2010年05月10日

老い日記[53]――生誕18,609日/禁煙6日目

  入院前夜。励ましメールが続々届く。ありがたや、ありがたや。「手術の面白い話を楽しみにしてま〜す」だの、「(腹黒い)黒いとこを取りすぎて別人にならないことを祈ってます」だの、ホントありがたいこと、この上なし。
 あのー、みんなまとめて刺していいですか?

 入院に際して提出する書類に「家族歴」というものがある。家族全員の年齢、死亡している場合は死亡年齢と病名を記さなきゃいけないのだが、その家族の範囲が結構広い。
 両親・兄弟は言わずもがな、それに加えて、父方祖父母、母方祖父母はまだいいとしても、父の兄弟・母の兄弟(つまり叔父さん・叔母さんですね)全員についても出生順に書くように指示してある。だが、これってみんな、全員について知ってるものなんだろうか?
 我が父は確か8人兄弟だったが、そのうち何人が今なお生きているのかも定かではなく、母に兄弟がいたかどうかもはっきりしない。え? やっぱり知らないほうが変ですか?
 仕方がないので知ってる範囲で書いたのだが、祖父母も両親も誰一人生きていない我が身からすれば、ひたすら「父方祖父、死亡」「父方祖母、死亡」「母方祖父、死亡」「母方祖母、死亡」「父、死亡」「母、死亡」……と「死亡」の文字を書き連ねることとなる。あー、ほんとに兄弟以外は死亡のオンパレード。人は確実に老い、確実に死ぬ。「家族歴」のたった紙切れ1枚で、その事実がひしひしと胸に染みる。

 それにしても、明日は手術だというのに、今夜も普通に芝居の稽古。自覚症状、まるでなし。体調も極めて普通。なのに入院だなんて、なんだか不思議。シュールすぎて、事ここに至ってもなお他人事のよう。


隙間青空.jpg
「隙間青空」。まるで切り取られたように、ビルの間に見える四角い青空が妙に好き。

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「隙間看板」。まるで計算されていたかのように、ビルの間に見える看板。人知れず存在していた癌細胞、のようでもある。 
posted by 老い日記 at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記