2011年06月08日

月日は流れる。――[447]生誕19,015日

 新宿を歩いていて、ぶったまげた。
 一昨年の3月末に閉館した「THEATER/TOPS」がまた劇場になっていた。「おお……!」と一瞬、歓喜の声をあげそうになったが、よくよく見ればお笑いの劇場ではないか。その名も「松竹芸能新宿角座」。吉本興業に対抗して松竹芸能がお笑いライブの拠点をつくったらしい。
 その昔、一跡二跳のチラシもよく張り出されていたビル外壁の告知スペースには、最近テレビでたまに見る若い双子のオネエタレントの写真がドーンと……。
 事実を認識するに至り、すさまじい脱力感に襲われる。まさに、へなへなと……。小劇場の登竜門的存在で我が劇団一跡二跳のホームグラウンドでもあった劇場がこういう形に姿を変えるとは……。いや何もお笑いが嫌いなわけではない。ただ、結局は大手資本に負けるというか、すべては経済優先で物事は動いていくのだという事実が我が身を絶望に陥れる。
 
 世田谷パブリックシアターでシス・カンパニー『ペッジ・パードン』を観る。 15分の幕間休憩に外に出てネオシーダーを吸い、急いで戻って外出券をモギリの人に渡した途端、そのニーチャンに「古城先生」と呼び止められる。よくよく顔を見れば、日芸でのかつての教え子のS君ではないか。「おお……!」「お久しぶりです」「え何? 今ここで働いてんの?」「あ、はい。ここで仕事しながら、まだいろいろとやってます」
 時間がなくてそれ以上は話せなかったが、遡って数えてみると、S君に教えてからかれこれ10年は経つ。S君の専攻は確か「戯曲」だったが、我が「演技」の授業を毎週毎週熱心に受講していた。「脚本、書いたら読んでもらっていいですか?」と言われたこともあったなぁ。(読んだ記憶はないが)
 あれから10年。月日の流れ去る速さに驚きもするが、そうかそうか、S君はまだこの世界で頑張っていたかと保護者のようにほくそ笑む。ほくそ笑みながら我が身を振り返ると、あまりの変わり映えのなさに一気に気持ちは萎えるわけだが。
松竹芸能新宿角座.jpg
かつてのTHEATERTOPSに張られた松竹芸能新宿角座のチラシ。諸行無常を突きつけられる。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(1) | 日記