2010年08月31日

老い日記[166]――生誕18,734日/禁煙119日目

 久々に俳優Tと会う予定がお流れになり、日中はせっせと書き物仕事に精を出す。――はずだったが、ここへ来て取材の依頼が続々と来る。広島にいるときに朝日新聞から依頼があって(文化部ではなく社会部)、電話取材で応じたのだが、その記事が今朝の新聞に掲載され、それを見て連絡が相次いだ模様。明日からの9月は自殺対策月間なので、それで各社、触手が動いたのだろう。NHK、毎日新聞、時事通信の計3社から取材の申しれがあった。
 毎日新聞の記者には電話取材で応じる。既に原稿が起こされていて、事実確認の意味合いが強かった。
 NHK「おはよう日本」のディレクターとは夜会うことになり、書き物仕事は右に置いて資料なんぞ揃える。こちらが待ち合わせに指定した阿佐谷の「ルノアール」はなんと昨日から改修工事に入っていて閉まっており、遅れてきた我が身は店の前で立ちんぼ状態になっているディレクターKさんを発見して恐縮至極。それから場所を変えて、『誰も見たことのない場所』についてあれこれ話す。NHKは明日の稽古、3日のリハーサル、5日の本番と追い続けたいとのことだったが、演出家は明日から熊本で東京不在。人生、こんなもんです。(それでも取材をすることにはなったが)

 終わってみれば、つかの間の鋭気を養うはずの一日は結局、あれやこれやと追われて書き物仕事もさして進まず、疲労も取れず。また癌にならなきゃいいけどなぁと思いつつ、明日から熊本入りするためのパッキングは今なお手つかず。

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朝日新聞に掲載された記事。宮崎公演は昨日付の宮崎日日新聞にも掲載。

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2010年08月30日

老い日記[165]――生誕18,733日/禁煙118日目

 睡眠2時間で、朝6時半過ぎにはタクシーで独り、宮崎空港に向かう。劇団メンバーは12時すぎの便だが、午前中から会議の我が身は、タイトなスケジュールで老いた我が身をさらに鞭打つことに。夜遊びが過ぎると翌日にめちゃくちゃ響く、もうそういう歳だということを遊んでいる間は考えない。この点だけは未だにクソガキのまま。
 羽田に着いて、そのまま新国立劇場へ。10時半から、企画サポート会議。いきなり東京モードに引き戻されて、応対するのに身も心もスイッチチェンジがちょっと大変。東京に帰ってくると、なぜだか戦闘モードを強いられる気がする。誰かが挑み掛かってくるわけではないのだが。
  2時過ぎで、18日ぶりに我が家に帰宅。あちこちに行ったり来たりで机の上は資料や書類が山積み。それを横目で睨みながら荷物を解き、パソコンに向かう。
 夕方、3週間ぶりの歯科医院。今日は検査をしてもらって無事、治療終了。と思って軽やかに診察台に座ったのだが、現れた男先生、「今日は左上の奥の歯を隣の歯とプラスティック樹脂で固定します」「(まったくの想定外に戸惑いつつ)……固定するんですか?」「一番奥の歯と、その手前の歯をドリルで削って、そこに樹脂を流し込んで固めます」「………」 歯の老化は我が認識よりも進んでいるらしく、左上の奥歯はどうやら生死がかかっている模様。「隣の歯と固定すればぐらつきは減りますから、その間にしっかりケアして歯周ポケットに菌が入らないように頑張ってください」ということで、またもその個所のブラッシングの仕方の学習。50を過ぎて「歯はこう磨くんですよ」と教えられる無念さをまたも噛みしめる。

 夜、若手俳優Oと一緒に、せっせと杉並公演のパンフレットづくり。これは俺の仕事か?と訝りつつ、その恨みはOにだらだら愚痴る。途中、食事に出て、そこでもOの演技について、ぎゃんぎゃん愚痴る。それでもマイペース男Oは少しも響いてる様子が見えず。いっそ、殺したほうがいいのか?

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宮崎空港にて。「頑張ってくれ宮崎。応援するぜ」
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2010年08月29日

老い日記[164]――生誕18,732日/禁煙117日目

 タクシーに分乗して朝9時、劇場入り。
 すぐに共催の宮崎県の担当者と客席について話し合う。舞台高が低い上、フラットな客席なので、観劇には最悪の状況。少しでも見やすいようにと結局、前3列の椅子を撤去する。それでも座った演技はかなり見づらいので、10時半からの部分リハーサルでは、「そこは立ったままで」「そこは台の上に乗って」と、動きの変更に重点を置く。その後、アフタートーク司会のアナウンサーSさんが劇場を間違えて打ち合わせに遅刻というハプニングもあり、あっという間に開場時刻。というか、時刻過ぎてる。()
  13時開演。宇都宮公演に続いて宮崎も満席。(喜)
 アフタートークにもかなりの人が残ってくれて、ひと安心。司会のアナウンサーSさんとは去年、「みやざき演劇祭」の演出で宮崎に滞在している間にSさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組「サンデーラジオ大学」に出たことがあったので(約1時間の番組、ずっと喋りっぱなし)、安心して進行を任せる。今回は男優O、女優S、男優Sも一緒だったので、こちらも安心してOをいじりつつ進める。

 小林の高校演劇部の後輩T、幼なじみYちゃん。大学演劇部の先輩Iさん。現在進行中の熊本演劇人の面々。終演後、実に多彩な見知った顔と再会できて心は踊る。 それから撤収・積み込みにかかり、いったんホテルに戻って改めて外に繰り出して打ち上げ。仕込み・バラシを手伝ってくれた「みやざき演劇祭」のメンバーも交えて総勢25人ほど(打ち上げだけに来た奴もいたが)。すっかりすべてが終わったようなムードで(まだ杉並区公演があります)、自己紹介も交えつつ、大人数でわいわい飲む。
 2次会に劇団メンバーこぞって移動したところ、ビリヤード、ダーツのあるプールバー(懐かしい響き)なもんだから、一次会から一転してレクリエーションのお時間に。若い劇団員がキャッキャはしゃぐ中、オッサン客演Fさん、オッサン俳優Oと同じテーブルに就きつつ、「あとでオッサン3人で大人のビリヤード、しようぜ」と言うと、Oは今ひとつ浮かない返事。「あ、若い連中に混じってやりたいんだ?」と水を向けると、「やりたーい、若い奴らと一緒に何やってんだよ、この、このぉ、と言ってはしゃぎたい」とクソガキの顔でぬかす。このオッサン、既に退行現象が始まってるのか?
 12時過ぎて帰ろうとしたら、客演姉御Mに半ば強制的に引き留められ、じゃもうちょい残るよと腰を落ち着けたものの、皆ビリヤードに興じていて、俺は何のために引き留められたんだ?いじめか? と思いつつ、宮崎の女流演出家として気を吐くKさんと延々、コミュニケーション・ワークショップの真面目な話題で話し込む。まだまだレクリエーションが終わりそうもないエネルギー発散若手連中を尻目に、Kさんに車で送ってもらって、ああ、これで明日も一日睡眠不足だと我が身を呪いながら、午前2時半頃にホテルに帰る。

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ホテルは大淀川のすぐ横。去年の宮崎滞在時には、この川沿いの芝生部分をよくランニングしてたなぁ。

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2010年08月28日

老い日記[163]――生誕18,731日/禁煙116日目

 朝9時過ぎにホテルをチェックアウト。広島駅までプロデューサーOさんに送ってもらい、いざ宮崎へ。広島→博多(新幹線)、博多→福岡空港(地下鉄)、福岡空港→宮崎空港(JAC)という道程。飛行機はプロペラ機で、二度目の搭乗だが、やはり少々ビビる。
 ローカル線の定めとはいえ、福岡空港からの搭乗はとってもさみしい。渡された番号札を持って(17番搭乗口と書いてある)、いったんターミナルの外へ出て、バスに乗るときにその番号札を返す。とってもアナログ。バーコードかざしてピッ、なんて無縁の世界。宮崎空港はもっと哀れで、着陸すると飛行機から降りて、そのままとぼとぼと歩いてターミナルの中へ裏口のような所から入っていく。容疑者連行かよ。
 宮崎空港には去年の「みやざき演劇祭」でもお世話になった地元演劇人兼フリーアナウンサーMさんにわざわざ迎えに来てもらい、午後1時過ぎには劇場に着く。
 搬入口で劇団メンバーをはじめ、この芝居に関わる面々と久々の再会。なんせ広島で1本芝居をつくっていたので、半月ちょっとぶりの再会だったが、それ以上に会ってない気がしてずいぶんと懐かしい気になる(認知症ではありません)。照明家Iさんからは顔を見るなり、「あれ?なんか太くなってない?」と言われ、あ、いつものとろこに帰ってきた、という気になる。

 仕込みを順調に済ませ、夕方6時から止め通しの場当たり。久々に観た『誰も見たことのない場所』は至る所がおかしなことになっていて、きちんと見続けないとホントに芝居はくたびれて、しおれて、腐っていくんだなぁと改めて思う。小返ししつつ進めたので、終わってみれば退館時間ぎりぎり。
 いったんホテルに帰り、わざわざ我が故郷・小林からリハーサルを見に来てくれた旧友O&Y、俳優Oと一緒に、若手3バカトリオも連れて飲みに出る。宮崎名物、鳥サシ、鳥の炭火焼きが滅法うまい。肉巻きおむすびも美味。調子に乗って腹いっぱいに食べ、ますます太くなって1時頃にホテルに帰る。 

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 誰も見たことのない場所』の美術。

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 屹立する棺桶と白い樹木のコントラストに妙に惹かれる。
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2010年08月27日

老い日記[162]――生誕18,730日/禁煙115日目

 DOCS公演『河童』、無事終了。
 薄いと思われたマチネ、観客は約8割の入り。ソアレは補助席も出る満員御礼。ありがたやありがたや。 マチネではポジティブ&プレッシャーに弱っ男K(17歳)が、またも歌をど忘れ。おいおいK、本番だぞ。総じて緊張が前面に出ている男子陣に対し、女子陣は本番に強い。安定感のあるF(20歳)、U(18歳)はもちろん、役をチェンジされたH(19歳)も我が物顔で嫌らしい女を演じていた。マチネ後に「全然緊張してなかっただろ?」とHに聞くと、「もうガチガチでしたよぉ〜」と予想を裏切る返事。地なのか?
 歌忘れで大いに肝を冷やした演出家はソアレの前に、その場面を何度も何度もパブロフの犬のように繰り返す。1回やっては、「もう大丈夫か?」「すいません、もう1回やらせてください」。とことん付き合う覚悟で繰り返し、「もうOKか?」「はい、もう大丈夫です」。4回やった後力強い返事が。――果たしてソアレ、無事に歌えました。ノリもよかった。よかったな、K。
 観に来てくれた人からは絶賛の嵐。広島の拠点劇場の役割を担うアステールプラザの事業担当Kさんは「今年観たすべての芝居の中で一番良かった」と手放しの褒めよう。ほかにも「去年から格段にレベルアップした」「目が離せなかった」と顔を紅潮させて語ってくれる人が続々。よかったな、DOCS諸君。短期決戦、君らの勝利だ。な。

 全員でバラシ・撤収をして9時半頃から打ち上げ。まだまだ育ち盛りのDOCSメンバーにふさわしく、打ち上げはトンカツが主力の店。宴会なのにカツサンド、串カツ……と、50男には嫌味にも思える料理が次々に出る。おかげでこのところ酒もすすまなくなったオジサンはカルピスをぐびぐびあおる。 
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本番前。おめかしする河童。
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2010年08月26日

老い日記[161]――生誕18,729日/禁煙114日目

 洗濯のために早起き。虚しい。座ってるだけで汗が滲み出るコインランドリーで洗濯機が回るのをじっと待つ。虚しい。人はこうやって大人になっていく。(なりません)
 ランドリーはホテルから徒歩12分ほどもかかり、午前中とはいえ、この猛暑の中、ホテルとランドリーを往復するだけで病気か?と思うほどに汗が滴り落ちる。こうして我が身はみるみる痩せていく。(痩せません)


  DOCS10日目。洗濯に手間取り、その後の書き物仕事のメールやり取りにも手間取って、段取りの悪い演出家は「ウォーミングアップは自分たちでやっといて」と電話して社長出勤。
 稽古は今日も昨日と同じスケジュール。午後は頭から止め通し。夜6時からのゲネプロは通算3回目。
 キーマンK(17)はそのゲネプロでまさかの、歌を忘れるという大失態。さすがのポジティブ男もプレッシャーが相当のしかかっているようで少々かわいそうになるが、それでも本人には毒づくこの演出家は本当に性格が悪い。
 

 いよいよ明日が本番。Kに限らず、誰もがやる気満々ながら、不安もいっぱいなのだろう。稽古終了後に、「明日、マチネ前に(つまり午前中に)ゲネプロ4回目をやりたいか?」と問うと、「やらせてください」と主演の河童が即答。ほかの面々もうんうんと頷く。おかげで明日は9時入りに。なんてこった。ものぐさ演出家は聞かなきゃよかったと激しく後悔。もしもし、河童さん。オジサンは頭の皿が乾いて死んじゃいますよぉ。


  ホテルに帰るとホントに体がぐったり。重い。鈍い。パソコンに向かうものの、頭の回転が鈍くて仕事にならない。ええい、と諦めてベッドに入ればいいものを、だらだらとした頭と体でだらだらと仕事をしている。

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受付もほぼ設営完了。明日の本番を待つのみ。

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2010年08月25日

老い日記[160]――生誕18,728日/禁煙113日目

 DOCS9日目。『河童』はついに追い込み体勢。
 11時からアップして、午後から止め通し。6時からはゲネプロ。2回目。基本的に昨日と同じ流れで稽古をするが、まだまだ場面場面でつくりあげるべきムードが弱い。薄い。
 おまけに、せっかく劇場の舞台で本番通りの稽古ができる環境になったというのに、早くも学校が始まっている高校もあり、授業やら(15歳男子O)、追試やら(17歳男子M)で全員が揃わないから止め通しでは集団演技を詰められず、完璧主義の演出家はちょいとナーバス。その腹いせは昨日に引き続き、プレッシャーに負けそうになっているポジティブ男子K(17歳)に今日も遠慮なくぶつける。悪魔である。

  今年のDOCSは稽古後にホテルに直帰することが多いのだが、今日は来年の打ち合わせも兼ねて地元講師陣と飲みに出る。とはいえ、ビールを1杯飲んで、あとはソフトドリンクで通す。いやホントに、アルコールを欲しなくなった。癌治療で我が体はすっかり変わったのか?と本気で思う。
  もしや、アルコールを飲まなくなったから、その代わりガンガン食べまくってメタボまっしぐらになっているのか?そういう体の変わり方をしてるのか? いいのか?

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『河童』舞台美術。トラスの教室が美しい。
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2010年08月24日

老い日記[159]――生誕18,727日/禁煙112日目

 DOCS8日目。9時から改めて舞台美術・照明・音響、きっちり仕込む。とはいえ、多忙を理由に逃げる演出家は今日も社長出勤。昨日の解散時にもっともらしい顔で言い放った。「俺は明日9時には行かないが、君らは自分たちが乗る舞台なのだから仕込みを手伝いなさい」。まぁ、なんてわがまま。
  11時にウォーミングアップ開始。昨日のストレッチでは軽やかで可動範囲が広がっていた体が今日はなぜか、また重い。全身がサイドブレーキを引いたままになっているようで、このところ日増しにひどくなっている首凝りに加えて、膝・腰にも鈍い痛みを覚える。これは疲労の蓄積が限界にきているからなのか。ひたひたと老いが忍び寄ってきているからなのか。ま、両方ですな、たぶん。
 『河童』は本日、早くも場当たり、およびゲネプロ。ようやく全体の流れが繋がってきて、やっと細かい部分にこだわった演出を次々に繰り出し始めるが、キーマンK(男子17歳)はいよいよラビリンスに入ったのか、独り精彩を欠く。それでも鬼の演出家は毒を吐き続け、青春真っ盛りの若者をいじめ抜く。この男、とことんSである。
 ただし、いじめ抜くにもパワーは必要で、ホテルに戻ると今日もぐったり。書き物仕事の催促メールを読んでも、「疲れてたんじゃ、いいものは書けないよな」と自分に言い聞かせる。この男、自分にはとことんやさしい。

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平和祈念公園の母子像の下には夥しい数の千羽鶴。飛べない千羽鶴は、どこか悲しい。
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2010年08月23日

老い日記[158]――生誕18,726日/禁煙111日目

 猛暑は続く。日中、外に出ると、ものの2、3分で意識が朦朧としてくる。お盆もとっくに過ぎたというのに、どうにかならんか、この暑さ。日本列島、大丈夫なのか?
 戯曲講座が2日間で終わらず、予定を変更して今日も11時から戯曲講座。今日は途中までしか書けていないF&Y(ともに20歳女子)の戯曲にあれこれ意見する。ここでも棚上げが得意な、ぐうたら劇作家は「ちゃんと最後まで書くべし、根性で書くべし」と2人に檄を飛ばす。ああ、自分の言葉が耳が痛い。

  『河童』の稽古は今日から劇場(張り出してキャパ約130のスタジオ)に移動。仮仕込みをして実際の舞台空間を使ってふんだんに稽古できるなんて、なんたる至福。しかし若きDOCSメンバーはそんな恵まれた環境などお構いなしに、自分の演技にいっぱいいっぱいになっている。それはそれで「こいつら、没頭できて幸せ者だなぁ」と、今や何かに没頭できるほどのエネルギーを持ち合わせない老人は遠い目で彼らを見る。
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公共施設によくある吹き抜けの広い広い空間を見ると、このスペースで稽古場二つは造れるなと、すぐにそんな計算が頭に浮かぶ。ください。

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2010年08月22日

老い日記[157]――生誕18,725日/禁煙110日目

 「DOCS」6日目。
 10時から1時まで戯曲講座。昨日に引き続き今日も丸々3時間を女子U18歳)の戯曲に費やす。大人のための残酷童話といった趣のこの戯曲、牧歌と残忍が同居するシュールな展開で奇妙な味わいがある。だが本人、「全部気に入りません。全部書き直したいです」と泣きそうな顔で訴える。
 あのねU、「戯曲に現れていること=筆者本人のイメージ」ではないんだよ。SEXをイメージさせる場面が多いのは大いに結構。残忍なのも大いに結構。のほほんと平和な世界だけを描いても芝居になりません。すべてを疑ってかかる、すべてを茶化してみる、すべてひっくり返して別の視点で捉え直す。それでこその戯曲だよ。
 と、新作をまだ全然書けていない劇作家は、自分のことは棚上げして、したり顔でとうとうと説く。

  『河童』の稽古は2時開始。いつにも増して、ウォーミングアップの体が重い重い。ことにジャンプ系は体が重く、我が体が丸ごと鉛のよう。体重を測る習慣がないので見て見ぬふり状態になっているが、恐らくまたデブっている。いや、確実に太ってる。ストレッチをしながら、ああ、ここのこの肉、余分だなぁ、と何度も思う。あのね、肉さん肉さん、邪魔。動きづらいっす。
 本日、衣裳をつけての通し稽古。場面として弱いところが鮮明に。まだまだ時間がかかりそうだと褌を締め直す。(褌をつけたことは一度もないが)  
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暑すぎるよ。もうグロッキーだよ。咲いてなんかいらんねーよ。

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2010年08月21日

老い日記[156]――生誕18,724日/禁煙109日目

 体力のなくなった体になおも追い打ちを掛けるように、DOCSは本日より午前中からスタート。
 まずは睡眠不足の鈍い頭で10時から戯曲講座。演技講座にも参加している女子U(18歳)の戯曲に、10時から13時までぶっ通しで丸々3時間を費やすが、それでも終わらない。細かいことから構成全体に渡ることまで丁寧に解説。それだけUの戯曲には随所にきらきら光るオリジナリティーがある。

 2時からは、同じ南区民文化センターで昨日初日を迎えた広島の演劇ユニット「体温」の公演、『初夜と蓮根』を観る。DOCSメンバーも総見。去年、米子の公演『頭の中の千匹の蜂』にも出演した広島の大女優(笑)Tさんが準主役だったが、あまりに信じ難い設定で物語そのものに終始入りこめず。
 その後、4時半から演技講座の『河童』の稽古。
 今公演の鍵を握る男子K(17)は今日も四苦八苦。どんなに罵声を浴びせても立ち向かってくる、どこまでもポジティブ精神の持ち主だが、ちっとも上達しないところが我が劇団の若手男優3バカトリオを彷彿とさせて余計にイライラが募る。


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DOCSの稽古場に置かれた出席ボードを撮ろうとケータイを構えると、すぐにフレームインしてくる。これが若さ? ただの目立ち根性?
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2010年08月20日

老い日記[155]――生誕18,723日/禁煙108日目

 早起きしても、パソコンに向かっていると午前中はあっという間に過ぎていき、ああ、もう稽古の時間かと追い立てられるように南区民センターに向かう。

 DOCSでは毎日、20歳以下の若者たちと一緒にストレッチに精を出しているのだが、おお、我が体、快調じゃん、と周りの若者と同じ気分になって張り切ると、すぐに左膝が痛くなる。その度に、おいおいオッサン、なに調子こいてるんだ? と言われているようで切なくなるが、なんのなんの、とさらにムキになって張り切るので、膝はどんどん悪化する。
 おまけに昨日、今日と鼻水が気になっている。
 体を動かしていると、さらさらの水のような鼻水が突如、たらー、たらー、と流れ出る。もしや、またも我が体の中で何かよからぬことが起こっているのか? 不安に駆られてインターネットで調べてみると、どうやらアレルギーの可能性高し。でもアレルギーって何の? 若さアレルギー?

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『河童』の主役・河童のお試しメイク。演じるは弱冠20歳。この若さにして、既に何かを捨てている。
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2010年08月19日

老い日記[154]――生誕18,722日/禁煙107日目

 長期ホテル滞在の唯一の弱点、それは洗濯。
 もちろんホテルにはランドリーサービスはあるが、貧乏性にはパンツ1枚に210円も出す勇気はなく、午前中から炎天下、暑くて死ぬ死ぬと思いながら、歩いてコインランドリーに行く。洗濯40分、乾燥30分。待ってる時間を惜しんで仕事に取りかかるもののクーラーなんぞはないので、ただ座っているだけで全身から汗がたらたらたらたら流れ落ちる。「コインランドリー店内で50男、熱中症で倒れる」。シャレになりません。

 DOCS稽古3日目。早く最後まで流れをつくりたいと思いながら、前半だけでいくつもいくつも引っかかる。辛抱辛抱と我が身に言い聞かせ、それを根気よく修正していくが、それだけで時間が取られ、なかなか先へ進めない。
 稽古後、今後の打ち合わせを兼ねて南区民文化センターの担当Nさん、地元講師の面々と今回初めて飲みに出る。とはいえ、最初に1杯ビールを飲んだだけで、あとはソフトドリンクで最後まで。胃癌の手術以降、すっかり酒を欲しない体になったような気がするのだが、単に夏バテなのか?

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広島平和祈念公園にある「嵐の中の母子像」。……痛いっす。

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2010年08月18日

老い日記[153]――生誕18,721日/禁煙106日目

 連日、猛暑猛暑のニュースが流れない日はない。直射日光どころか、老いたる我が身には日蔭も辛い。外気はまるで殺人サウナ。数年前まで他人事だった熱中症が今では身近な恐怖。せめて水分だけはしっかり補給しなければと「午後の紅茶」をぐびぐび飲んで、みるみる体重が増えていく。水を飲みなさい。

  昨日、脅しを受けたK(17歳)は稽古場で意地悪演出家の顔を見るなり、「昨日は眠れませんでした」と宣戦布告のような眼差しで報告。おまけに「でも僕は負けません。100回いじめられても、僕は101回立ち直ります」と安いドラマのようなセリフを吐く。あの、これは芝居の稽古であって、いじめではないからね。くれぐれも念を押しておくけど、いじめではないからね。
 芝居『河童』は、まさに3歩進んで2歩下がる状態。下がるな下がるな。若者たる者、前にだけ進め。オッサンは平気で立ち止まるけどな。

 今日も稽古後は素直にホテルに直帰。仕事が溜まっていることもあるが、泥のような疲れが少しも取れず。かといって、すぐに睡眠睡眠という状況にはなく、泥になりながらせこせこと文章をひねり出しつつ、さらに疲労を溜め込んでいく。いっそ熱中症になって入院でもしたほうが体が休まるかも。 

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本番まで、あと8日。くわっ。
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2010年08月17日

老い日記[152]――生誕18,720日/禁煙105日目

 一昨日まで熊本で稽古に明け暮れていたのに、今日から広島DOCSで『河童』の稽古に再び突入。頭をすっぱり切り換えて高校生・大学生の若者たちと作品づくりに励む。
 でもって、いきなり二人の女子の配役を入れ替えるという荒技を決断。役を交換させられたF(19歳)とM(19歳)は、「役のチェンジは決定ですか?」と少々戸惑い顔ながら、二人とも新たな役のほうが生き生きしている。
 どうせなら、こちらもなかなか明るい兆しが見えないメインの男の役もチェンジしてやろうかと脅しをかけると、男の主役のK(17歳)は「嫌です嫌です嫌です」と激しく拒否。「あと10日間で絶対できてみせます」と頼もしい言葉も飛び出す。
 まぁ、やる気だけですべてを乗り越えられれば苦労はないのだが。こらこら、若い芽を摘むんじゃないよ、毒舌演出家。

 午後8時過ぎに稽古終了。飲みに行くなら付き合いますよオーラを出してくれていたプロデューサーOさんや地元講師の面々に「今日は素直に帰りますか」と言い、すごすごとホテルに直帰。だって仕事が……。原稿の催促が……。


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ホテルのレストラン(15階)からは遠くに原爆ドームが見える(この写メでわかるか?)。毎朝、このドームをじっと見ながら朝食を摂る。

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2010年08月16日

老い日記[151]――生誕18,719日/禁煙104日目


 移動日。帰京する俳優O&Sとホテルで別れ、朝9時半すぎに独りJR熊本駅へ。駅方面には熊本に住んでいた頃も滅多に行かなかったので、何十年ぶりかで見る熊本駅は「こんなんだったか?」と、異国の地に立たされたような気分を味わう。
 特急(熊本博多)、新幹線(博多広島)と乗り継いで広島へ。乗り換えた博多駅はすごい人混み。ホームには新幹線自由席を求めて長蛇の列があっていもこっちにも。
「最後尾はここ」と書かれたプレートを掲げる駅員が何人も立っている。初めて見る光景に半ば唖然となりながら、そうか、Uターンラッシュなのか、とようやく合点がいく。
 午後2時半頃に早々とチェックイン。デカくて重いキャリーケースを引きずっての移動は、それだけで疲労が溜まり、部屋に入るとそのままベッドに潜り込みたくなるが、じっと堪えてパソコンを開き、ちまちまとカンヅメ作家のような気分を味わう(ただ単に仕事が遅いだけだが)。
 夜になって買い出しも兼ねて路面電車で市内散策。こんなに何度も広島には来てるのに路面電車に乗ったのは初めてのような気がする(支払い方法がわからなくて車掌に聞いた)。
 それにしても暑い。熊本も暑かったが広島も負けていない(別に勝負ではありません)。お盆が過ぎたことだし、さっさと木の葉舞い散る秋になってくれよと心底思う(老いたる演出家は死んでしまいます)。

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熊本駅。え、白? こんな建物だった? まったく記憶のない自分に驚く。

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2010年08月15日

老い日記[150]――生誕18,718日/禁煙103日目

 「死んでいるのは中指でなはいと思う!」
 ご指摘コメント、恐れ入ります。そうですね、何を思ったか浅はか演出家、ずっと中指と思い込んでおりました。なぜ思い込んでいたのか自分なりにつらつら考えてみたところ、「一番長い指が中指」と思っていたようです。靴の中で前にぐいぐい押しつけられれば、被害を受けるのは一番長い指なわけで、「足の一番長い指は?」「中指!!」。
 ……どうもこんな思考回路だったようで。
 ついでにネットであれこれ調べてみたら、「足の人差し指、中指な感じがしてたまらない」という意見が多数載ってるサイトもありました。さらには、足の指では「人差し指」とは呼ばないという意見も結構あり(きちんとした呼び名がないので「第二指」という、そのまんまやないけ、みたいな呼び方が提唱されていたり)、おお、この歳になっても発見はいろいろあるのう、と独りで感心しておりました。

 さて、熊本4日間の稽古最終日。午後1時半から『上通物語』に、夕食後の6時半からは『メランコリーの予感』の稽古につく。もちろん、やればやるほど場面はどんどんメリハリが効いてきて面白くなるのだが、まだまだやることは山とある。特に『上通物語』は映像あり、小学生30余人に及ぶ合唱あり。大階段のセットもどう使いこなせるのやら。スタッフワークだけでもかなりの労力が必要。公演まで残り1カ月あまり。時間との闘いは今後、ますます熾烈を極めそう。

 稽古後、地元演劇人との今回初の飲み会。20人ほどが参加。今回は熊本大学演劇部の後輩たちも多数参加していて、大学の劇団話で盛り上がる。はるか年下の後輩たちが地元の演劇を支えていることは頼もしい限り。
 「え〜っ、まだ行きましょうよぉ行きましょうよぉ」と駄々をこねる若き劇作家を振りきって1時半すぎにホテルに戻る。

『メランコリーの予感』のモデルとなっているバス営業所。物語はバスの営業所内で女子大生の友情と恋の駆け引きが繰り広げられる。

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『メランコリーの予感』のモデルとなっているバス営業所。物語はバスの営業所内で女子大生の友情と恋の駆け引きが繰り広げられる。
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2010年08月14日

老い日記[149]――生誕18,717日/禁煙102日目

 熊本での稽古3日目(通算7日目)。
 昨日、打ち合わせでアップができなかったので、今日は頭から年寄りの冷や水丸出しで張り切って体を動かす。人間、日々意識して体を動かせば、50過ぎのご老体になっても体はちゃんと応えてくれる。このところ硬く、重く、鈍かった体が徐々にまた柔らかく、軽く、もしや20代?という溌剌さを取り戻しつつある(気の持ちようが何より大事)。

 立ち稽古。キャストが揃わない『メランコリーの予感』は演出助手のK君に任せて今日は自主練習。なので午後1時半から夜10時まで、『上通物語』の稽古に一日張りつく。張りつくものの、時間をかければスイスイ進むというものでもなく、焦るな焦るなと我が身に言い聞かせつつ、硬くなった筋肉をほぐすように同じ場面を何度も何度も繰り返す。同時に、7日目ともなると慣れも手伝って俳優たちには次第次第に毒も吐く(ストレスは溜めないことが何より肝要)。

 約8時間にも及ぶ稽古はあっという間に終了。夜10時過ぎから、K君らと今後の予定などを打ち合わせて11時頃にホテルに戻る。熊本出身の俳優Oは今夜は里帰りのため別行動。なので俳優Sと連夜のコンビニ通い。こんなものばかり食べてると、きっと体によくないよなぁと思いつつ、今夜もホテルの部屋で侘びしく炭水化物を摂取する(東京での食生活もさほど大差はない)。
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県立劇場の周りは緑が多く、もわっとした湿気さえなければ快適。目にもやさしい。
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2010年08月13日

老い日記[148]――生誕18,716日/禁煙101日目

 午前中はホテルに籠もって書き物仕事。ホテルの部屋の空調がうまい具合に調整できなくて、ちょっとイライラ。デスクに向かっているとエアコンの冷気が直接体に当たるので、寒くてしょうがない。かといってエアコンを切ると、すぐにもわもわもわっと暑くなる。エアコンON、しばらくしてOFF、再びON、またまたOFF。虚しい作業の繰り返しで、ちっとも文筆業に専念できず。ダメだぁ、このホテル。

 今日も午後1時半に稽古開始。なのだがウォーミングアップは俳優O&Sに任せて、制作担当Mさん&地元デザイナーさんと当日配布のパンフレットの打ち合わせ。
 その後、立ち稽古では今日も二つの稽古場をあっちに行ったり、こっちに行ったり。これまで午後と夜で別々の芝居を稽古するダブルヘッダーは経験も何度かあって慣れているものの、同時に2本の立ち稽古は初体験。なんとか効率よく先へ先へと進めたいのだが、キャストが思うように揃わないという悪条件もあってストレスだけが溜まっていく。
 夜10時すぎに稽古を終えて、今度は衣裳の打ち合わせ。衣裳担当、2作品それぞれの演出助手も交え、あーだこーだと基本コンセプトを確認する。

 ホテルに戻ったのは12時近く。コンビニで夜食を買いに出る前に、フロントに「部屋を替えてもらえませんか?」と申し出る。事情を説明し、「ちょっとコンビニに行って来ますから」と差し出したキーを、ホテルマンは少々戸惑い顔で受け取る。
 コンビニ袋を提げてフロントに再び向かうとホテルマン、涼しい顔で、「風向きは変えられますので、後ほどお部屋にお伺いします」「え? 今一緒に来てもらえないんですか?」「脚立を取ってからお伺いしますので」「……(脚立だぁ?)」。
 ほどなくして、やってきました脚立抱えたホテルマン。何をするのかと思いきや、ああ、やはり。脚立に乗って天井の送風口の羽を手でくるくると次々に回し、風が部屋の奥ではなく入り口のドア付近に向かうように調整。ああ、なんて原始的。すっかり気持ちが萎える。一日の疲れもどっと出て食欲も失せる。

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催し物案内板。地下1階の演劇リハーサル室と音楽リハーサル室が押さえられている。この向かい合わせの2部屋を何度も往復しながらの稽古が続く。

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2010年08月12日

老い日記[147]――生誕18,715日/禁煙100日目

 朝7時半にはデカいキャリーケースを引きずって家を出る。帰省ラッシュの時期でまとめて航空券が取れず、同行する俳優O&Sはスカイネットアジア航空で、演出家はなぜか二人より10分早い日本航空で、それぞれ熊本へ向かう。
 いつもはどこに行くにもANAしか使わないため、羽田空港で久々に第一ターミナルに足を踏み入れると、その薄汚い感じに驚く。あれ、こんなに汚かった? 保安検査場の社員たちも仕事が遅い。先入観激しい演出家は立ち話をするJALのキャビンアテンダントも渋谷のセンター街をうろつくねーちゃんたちにしか見えず(デカい声でギャハギャハ喋ってていいのか?)。ああ、会社が潰れるってこういうことなのねと演出家はますます色眼鏡をかける。大丈夫か、JAL。ほんとに再生できるのか、かつてのトップランナー。

 俳優O&Sとは現地の阿蘇熊本空港で落ち合い、タクシーで熊本県立劇場へ。
 昼食を済ませた後、午後1時半から稽古開始。ウォーミングアップの後、『メランコリーの予感』『上通り物語』、二つの稽古場をあっちに行ったりこっちに行ったりしながら立ち稽古。これが意外にしんどい。パンパン頭を切り換えつつ、心休まる暇がほとんどない。なのに1本1本の稽古は遅々としてしか進まない。
 夜10時に稽古終了。ホテルに10時半頃チェックイン。部屋に入ると恐ろしく体が疲れている。大丈夫か、我が体力。JAL以上に、真剣に気力・体力の再生を図らないと潰れてしまうのではないか?
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第一ターミナルはカーペットが薄汚れ、人も第二ターミナルに比べ、かなり少ないような。

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