすたこらさっさと過ぎ去って、また一つ歳を取って老いていく我が身だけが残される。
 終演後、夜に観に来てくれた俳優、Nさん(Mr.ウエスタン)たちと飲みに出る。今夜は米子、広島と遠方からわざわざ来てくれた芝居仲間も多く、なんだかんだで20人以上が一堂に会し、ほとんど中日打ち上げ状態。
 Nさんはいつものハイテンションぶりで怒濤のようにしゃべり倒し、我が身の癌についても、「人間の思い込む力はほんとに凄いんだよ。癌なんて消える、消える、と本気で自分に言い聞かせれば、癌細胞、なくなっちゃうから」。
 なくなりません。癌細胞はそんなに生やさしい敵じゃありません。見くびってると、むしろ増えます。たぶん。
 久しぶりのNさんとの話が弾んで、帰宅は午前3時過ぎ。
 酒は飲んでないとはいえ、体力温存のために今回は毎日電車で帰るぞと心に決めていたのに、タクシーで帰宅。ま、楽しけりゃ、それでいいっす。と、すぐさま決意を翻す。

 さてさて前半戦を終えた旗揚げ公演。
 作品の安定感は徐々に出てきたが、狂気と静謐、その振幅の差はまだまだ小さい。今回、鍵を握る若手男優29歳&24歳、とことん奮起してくれい。

歯間ブラシ.JPG
はるばる米子から駆けつけてくれたSさんからの差し入れ。
どんどん自分が廃人になっていくような気がする。ありがたや。
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2010年04月23日

老い日記[36]――生誕18,592日

午前中、散髪に出かける。
 老いの身に「理容店」はつくづく残酷な場所である。――え? 目の前の鏡に映る、この疲れ切った老人は誰? わ! 髪の分け目の地肌、5センチ幅でそり込みが入ってないか?
あれれ、頭頂部ってもう、髪ないじゃん……。
 日頃なんとなく遠ざけていた現実を嫌でも直視しなければならず、拷問のような時間が延々と続く。
 おまけに鬢の辺りの白髪はまずます目立つようになっており、白髪隠しに「髪を鬢の部分だけ染めてください」とお願いすると、染め液をたっぷり塗り込められたあと、時間短縮のためなのだろうが、サランラップで頭をぐるぐる巻きにされる。その絵ヅラがまた、いたたまれない。哀れ、この上ない。
 いつからだろう? カットが終わって洗髪の後、こちらが何ひとつ言ってないのに、育毛剤をシャッシャッと頭頂部周辺に振りかけられ、無言で頭皮マッサージをされるようになったのは。
 「あの、そんなことしなくていいです」と言えない我が身も悲しい。マッサージの後、簡単にではあるが肩を揉んでくれる僅かな時間を楽しみにしている自分も悲しい。

 閑話休題。
 昨日から駅の改札を通るたびに「PASMO」の調子が悪いなぁと思っていたのだが、やはり予感的中、ついに今日まったく反応しなくなった。駅の事務室に持っていくと、「中のICが壊れてますね、再発行手続きをしてください」。
 えー、また? いい加減に勘弁してくれよ。
 実は、「PASMO」が壊れて使えなくなったのは、これで5枚目(「Suica」2枚も含む)。なんでこんなにダメになるのか?
 去年の夏にも使えなくなって、当時、一緒に芝居をしていたメンバーにその話をしたところ、みんな相当に驚いて、「今まで壊れたことなんて1回もないですよ」と全員が言う。こっちは、かなりの頻度で壊れるもの、と思っていたのでその返答にしこたま驚いた。え? じゃなんで俺のだけそんなに壊れるの?
 思わず発した疑問に、俳優のTさん(劇団3○○)「古城さんの体から電磁波が出てるんですよ、悪い電磁波が。絶対そうですよ」と真顔で言う。
 それまで、「PASMO」は裸のまま携帯電話と一緒にポケットに入れておいたのだが、それがいけないんじゃないかと思い、その後、携帯電話は左ポケット、「PASMO」は右ポケット、と別々に入れるようにして、それでしばらくは何事もなく大丈夫だったので、ああ、やっぱり携帯電話のせいだったんだ、と自分では既に結論づけていたところに、今回の故障である。
 悪い電磁波ってねぇ、あなた、そんなアホな……と一笑に付していたのだが、もはや原因となるような理由が思い当たらない。となると、ホントに出ているのか、悪い電磁波。なんだ、悪い電磁波って。そんなに我が体は毒されているのか?
 誰か原因を究明してくださる方、いないでしょうか?

電磁波……?.JPG
電磁波???
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2010年04月22日

老い日記[35]――生誕18,591日

  なんとか初日を乗り切ったものの(正確には、乗り越えられず過ぎ去ってしまったものの)、初日でマズいところを手直ししなければ。と、前向きな気持ちでいるのに、午前中から会議(日本劇団協議会「演劇と社会委員会」)。しかも、会議終了後に劇場に駆けつけてみたものの、今日はまだ2日目なのに1日2ステージ。手直しなんぞやってる暇はほとんど取れず。
 誰だよ、こんなスケジュールにしたのは? ……たぶん私ですね。ハイ、自分で自分の首を絞める。得意です。

 しかしまぁ、初日にいきなり、どえらい失敗をやらかしたせいか、昼も夜もさしたる大きな問題は起こらず、無事に終演。
 ようやく、全貌が見えて、『死ぬのは私ではない』が誕生。
 おお、こんな作品でしたか。おお、なかなか緊迫感あるじゃないですか。おお、全体的にスピーディーで、キレがあるじゃないですか。……自画自賛も得意です。

 制作を通じて、このブログを読んでます、というお客様から「蒸気でアイマスク」と「点温膏K」をいただく。…そうですか、コレ、目と肩に効くんですね。ありがたや。感謝、です。
 でもあの、何か物が欲しくて、このブログ始めたわけじゃないですからね。私、物乞いじゃないですからね。一応、演出家ですからね。

アイマスク.jpg

奥が「蒸気でアイマスク」。「働き続けた目に蒸気浴」のキャッチコピーが泣かせる。
手前は頭痛、肩こり、関節痛に効くらしい「点温膏K」。Kの意味は不明……。

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2010年04月21日

老い日記[34]――生誕18,590日

  旗揚げ公演初日。いきなり美術の仕掛けが壊れるという大トラブル。あわや、中断か?と本気で覚悟したが、なんとか止まることなく終演。しかし当然ながら、出来は散々。
 新カンパニーの旅立ちとしては、あまりに悲惨。ベキッ、と妙な音が舞台に響いた瞬間、「あー、劇団つくるなってことだったのかも……」と我が身の運命を呪った。

 終演後、「僕のミスです、すみません」と舞台監督が神妙な顔で何度も謝りに来たが、いえいえ、往生際の悪い演出家がバカなんです。開場直前まであーだこーだと言い続け、十分なスタンバイ時間をあげなかった演出家の自業自得です。
 それよりも何よりも、今日のお客様、申し訳ありません。
 ねーねー、もう1回観てよ。ホントは全然こんな芝居じゃないんだからぁー。駄々をこねても取り戻せませんが。(泣)

 体調は、気が張ってるからだろうが、至って普通。終演後の初日打ち上げでは、もちろん酒なんか飲まず、ネオシーダーはせっせと吸い、ちゃんと終電前の電車で帰る。
 今日の終演まで続いたハラハラドキドキ。「いきなり初日からマジかよ?」という、がっくり感。こうした精神状態が肉体に悪影響を与えたのは間違いないと思うけれど。
 

長山藍子(花).jpg鈴木小百合(花).jpgみやざき演劇祭(花).jpgBee(花).jpg古川タク(花).jpg
お花を皆さん、ありがとー。感謝。感謝。感謝。
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2010年04月20日

老い日記[33]――生誕18,589日/禁煙敗れたり

  あー、なんとなんと、煙草を吸ってしまいました。ネオシーダーじゃありません。天下のマイルドセブンです。でも事故です。故意じゃないんです。無実です。
 帰宅後、パソコンに向かって書き物仕事の最中、なかなかはかどらない自分の無能さにイライラしてきて、液晶画面を見たまま手を伸ばしてネオシーダーを1本取り出し火をつけたら、げっ、煙草じゃん!! マイルドセブンでした。
 どうやら2本だけ残しておいた「マイセン」の横に「ネオ」を置いたものだから、間違って1本抜き取ってしまったらしい。
 吸った瞬間に、くらっ、ときました。たったのひと吸い。なのに、相当くらっ、としました。恐るべし、ニコチン。恐るべし、タール。ひと吸いしただけで、げっ!と思って慌てて消したが、その後もしばらく胸焼けのように気持ち悪かったです。ほんとに煙草って体に悪いんだなぁ、としみじみ思いました。いや、思っただけですけどね。
 でも残ったマイセン1本も、とぉー! とゴミ箱に捨てました。とはいえ、禁煙敗れたり。……なんだよね、やっぱし。
 ほんとにひと吸いしただけなんだから、無かったことにしようとも思ったけれど、今日も休憩のたびにネオシーダーを劇場の外でちまちま吸っていると、「そんなに吸ってたら禁煙じゃないじゃん」と何人に批判されたことか。何人にコケにされたことか。何人に「ダメじゃん、こいつ」という目で見られたことか。
 よござんす。禁煙、敗れたり。また近いうちに出直します。

 朝から夜まで劇場にカンヅメ。ずーっと場当たり&稽古。されど、この日はゲネプロに到達せず。間に合うか?

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照明卓に台本。いよいよ明日、始まります。マジかよ。
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2010年04月19日

老い日記[32]――生誕18,588日/禁煙24日目

  劇場入りの日ながら、午前中は会議(新国立劇場サポート委員会)。会議終了後いったん帰宅して書き物仕事をこなし、舞台仕込みがほぼ終了した5時前に劇場へ。
 退館時間の22時ぎりぎりまで稽古にあがく。初日開幕までの残りわずかな時間で、どこまで作品の水準は上がるのか? 劇的に浮揚するのか?

 芝居の流れを邪魔する小さな「つまづき」を一つ一つ解決していくことだけに頭を使い、ネオシーダーはいったい何本吸ったのやら。記録が大事と先日肝に命じたばかりなのに、もはや本数を数える余力はありませぬ。
 まぁ、ほぼ1箱は吸ったかな。と、人ごとのように思う。

 帰宅するとデロデロに疲れている。疲労困憊。こんな体力で最後の山場を乗り越えられるのか?
 

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パントマイマー、O君が「肩こり、膝の痛みに効きますよ」と送ってくれた「ミニ・バランスボール」。効果的な使い方の手書きの解説書付き。こういう手書きは超嬉しい。
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2010年04月18日

老い日記[31]――生誕18,587日/禁煙23日目

  稽古場での稽古終了。明日から劇場入り。いよいよ退路を断たれ、ネオシーダーは破れかぶれの28本(!!)
 1日10本以内という「用法・用量」なんて、とっくに無視。誰かが言っていた「ネオシーダーも中毒になるってよ」という言葉がいよいよ現実味を帯びてきた。それでも初日が開くまでは芝居優先で徹底無視を決め込む。(いいのか?)

 稽古が「詰め」の段階に入ると、途中で止めずに通してやる機会が増えるので、演出家は座りっぱなしの状態がどんどん長くなる。劇作家モードのときも同様に座りっぱなしが続くので、どんどん運動不足になる。なのに、ハイ昼食休憩、じゃ夕食休憩、と食事だけはしっかり摂り続けるので、我が身がどんどんブロイラーになっていく気がする。ちっとも美味そうなブロイラーではないが。

 一昨日の病院で最もショックだったのは去年の9月に比べ、体重が4キロもUPしていたこと。約半年で4キロ増。メタボ街道、一直線。ヤバいです。健康のためにもよくありません。何より、50の坂を越えようが、いくつになっても「唄って踊れる演出家」を目指さなければ。(ただし、誰も期待してない)

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近くの商店街に出ていた看板。チョークで手書き。かえって目を引くが、この煽り方って、なんだか「いやぁな感じ」がする。
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2010年04月17日

老い日記[30]――生誕18,586日/禁煙22日目

  胃を切除しなくてすむことになったし、さぁ、張り切って芝居へ一気に突っ走りたいところだが、産みの苦しみはまだまだ佳境。産むのはそんなに簡単じゃない。ああ、時間が足りない。
 いつもこの時期になると、「せめてあと1週間あればなぁ」と、切に切に思う。子どもの頃、8月終わりになると、「あと1週間、夏休みがあればなぁ」と切に切に願った。
 我が心、少年のままです。まったく成長してません。

 おまけに、手術が軽くなったことで調子こいてネオシーダーも吸いたい放題で、本日15本。成長とは無縁の男です。
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自宅を出ると、すっきり青空。白と青のコントラストがお見事。「胃は切らずともよい」と祝福の空。(と自己ちゅーは思うなり)

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2010年04月16日

老い日記[29]――生誕18,585日/禁煙21日目

  4月も半ばして東京に雪。もはや異常気象ならぬ天変地異。地球温暖化の影響はどこまでか知る由もないが、激しい寒暖の差は老いの身にはまるで刑罰のよう。
 寒空の中、午前中から会議(劇団協議会常務理事会)。昼過ぎまでかかった会議を終えて、急いで病院へ。

 まず身長・体重測定し、それから肺活量検査。
 どれだけ長く吐けるかを調べた後、「ハイ今度はどれだけ強く吐けるかやってみましょうね。大きく息を吸って、ハイ吐いてと言ったら、思いっきりいっぺんに吐いてください」
 先生、私ぁ芝居やってんですよ。腹式呼吸、ばっちりなんですよ。お茶の子さいさいでんがな。そう思いながらやってみたのだが、「あー、ちょっとダメですね。もっと吐き出す瞬間にいっぺんに強く吐いてください」。
 おいおい、私ぁ若い役者たちに日頃、「違う違う、もっと頭にアタックが来るように、いっぺんに吐くんだよ」などと偉そうに指導してる立場なんですよ。やや焦りながら再チャレンジするも、「あー、ちょっとダメですね」。
 たまりかねて、「先生、自分のタイミングでやってみていいですか。あの、先生の、ハイ止めてぇ……の止めてる時間が長すぎると思うんですけど」と、バカ患者は先生にダメ出しを始める始末。「あ、じゃどうぞ、ご自分のタイミングでやってみてください
」。平然と言われ、これで失敗したら後がないなぁ、と自分で自分を追いつめながら三度目のトライ。もうこれでもかってくらい、渾身の力で吐きました、息。恐らく顔は真っ赤になってたはずです。ようやくOKになりました。

 続いて今日のメインの問診。3月25日と30日に受けた諸検査の結果を聞く。戦々恐々と先生の前に座ると、なんと開口一番、「あの古城さん、27日の手術はキャンセルです」。
 え? キャンセル? なんで?
 「内視鏡手術の拡大適用で対処しようと思うんです」
 え? 腹腔鏡手術じゃなくて内視鏡手術?
 説明によると、5カ所取った細胞検査の結果、癌細胞周辺の残り4個所に癌は見あたらず、見つかっていた印環細胞癌も幅16mmと小さく、深さも浅いので、胃を切除する腹腔鏡手術ではなく、内視鏡手術で癌細胞だけを切り取って経過観察をしましょう、とのこと。

 なんと、胃を切らずともすむ! いや、内視鏡手術なら腹部にメスを入れることもないではないか!
 「内視鏡手術で切り取った細胞組織を検査して、予想以上に癌細胞の広がりが見られたら、やはり腹腔鏡手術に踏み切る可能性はありますが、いきなり胃を切除するよりはいいでしょう? 切り取った胃は元には戻せませんからね。どうですか、二段構えで対処してみませんか?」
 しますします、二段構え。我が身にとっては、いい意味での天変地異。最高じゃないっすか。

 ――というわけで、胃は切りません(ひとまず)。手術日も5月11日に変更です。あらあら、……ってことは旗揚げ公演、期間中ずっと劇場に行けます。アフタートークも出られます。
 なんたる朗報! いやはや、ひと安心。やっぱし日頃の行いが善いと報われるもんだねぇと思いつつ、早速、結果を関係者に伝えたところ、次々に「悪運、強いねえ」「悪は強し!」と返信が。

 さて、今日のお勉強の復習です。
 癌で内視鏡手術が適用されるのは、以下の条件のとき。
 @癌の範囲が20mm以下
 A癌は粘膜層の中だけにある
 B潰瘍が見られない
 我が癌は、16mmで潰瘍ナシと、条件@Bはクリア。Aについては癌細胞は、「粘膜層→粘膜下層→筋肉層」とより深く増殖し、進行癌になっていくそうで、一番上の粘膜層の中だけに癌がとどまっている段階なら内視鏡手術で問題なし。もし癌細胞が粘膜下層に若干かかっていても、その深さが0.5mm以内なら内視鏡手術の拡大適用をするんだとか。
 もう一つ、癌細胞は「高文化細胞→中分化細胞→低分化細胞→未分化細胞」の順に悪性が強く、「未分化型で粘膜下層」だと腹腔鏡手術決定(つまり、胃の切除)となるのだが、今回の検査では「未分化もあるが、中分化または高分化の癌も見られるので、はっきりと未分化型と決定づけられない」。
 よって、結論として「まずは内視鏡手術の拡大適用で経過観察」と相成った。

 こういったことを、またまたメモを取りつつ、しつこく何度も聞いたのだが、さすがインフォームド・コンセントは徹底してますね、医者はイヤな顔ひとつせず明快に答えてくれました。
 最後に「まだ何か聞きたいことありますか?」と医者のほうから水を向けてくれたのは、「うるせぇなぁ、この患者」と思って早々に説明を断ち切りたかったわけではなく、「熱心だなぁ、この患者」と我が飽くなき探求心に医者が心打たれたのだと信じてお
ります。
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自動「再来受付」機。診察カードを挿入すると、たちまち専用のPHSが出てくる。ちょびっとSFチックでカッコイイっす。

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2010年04月15日

老い日記[28]――生誕18,584日/禁煙20日目

 いよいよもって旗揚げ公演、追い込みであります。追い込まれております。精神衛生上、よくないです。睡眠不足も続いております。甚だしく、よくないです。
 目がずーっと痛いです。シバシバします。今、「いたい」とキーボード打ったら「遺体」と変換されて、どきっとしました。どうでもいいことです。
 仕事の電話は構わずバンバンかかってきますが、気持ちが芝居でパンパンで、まったくそちらに気が向きません。
 と、どさくさ紛れの言い訳してる場合じゃないですね。はいはい、わかりました。5月の予定もフィックスしましょ。夏もびっちり、仕事で埋めましょ。きっとこの頃も生きてると信じて。 

 ネオシーダーはついに、1箱超えの24本。どアホです。夏まで生きていないかもしれません。

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最近気づいた。右手の中指。右にカーブしてる。どうでもいいことですが、なんで今まで気づかなかった? 老けて曲がった?

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2010年04月14日

老い日記[27]――生誕18,583日/禁煙19日目

今頃になって、癌保険の担当者にようやく電話。
 担当者のYさんからはこれまで何度か電話をもらっていて、「一度、お目に掛かってご挨拶を」と言われていたのを、「すみません、ここんとこずっと忙しくて。折をみて、こちらから連絡します」と多忙を理由に、結局会わずじまいになっていた。
 あれからずいぶん時間が経っている。
 今日の電話。「あの、こちらから連絡を差し上げますと言いつつ、ずっとそのままにしていた古城です」「あ、はい」「それで連絡したのはですね、私、癌になりまして」「あ、そうですか」
 保険の仕事で日頃から多くの癌患者と話しているからであろう、驚いているんだか、憐れんでいるんだか、Yさんの声からはさっぱり反応がわからない。
 今日は、早期の胃癌であること、病院名、手術日を伝え、Yさんから「また近いうちに改めて」と言われて電話を切った。
 あの、Yさん。そのうち連絡しますと言っておきながら長いこと連絡しなかったのは私ですが、今度はすぐに連絡くださいね。いや、何が何でも電話してくださいね。仕返し、しないでくださいね。

 そもそも、この癌保険。高校時代の友人Mがそれまで勤めていた「Mホーム」を辞め、まったく業種の異なる「S生命」に転職。「なあなあ、保険入ってくれよ」としつこい勧誘に負けて入ったのだが、それから毎月毎月保険金だけが引き落とされ、保険に加入した途端にMからの連絡は途絶え、「あいつはほんとに調子のいい奴だ」などと思いながらずいぶん時が経ったある日、S生命から電話が。
 「あの私、このたびMから担当を引き継ぎましたYと申します」「え? 引き継いだって、Mはどうしたんですか?」「あ、辞めました」。はぁぁっ? 辞めたぁ?
 事の次第を聞こうと、久々にMに電話をかけるが、「現在、使われておりません」。出した手紙も、「あて所に尋ねあたりません」で戻ってくる始末。いまだにMの行方は知らない……。
 おーい、M。おまえ、今どこで何やってんだぁ?

 ネオシーダー、本日、「もうどうにでもなれ」の20本。Kota君、コメントで応援してくれてるのに申し訳ないね。
 芝居は、もう待ったなし。こちらは「どうにでもなれ」ではいけません。最後まであがき続けます、体の許す限り。

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もうすぐ始まります。旗揚げ公演のチラシ。始まるのか?

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2010年04月13日

老い日記[26]――生誕18,582日/禁煙18日目

芝居のことだけで24時間、過ぎていく。
 ここ数日、書いていなかったが、「ネオシーダー」は未だに吸い続けている。人間やっぱり、何本吸った、という自覚がないとずるずるになります。ずるずる吸います。やはり、記録は大事。「記録ダイエット」は確かに一理あるわけです。
 ということで計算してみた。
 結果、9日から今日13日までの5日間で吸ったネオシーダーは、トータル69本。単純割りで、1日約14本。……って1日に10本超えてますがな。あかーん。

 なんだか旗揚げ公演初日まで、このまま怒濤のように流れ去る時間に歯止めを掛けられず、ネオシーダーにも決別できず、気がつけば、あ、もう初日? あ、もう胃は半分ないのね? ……ってことにな りそうで恐ろしい(たぶん、そうなる)。

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「肩こり、首こり」との闘いに、ニューフェイス登場。思う存分、活躍してくれい。
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2010年04月12日

老い日記[25]――生誕18,581日/禁煙17日目

  稽古場から自宅に帰ってパソコンに向かいメールチェックなんぞしていると、はくしょん、はくしょん、はくしょん、はくしょん、はくしょん、とクシャミ5連発。でもって、鼻水がツー。
 い、いかん、もしやこれは「風邪」ではないのか?
 とても今、そんなことにかかずり合っている暇はないのだが「風邪」ではないのか?
 このところの寒暖の差の激しさに「老いたる身」としては抗いようもなく、「さみー」「あちー」と翻弄されるがまま。
 で、一気に「さみー」に転じると、ぶるっ、と悪寒が来て、くしゃみ連発、鼻水たら〜。これが最近の風邪ひきパターン。
 ええい、こういうときは荒療治。汗をだらだらかけば風邪も吹っ飛ぶと、夜中であろうがランニングにいざ。……というほどの若さも今は遠い昔。ひたすら「風邪ひくなー風邪ひくなー」と呪文のように唱えつつ、芝居のことで頭を悩ませている。

 公演初日も迫ってきているのに、なぜか心定まらず、落ち着きがない。腹が据わってないから、風邪もひきそうになるのだ。そして井上ショックもたぶん、まだ影響大。

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近所の石屋さんの店先に置いてある郵便ポスト。まるで現代アートのよう。ほれぼれする。
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2010年04月11日

老い日記[24]――生誕18,580日/禁煙16日目

 
  井上ひさしさんが亡くなられた。9日午後10時22分、肺癌。75歳。逝かれたのは一昨日。その日、井上さんの『夢の裂け目』を観に行ったのはの何かの知らせだったのだろうか。
 新国立劇場では井上さんの「東京裁判三部作」の連続上演がスタートしたばかり。自分の作品が国立の劇場で長期にわたって上演される。井上さんが亡くなっても、井上作品は長く広く生き続ける。今までも、そしてこれからも。表現者として、こんなにすごいことは恐らくほかにない。
 
 もう何年前になるのだろう。確か新宿の中村屋だったと思うが、井上さんと初めて話したとき、「わ、すげぇ、俺、今、雲の上の人と話してる」、そう思ったことを鮮明に覚えている。

 我が父親も肺癌で死んでいる。苦しい苦しいを連発して、座薬のモルヒネを入れ続け、尊厳もへったくれもない最期だったが、あれから17年。その後の医療の進歩を信じ、井上さんが安らかに旅立たれたことを信じたい。
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『夢の裂け目』のプログラム。巻頭に「いつまでも過去を軽んじていると、やがて私たちは未来から軽んじられることになるだろう」という井上さんの言葉が掲げられている。
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