2011年12月11日

遠くなったロンドン。――[633]生誕19,202日

 在外研修の成果公演、『ポルノグラフィー』を恵比寿エコー劇場に観に行く。この芝居、2005年7月のロンドン同時多発テロまでの数日間をさまざまな人の立場で描く。テロ勃発当時、そのロンドンに留学中だった我が身にとっては、鮮やかに脳裏に蘇ることが多く、観ていて懐かしい思いにすらかられる。我が身がそうであったように、いろんな立場の人がさまざまな思いを抱えて、「あの時」を迎える。そして、「その時」がそれぞれの人生に刻みつけられていく。
 芝居の出来としては手堅いが、演出がやや前に出すぎている印象。もう少し、俳優勝負に徹してもよかったのではないか。演出の手が見えすぎる舞台は、どうにもかっこ悪い。そう思うようになったのは歳を取った証拠なのか?
 
 観劇後は同行した我が劇団のメンバー3人と茶飲みに流れる。観たばかりの芝居の話をあれこれしていると、若手は口をそろえて「難しかったです」と言うのだが、この言葉に接するたびに腹が立つ。あのねぇ、それは君が無知なだけだよ。芝居は無知な人のためにあるんじゃないんだよ。そう思って苛立つオッサンは、ここぞとばかりに講釈を垂れる。あー、うざい。
 振り返ってみれば、留学から戻って以降、一度もロンドンに行っていない。留学前はほぼ毎年のように出かけていたのに。すっかりロンドンは遠くになりにけり。
 
 帰宅後、今日は真面目にミュージカル『二十四の瞳』の最終稿に時間を割く。真面目にというか、ただ追い込まれているだけなのだが、わっせわっせと頭をフル回転させて、146ページあった台本を27ページもカットする。これでなんとか、上演2時間に収まるはず。これでプロデューサーNさん、無事、お役ご免の脱稿ですよね?
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コントラストが鮮やか。自然の舞台にはかなわない。
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2011年12月10日

神経痛が出てます。――[632]生誕19,201日

 今夜、くっきりと、「赤黒い月」が拝めたそうな。皆既月食があることをちっとも知らなくて、終わった直後にニュースで知り、甚だ悔しい思いをする。くそー。次に日本で拝めるのは3年後の2014年だそうな。果たして、そこまで生きているのか?ああ今夜、冥土の土産にこの目で拝みたかったですなあ。
 
 今日締め切りの書き物仕事があるにもかかわらず、どういうわけだか少しも筆が進まず(やる気がないからです)、ええい知ったことかとマッサージに行く(ホントにややる気なし)。
 
「神経痛が出てますね」とマッサージのニーチャンは挨拶するように言う。初めて神経痛と言われたときは「マジで?」と多少うろたえたのだが、言われるのも2度目になると、「ああ、そうっすか」とばかりに右から左に受け流す。
 だってさ、「出てます」と言われたってど−すりゃいいのさ。日頃こういうことに気をつけろとか、こういうストレッチをしろとか、改善策の一つもご教授してくださいよ、ニーチャン。
 それでも少しは体が軽くなって、すっきりついでに散髪にも行くが、こちらは鏡に映る髪のない自画像が哀れ極まりない。それを直視しなければならないという拷問のような時間を過ごして、髪はいっそう寂寥感を漂わせる。
 神経痛に薄毛。いよいよ「老い」は急な坂を転げ落ちるがごとし。もちろん改善策の打つ手なし。
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椿。ふてぶてしすぎて嫌いなのに、ついつい目がいく。
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2011年12月09日

こうでなくては。――[631]生誕19,200日

 朝から会議で半蔵門へ。10時から2時間の予定で、ほぼ2時間で予定通りに終わる。素晴らしい。会議はこうでなくては。もっとも、一人だけ細かいことまで根掘り葉掘り聞いていた、しつこいオッサン演出家がいなければもう少し早く終わっていたのかもしれないが。
 続いて初台に移動して、『友達』の稽古。昨日の続きで、とりあえずの流れを少しずつ形にしていくが、5期生の試演会に6期生から数人、チョイ役で出るらしく、その衣裳合わせのために今日は切り上げて5時には稽古終了。素晴らしい。どこまで進んだかはともかく、短時間集中ってことですね。芝居の稽古はこうでなくては。
 
 夜はせっせと執筆作業。すいすい筆は進み、みるみる原稿が仕上がっていく。素晴らしい、やはり執筆とはこうで……とはいかないんだな、こればっかりは。うんうん唸り、ちまちま書いたものをまた消して、また、うんうん唸って、だらだら地獄。
 しかし、だらだら書いていても時間ばかりが過ぎてゆくので、しょうがない、今夜はもう寝るか明日のために。と、この決断だけは早い。やはり健康生活はこうでなければ。(泣)
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シドニー? ……理由を聞かせてもらいたい。
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2011年12月08日

煮え切らない。――[630]生誕19,199日

 本日、老体には過酷な芝居の稽古のダブルヘッダー。
 まずは午後1時から初台で『友達』の稽古。始まる前に研修担当のNさんと打ち合わせがあり、1時を若干過ぎて稽古場に入ると、既に音楽を掛けてウォーミングアップが始まっている。偉い偉いと思いつつ、「おはよう」と稽古場に入り、更衣室で着替えていたら、あらら、音楽が止まっちゃったじゃないの。なんで?と思いつつ着替え終わって出ていくと、「ちょっと自分たちで確認してました」。いやいや、いいから気を遣わなくて。老人はほっといてどんどん自分たちでやっといて。頼むからオッサンには楽させてあげて。そう心の中でぼやきつつ、仕方がないので若者と一緒に最初からうんしょ、うんしょと体を動かす。ああ、体重が少しリバウンドしたせいで以前より重くなっている。
 
 立ち稽古では頭から演出をつけながら先へ先へと進めていくものの、本番発表の会場がまだ決まっていないため、「とりあえずということで」「一応、ここは仮で」などと、どうにも煮えきれないまま進めるしかなくて、充実感はなんとも希薄。やっぱり演出は空間あってこそ。お願いだから発表会場、早く決めてください。(決まっても煮え切らないかもしれませんが)
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更地は駐車場になりました。(1023日参照)
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2011年12月07日

もどかしさが募る。――[629]生誕19,198日

 今日の稽古は午後2時スタート。基礎をひと通り、でも若干短めにすませて、読み合わせに昨日より時間をかける。
 そうだよ、悠長なことはやっていられない。今年は去年より稽古日数が少ない。時間ない時間ないと我が身に言い聞かせ、稽古終わりには配役を決定、即発表。
 焦りを抱える演出家とは対照的に研修生たちは淡々としたもので、キャスティングが発表されても、「あ、そうですか」といった反応。(主役の男の配役を言ったときだけ、「おお」と感嘆とも驚きともとれる声が上がったけれど)
 「明日から早速、半立ち稽古で進めるから、しっかり読み込んでおくように」と一応、威厳を持って物申しておく。
 さてさて、これで『友達』は本格始動。安部公房に取り組むのは大学時代にミュージカル『可愛い女』をやって以来。いったい何年ぶりになるんだ?と興味が頭をもたげるが、いざ計算すると「老い」を自覚することになるのでやめておく。
 
 夜は劇団事務所で制作会議。延々11時近くまで。しかしどうも、事務連絡ですみそうなことや、重要度の低いことばかりに時間をかけていて、なんとも不毛な気分になる。だらだら会議からは決してクリエイティブなものは生まれないとわかっているのに。もどかしさだけが募って体に悪い。
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ここでバックステージパスを提示したことはありません。
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2011年12月06日

やってたんですか?――[628]生誕19,197日

 シーンスタディ2日目。「体と声」の基礎稽古に時間を掛けて、オーディションのための読み合わせは2幕のみ。
 新国立演劇研修所の6期生とは事前のワークショップをまったくやっていないので、研修生それぞれの長所短所もまだ漠然としか掴めず、手探りしながらの稽古が続く。
 おまけに安部公房の『友達』は改めて読むと、今となってはずいぶんと古臭い。初演が45年前の1967年だから無理もないのだが、45年も経てば言葉遣いや価値観はこうも大きく変わるものかと驚かされる。
 休憩中に「古城さんは昔、ジャズダンスやってたんですか?」と聞かれる。「やったことないよ」と即答するが、「やってたんですか?」という過去形の質問に「老い」を突きつけられた気になる。そこに引っかかること自体、老いの証拠だろうが。
 
 稽古は6時過ぎに終わり、夜はしこしこと書き物仕事。『死に顔ピース』が終わって2週間近く経つのに、ストレス太りが継続中。「炭水化物絶ち」も次第にテキトーになってきて、体重は微増の道をひた走る。ヤバい。ヤバいです。
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この広告、「おっ」と目をひいた。被写体はすべて現代のもの。なのに近未来的ムードが全面に漂う。
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2011年12月05日

ダブルヘッダー。――[627]生誕19,196日

 朝から会議で初台へ。新国立劇場企画サポート会議。いつものように12時には終わるだろうと踏んでいたら、この日に限って終わる間際に企画の内容が二転三転し、散会したのは予定を大きくオーバーして12時45分。
 そのためオッサン演出家は、5階の会議室から急いで地下2階のリハーサルフロアへ。今日が稽古初日の新国立劇場研修所6期生のシーンスタディは午後1時からのスタート。もちろん昼飯にはありつけず、ネオシーダーを1本だけ吸って気分を一新して稽古場に入る。
 顔合わせもそこそこに、すぐにアップ開始。6期生は男優の平均年齢が高く(28歳以上が5人も)、例年になく落ち着き払った雰囲気が漂う。なのでドS演出家は本領発揮する機会も少なく、基礎レッスン、『友達』の読み合わせを粛々と進める。何か物足りない感もあるが、まあ初日なので。
 というわけで日中はずっと新国立劇場の建物内。意外と息抜きできる場所がないので疲れる。
 
 初台から阿佐ヶ谷に移動して、夜は劇団の基礎稽古。こちらは水を得た魚のように、大いに若手をいじめ抜く。あれ?何か稽古の目的が違ってる?
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我が家の前の街路樹は黄色くなれないまま枯れ始めてる。大丈夫か、地球。
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2011年12月04日

どすどすどすどす。――[626]生誕19,195日

 善福寺川の樹木の葉は個体差が激しい。まっ黄色に色づいている木もあれば、目に眩しい緑のままの木も少なくない。今年はホントに季節の移ろいがふらふらしていて頼りない。
 冬は長距離走の季節。日曜日ということもあってランナーがあっちにもこっちにも。すれ違ったり、追い越されたり、追い抜いたり。みんな自分のペースを守りつつ快調に駆け抜ける中、未だに本調子に戻れないオッサンランナーは、どすどすどすどす軽い地響きを立てるほどに体は重く、ピッチも守れず、ただひたすらに耐え抜いて1時間ちょっとを走り抜く。
 
 夜は数日前にメールのあった俳優修業中のK、我が劇団の新人女優Hと食事に出る。この二人は広島DOCSの同窓生ということもあって共通話題が多く、7時過ぎに店に入り、結局閉店の11時半まで、ひたすら食べて喋って、喋って食べる。
 食したのは塩味の「もつ鍋」。具材を追加注文し、締めの「おじや」を食べる頃にはスープが煮詰まりすぎて、しょっぱいスープご飯のようになっている(それでも美味かったが)。
 
 順調と思えた雑誌の進行が原稿が届かず止まった。もしもし、ライターのHさん、シカトしないで原稿の進み具合を連絡してください。ばっくれたくなる気持ちは大いにわかるけれど、やはりシカトはいけませぬ。よろしく。
 ついでに個人連絡ながら、我が姪っ子のMよ、一度我が劇団のアドレスにメールしておくれ。叔父さんはもっと近況を知りたいので、よろしく。
  onetwoworksinfotemp@yahoo.co.jp
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近くの公園の紅葉。日を浴びて神々しいほどに美しい。
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2011年12月03日

キャバクラのような。――[625]生誕19,194日

 実に久しぶりにマッサージに行く。「あちらの椅子でお願いします」と指定された席で待っていると、やってきたニーチャンは「9月半ば以来ですね」とキャバクラのネーチャンのようなことを言う。そうか、秋口からマッサージに1時間かける余裕も持てない生活だったんだなと我が身を振り返る。
 肩を揉まれれば、「バキバキですね」。足を揉まれれば、「ふくらはぎ、すごいことになってますね」。マッサージのニーチャンは殊更に、お客さん、凝ってますよ、ということをアピールしてくる。これはもっと頻繁に来てくださいねという営業トークなのか?と思いつつ、「そうですね」と受け流す。
 実は筋肉が老いた証拠なのか、バキバキの肩はもはやマッサージをやってもらっても以前ほど効果を感じない。久しぶりに味わうぞと勇んで出かけたのに、「すっきり感」を満足に得られないまま、「また寄ってくださいね」という言葉を空しく聞き流して店を出る。
 
 昨日になってようやく、来週からの新国立劇場演劇研修所6期生のシーンスタディの演目を安部公房の『友達』に決める。若手が取り組むには、手強い脚本。というか、今となっては古臭くないか?とも思うが、今年から指定戯曲の中から選ばないといけなくなったので、『友達』『赤鬼』『はだしで散歩』にいったん絞って、最終的に『友達』に落ち着く。脚本は去年より手強いのに期間は短い。ちゃんと芝居になるのか?
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広島空港で見かけたパン。「ナナパン」ってどんなパン?
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2011年12月02日

お見それしました。――[624]生誕19,193日

 新国立劇場マンスリープロジェクトの演劇講座に出かける。講座タイトルは『新劇が新劇であった時代』。講義後半で文学座『女の一生』と、民藝『炎の人』を少しずつながらビデオで鑑賞。杉村春子さんの異常なほどに早口なのに一言一句聞き取れるセリフ術、三津田健さんの体はほとんど動かさないのに非常に起伏に富んだ感情的なセリフ術に改めて驚かされる。
 
 たっぷり2時間の講座修了後、今日の講師の演出家Aさんに、「こういう人が来ると、やりにくくてしょうがないんだよね」と言われる。え、なんで?私、真面目に聞いてましたよ。
 それにしてもAさん、御年77歳とは思えぬ記憶力の確かさ。昔のエピソードがぽんぽん飛び出す。「癌になって20kg痩せたんだよ」と言ってた頃に比べると、体重もすっかり戻って健康そのもの。おまけに今月後半は俳優として舞台にも立つ。いやはや、エネルギッシュ。お見それしました。
 
 気がつけば今年も残すところ30日。書き物仕事は途切れることなく襲いかかってくるが、エネルギッシュにいかなくちゃね。Aさんに比べりゃ、我が身なんてまだまだ若輩。全然、若者。でしょ?
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気がつけば師走。年が明けるとまた一つ歳を取る。
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2011年12月01日

イラスト打ち合わせ。――[623]生誕19,192日

 今年の流行語大賞は「なでしこジャパン」だと。トップテンには「3・11」「帰宅難民」「絆」「こだまでしょうか」「風評被害」と震災関連が五つ入ったが、「放射線」「水素爆発」「セシウム」など、原発関連が一つもないのはなぜだろう。どこからか圧力がかかっているのか?「東日本大震災」「がんばろう日本」がランクインしていないのも不思議。あれ? そういえば去年の年間大賞は何だった?と気になって、今調べてみたら「ゲゲゲの〜」だって。まったく記憶になかった。ユーキャンの流行語大賞はどこかズレてるということか。それとも我が記憶力が老化しているだけの話なのか。
 
 夕方近くになって書き物仕事を切り上げ、急いで南青山へ。イラストレーターFさんの事務所で、ワンツーワークス次回公演『ジレンマジレンマ』のイラスト打ち合わせ。デザイナーのNさん、我が劇団の制作F女史も同席。世間話も交えて脱線しつつ、1時間ほど話してなんとか方針を決める。
 そういえばFさん、すごく痩せていて、聞けば腸閉塞で1カ月ほど入院していたそうな。「これでもずいぶん体重は戻ったんだよ」という言葉に安心するが、いやいや、みんな老いとともにやって来る体のガタに四苦八苦してますなぁ。「古城さんはもうすっかり大丈夫なの?」。ハイ、おかげさまで。我が身を気遣ってくれるがFさん、もっと体重、戻してください。我が身は望んでもいないのに、体重が戻りつつありますが。とほほ。
 
 その後、F女史と今後のことを打ち合わせて、久我山へ。久しぶりのワンツーワークス基礎稽古。再び我が劇団の若手3バカトリオと不毛な闘いが始まるぞ、と気を引き締めて臨むが稽古時間はわずか3時間しか取れないのでヒートアップする前に時間切れ。大した毒も吐けず、不完全燃焼のまま終わってしまい、次は最初からトップギアで毒を吐くぞと密かに誓う。
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広島Oさんに送ってもらったチョコレート・チップス。めちゃくちゃ、美味い。ポテトチップスをチョコレートでコーティング。そりゃあ、太りますわ。 
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