2011年11月10日

カジノでぱーっと。――[602]生誕19,171

 オリンパスと大王製紙。一流企業がともにトンデモナイことになっている。片や200億円以上の巨額損失隠し。片や100億円にも上るカジノでの使い込み。バレたから大騒ぎになってはいるが、大企業ってホントに金あるんだなぁ。200億だろうが100億だろうが、会社が潰れることもなく、なんとかなっちゃってたわけだから。
 それにしてもカジノに100億。湯水のように金を賭けられる立場にあることが凄いね。超一級のカモってことだからね。
 つい先日(7日)、『死に顔ピース』に悪人が出ないのなんのと書いたけど、いるねえ悪人。しかも巨悪。こういう人たちをモデルに芝居を書いてみたいもんだ。きっと筆は走るだろうなあ。タイトルは『おまえにいったい何があった?』でどうでしょう?
 と、はるか先の見果てぬ夢を見るより、まず足もと。実寸稽古場での稽古は残すところ3日。来週の今日は初日。ああ、恐ろしい恐ろしい。日々追い込まれゆく精神状態を解放するために、カジノで1億くらいぱーっと使いたい。
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おまえにいったい何があった?
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2011年11月09日

骸骨君では削れない。――[601]生誕19,170

 ストレスが食に向かい始めている。マズい……。とってもマズい……。せっかく減量作戦に成功して体が軽くなって動きやすくなってきたのに、ここ数日、少しずつ少しずつ体重が増加傾向に転じている。プラスマイナス数百グラムを行ったり来たりしながら、結果的には増えている。
 芝居もボリュームを増やしては減量、つくっては壊し、といった作業の繰り返し。この繰り返しの先に、美しい輪郭(構造)を持った芝居ができあがる。……のだが、もともとがガリガリの骸骨君では削りようがない。
 初日まで、ついにあと1週間。どれだけ美しいフォルムを『死に顔ピース』は獲得できるのか?
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消防隊、出動! 我が食欲を鎮火せよ!
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2011年11月08日

祝! 600回。――[600]生誕19,169

 中国新聞から電話取材が入る。記者のIさんは今回の芝居のモデルとなっているO先生(山口県在住)のことをよく知っているようで、電話越しながら取材はスムーズに進む。
 「どうして演劇にしようと思ったんですか?」。元新聞記者の我が身からすれば、こうした核心にいきなり切り込んでくる質問をしたくなるのはもっともだとわかるのだが、質問されるほうからすると、「何ですか、いきなり土足で」という印象がなくもない。いや、ちゃんとそれなりに私は答えましたけどね。
 「演劇のほうが観客の想像力で世界が構築されるぶん、よりリアルに伝わると思うんですよね」。どうだ、ちったあ気の利いた答えだろうと独り、ご満悦になっていると、「ああ、Oさんもそうおっしゃってました」。………。
 10分ほどで電話取材は終了。
 
 Hは昨日から一般病棟に移り、リハビリに着手したとのこと。リハビリと言ってもまだ、手すりにつかまって立つ、その程度ではあるが、これは大きな前進。
 さてさて芝居も大きく前進しなければ。初日まで、あと8日。劇場入りまで、あと5日。……ま、間に合うのか?
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これ、芳香剤。見た目に惹かれて購入。あまり効いてる気がしない。
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2011年11月07日

悪人が出ない。――[599]生誕19,168

 悪人の出ない芝居は面白くない。悪意のない芝居はつまらない。これを信条としている我が身にとって、『死に顔ピース』はなかなか手強い。「こいつ心底、悪人でしょう」という人が出てこないから。おまけにモデルがあるので、どこまで悪意(あるいは攻撃的な感情)を表に出していいものかと思い悩む。
 みんな悪人ではないけれど、立場や主張が違えば、相手にとっては「感じ悪い悪人に見える」という落としどころが一番落ち着きがいいし、ドラマとしても成立するだろうと思うのだが、この匙加減は意外と難しい。
 
 今回の舞台美術も敢えて逆をついて、ヒューマニズムとか明るいといったイメージを全面的に排除している。「どんなヒューマニズムも関係ない人から見れば他人事」。このコンセプトのもと、美術がつくりだす世界は真っ黒に。そこで人間的ドラマが繰り広げられるほうが、より胸を打つ。……はず、と思って今日も芝居に明け暮れる。
 性悪説なんですね、私。改めて思い知りました。
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『死に顔ピース』の舞台美術。シンプルながら様式美が漂う。
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2011年11月06日

父親と母親の死。――[598]生誕19,167

 今回の新作『死に顔ピース』のテーマは在宅緩和医療。「家で死ぬ」ことを扱っている。去年、我が身が胃癌になったことで、癌はぐんと身近になった感があるが(ありがたくはないが)、我が父親も母親も癌で死んでいるので、もともと癌は身近な存在(嬉しくもないが)。
 
 思い返せば、父も母も病院で死んだ。
 母親は病院に診てもらいに行ったら即入院となり、余命3カ月と宣告され、そのまま一度も家に帰ることなく、宣告よりも短い2カ月でこの世を去った。母親が死ぬまでの2カ月間、「家に帰りたい」と口にしたのを聞いたことはなかったが、間違いなく帰りたいと思ったいただろうと思う。その願いをいつの時点で母は諦めたのか。それとも死ぬ間際まで、その望みを持っていたのか。母の日々じわじわと絶望していく心の旅を思うと、今さらながら哀れに思う。
 父親は肺癌で長患いとなり、何度か家に帰った。庭を眺めるのが好きだった父は帰宅すると、驚くほど落ち着いた表情になったが、それでもいったん苦しみだすと、家ではどうすることもできなかった。「起こしてくれ」「寝せてくれ」と数秒おきに言い続ける父を介護しながら、どこか腹が立っている自分に気づき、俺は人でなしだ、と思ったりした。
 
 今回の芝居は否応なく、父と母のことを思い出させる。しっかりと思い起こして、深く深く考え抜かなければ芝居はつくれない。新作を生むということは、それほどにしんどい心の旅を強いられるのだと改めて思い知らされている。
 初日まで、あと10日。
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父親と母親の骨。
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2011年11月05日

おおらかに全力投球。――[597]生誕19,166

 産みの苦しみが続く。胃が痛い。心がざわざわする。体が二つに引き裂かれる思いがする。
 とはいえ、胃癌になったわけではないし、神経疾患に陥ったわけではないし、体は引き裂かれてなどいない。泣き言を言う前に一歩ずつでも、その歩みを進めよ。いたずらに自分を追い詰める必要はない。おおらかに全力投球で頭を使うべし。
 
 そうだそうだ、頑張るぞ。初日まで、まだ11日もあるじゃないか。ただ、連日の睡眠不足で、どうしても眠気が……。おいおい、オッサン、寝ちゃダメでっせ。おおら…かに全力投球……だから寝ちゃダメだってば。
 
 『死に顔ピース』のムーブメントは俄然、面白くなってきた。今回初めて採り入れた「超スローモーション」がスローモーションとの組み合わせで、不思議な時間の流れを生む。静止画を何枚も重ねたような動きにも見え、同時に映像的でもある。次回作ではこれにクイックモーションも加えると、さらに立体的な時間が立ち上がってくるのではないか。そう思うと、今からわくわく、胸が躍る。もちろんその前に、とりあえず今回の芝居に早くケリをつけろということですが。
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誰か叩いてください。
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2011年11月04日

頂上の見えない山登り。――[596]生誕19,165

 昨日の強行スケジュールが尾を引いているのか、今日は一日じゅう全身が鉛のように重い。もちろんマッサージなんぞに優雅に行ってる暇はないので、大リーグ養成ギプス(懐かしい単語!)を装着している気分で、頭部、肩、背中、腰にたっぷりと鉛の負荷を味わいながら芝居にのめり込む。
 初日まで、あと12日。しかし、まだまだ全貌は見えず。見上げても見上げても頂上の見えない山登り。
 
 解離性動脈瘤で一跡二跳の創立メンバー・Hが倒れてから15日が経過。呼吸器で喉が腫れたため気管切開をしたそうだが、来週早々にも一般病棟へ移れそうとのこと。少しずつではあるが、確実に快復の途についている。よっしゃ。今後はリハビリだ。頑張れ、H。
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広告がほぼゼロの地下鉄ホーム。なんだか不気味。いつになったら日本経済は上向くのか?
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2011年11月03日

17歳男子に「父性」を見る。――[595]生誕19,164

 完全徹夜のまま、まだ夜も明けないうちに羽田に向かう。朝イチ、7:25発の便で山口宇部へ。
 宇部にはワークショップで例年呼ばれているのだが、今年は芝居の稽古が押し詰まっているので日帰りでお願いしたところ、航空券の手配が遅かったらしく、結果、朝イチの便になり、早起きというか完徹して出かける羽目に。
 8:35には山口宇部空港着。9時過ぎには市内に入るが、ワークショップは午後1時から。どうするんだ、この空き時間。
 と、どんより頭で思っていたら、コーディネーターのMさんから、「ホテルを休憩用に取ってますので、休んでください」と、ありがたい心遣いをいただくが、「11時半にまたお迎えに来ますので」。え?ってことは、たったの2時間ちょい?
 それもそのはず、今回のワークショップは宇部市ではなく、隣の山陽小野田市。車で30分ほどかかるらしい。
 結局、書き物仕事に追われる我が身はホテルの部屋に入るなりパソコンを立ちあげて、にわかカンヅメ状態に。そのまま一瞬たりともベッドで横になることもなく、ホテルを出る。
 
 ワークショップは「中高生と乳幼児のふれあい体験事業」。
 乳幼児とのふれあい? で、なんでこのオッサン演出家が呼ばれるんだ?と、毎回いぶかしく思うが、「まずは参加者の緊張を解きほぐし、打ち解け合うことが最終的に乳幼児とのふれあいにも繋がる」というMさんの言葉に騙され、何回かこの事業のトップバッターとして講座を受け持っている。
 参加者は中高生とサポーターの大人たち、合わせて25人ほど。中高生は高校3年の男子が1名で、あとはオール女子。乳幼児ふれあい事業だから当然か。ならば、男子で参加するのはどういう心持ちなのか。早速、その17歳男子・Y君に「進路はどうするの?」と聞いてみると、「フツーに就職しますよ」。なんでも地元の企業から既に内定をもらってるらしい。
 このY君をにわか助手に仕立てて、シアターゲーム、体のコントロールなどに、たっぷり3時間を費やす。Y君は毒舌演出家がいじり倒しても嫌みなく受け止める人当たりのいい心優しき少年で、こりゃいいパパになるわと、まだ17歳の少年に我が身よりもはるかに適性がある「父性」を見る。そうそう、こういう心優しき男子は父親になったほうがいい。
 
 4時過ぎには終了となったが、帰りの便も最終19:05しかチケットが取れていないので、Mさんの案内で宇部市の「常磐湖」に行き、ほとりで開催されている「UBEビエンナーレ彫刻展」を見に行く。広々とした自然豊かな空間に点在する彫刻というのは、なんとも不思議な世界をつくりだす。6時からはライトアップされて、いっそう神秘的な雰囲気。
 1時間ほど堪能した後、食事をすませて空港へ。もちろん、機内では爆睡し、夜10時半頃にへろへろになって自宅に帰り着く。改めて思い返せば、たった3時間のワークショップのために丸一日がかり。長い一日であった。お疲れ。
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「UBEビエンナーレ」の彫刻展。なぜか巨大なウサギが。タイトルは「ただいま、地球」。……わからん。
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白いバス。ジブリ作品に出てきそう。美しい。
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我が一番のお気に入り。オール金属のバッター&キャッチャー像。彫刻なのにスピード感が秀逸。観る角度によっていろんな物語が想像できる。
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これが大賞。……ふ〜ん。
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2011年11月02日

もっと人間らしい生活を。――[594]生誕19,163

 パソコンとにらめっこ。芝居の稽古をにらめっこ。このどちらでもなければ電車で移動中。ホントにこれだけで一日が過ぎていく。もっと人間らしい生活を送らなくて何のための人生なのか。なぜこうも時間がないのか。自分以外の人間はみんな、アフター5を満喫したりしているのか。映画を観たい。本を読みたい。ロンドンに行きたい。芝居に追い込まれて、次第次第に現実逃避の道を模索し始める。あかーん。
 
 『死に顔ピース』のアフタートークのゲストがようやく決まる。本作のモデルにもなっているOさんが当てにしていた医師がことごとくNGで、ゲスト捜しのお鉢がこの間際になって回ってきた。それで昨日・今日と長年の付き合いになる編集者のHさんにひと肌脱いでもらって、なんとか目途がつく。
 Hさん、いつもこんな時だけお願いして申し訳ないっす。助かりました。ゲストに決まったのは、「薬を使わない精神科医」でメンタルセラピーを提唱する宮島賢也さん。トークのテーマは「楽しい終末医療」。どんな話が聞けるのか、今から楽しみ。というか、今の我が身にセラピーしてください。
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本当でしょうか。
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2011年11月01日

試練? 嫌がらせ?――[593]生誕19,162

 『死に顔ピース』は今日からいよいよ追い込み稽古で、ほぼ本番同様のセットを稽古場に組む。とはいえ、役立たずの演出家は仕込みにノータッチなので、「いよいよ」という感覚を身をもって知らない。おまけに今回は、ぱっと見、実にシンプルな舞台美術なので、「おお!本番までのカウントダウンが始まったのう」という切迫感も今ひとつない。この危機感のなさは間違いなく後で手痛いシッペ返しを食らう。ヤバいヤバい。
 
 しかし我が身が、「よっしゃあ!! 芝居にどっぷり突っ走るどぉ!!」とモードチェンジすると、そういう時に限って別の仕事が雪崩れ込む。これは試練なのか、嫌がらせなのか。たぶん両方。今はただじっと耐え忍ぶしかない。
モデル立ちの上野駅駅員.JPG
モデル立ちの駅員を発見。立ち仕事、お疲れさんです。
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