2010年07月19日

老い日記[123]――生誕18,690日/禁煙75日目

 昼間の日差しが猛烈過酷すぎて死ぬ倒れる誰か助けてと心の中でわめいてみるが、50男は意外にしぶとく、倒れもしないし死にもしない。ただ、誰も助けてはくれないし、やる気と気力は汗のようにだらだらと体から抜け落ちていく。
いつもより期間が短かったとはいえ、公演はあっという間に本日、千秋楽。開演ちょい前に劇場入り。楽屋にちょろっと顔を出し、ほとんど客のような気分で芝居を観る。
かくして15年ぶりの上演となった『眠れる森の死体』、すべて終了。足を運んでくださったお客様、お一人お一人に感謝、感謝。心からありがとう。僕らが提示する世界観を共有できる見知らぬ人は決して少なくない。それなりにいることを確認できること。僕らが芝居をやる意味はそこにしかない。だからこそ来てくださったお客様だけが心の糧。今一度、ありがとう。
今回は敢えて台詞をまったく変えずに15年前の脚本のまま上演したのだが、「とても15年前とは思えない」「今でも全然通用する」といった有り難い言葉をたくさんいただいた。かくなる上は、この芝居の賞味期限がどれだけあるのか、さらに15年後の2025年に……嘘、嘘。俺もう死んでる、死んでる。

打ち上げは体をいたわるべく、カルピスで攻める。今では天敵のように思える若手男優は、3人とも「やり遂げた感」を全面に押しだし爆睡したり、酔っぱらったり、女性スタッフにちょっかいを出したり、爆睡から目覚めギャハギャハと馬鹿笑いしたり、そ れなりに達成感を満喫している。まぁいい。はしゃげはしゃげ。試練はすぐにまたやってくる。(それは我が身にも?)
「古城さんが前回、若手は元気がないって言うから、今日はみんなオールのつもりなんですよ」。そうか、そんな挑発を確かにしたなと思いつつ、「カラオケ行きましょう 、カラオケ」という声を振り切って、すっかりエネルギーが乏しくなった演出家は午前2時過ぎ、独りさみしくタクシーに乗る。


照明機材.jpg
舞台美術がすべて撤収され、使用されていた照明機材が整然と舞台に並べられる。ここで起こった物語は、もはやすべて記憶の中にしかない。
posted by 老い日記 at 19:27| Comment(1) | 日記