2011年04月07日

『又聞きの思い出』始動。――[385]生誕18,953日

 正午から顔合わせ。キャスト&スタッフがほぼ全員揃う中、主役のNさん(ミスター・ウエスタン)の姿が見えない。マネージャーさんから「30分ほど遅れます、すみません」と言われ、正午になってみんなに「時間になりましたが、Nさんが渋滞で遅れているので30分ほど待ちます」と説明したのにNさん、やって来て稽古場に入るなり、「すみませーん、寝坊しましたぁ、すいませーん」と底抜けに明るくのたまう。もしもし、Nさん、そこは渋滞でしょ? たとえ寝坊でも渋滞でしょ?と無駄に終わった気遣いを演出家は一人悔しがる。
 
 読み合わせは1幕・2幕を通して1回。さらに1幕だけをもう1回。読みが終わるたびに、翻訳家のSさんとも相談しつつ、さらに細かいテキレジを入れる。しかし実際に俳優がセリフを言うと、一人で頭を捻りながらうんうん考えていたところが、霧が晴れたように答えが見えてくる瞬間がある。役者の力はそれほどに素晴らしい。(もちろん、同時に問題もいくつも見えてきて演出家は一人、どんよりするばかりではあるが)
 
 読み合わせの後は美術プランの説明と衣裳のための俳優の採寸をして、今日は6時すぎには解散。
 その後、飲みに出ていったスタッフ陣(舞台監督O、舞台美術家Iさん、音響家Kさん、若き衣裳家N)に劇団メンバー数人と遅れて合流。とはいえ、まだまだ仕事の残る演出家は、酒は控えてジンジャーエールで座に加わる。その後、照明家のIさんんもやって来て、現場の主要スタッフは一堂勢揃い。そこで熱く芝居の話をすればいいものを、オッサン演劇人が盛り上がるのは、老眼、AKB48、としょーもない話題ばかりで、その合間合間に場つなぎのように、ちょろちょろと芝居のことを話す。まぁ、そんなもんです。
 
 酒宴の帰り。丸の内線の電車に滑り込んだところでベルの音がホームに鳴り響く。何事かとおもえば、「只今、東京地方に強い地震が発生しました」とアナウンス。よくよく見れば、電車は水上の舟のごとく、横にゆ〜らゆら揺れていて、再びアナウンスが「只今、東京地方に地震が発生しました」と、わざわざ「強い」を付け足して流れる。それでも乗客は誰一人騒ぐこともなく、中には熟睡を続ける強者もいる。大したことにはならない。じきに収まる。我が身に限って。そんな心のスキが逃げ遅れることに繋がるのやもしれぬ。
笹塚の桜.jpg 
笹塚の桜。横を歩く中年オッサンの背中が侘びしい。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記