2012年01月31日

新聞記者でした。――[684]生誕19,253日

 あろうことか徹夜明けで初台へ。新国立劇場企画サポート会議。まだ年も明けてひと月だというのに、来年の「マンスリープロジェクト」についてあれこれ話す。
 12時半頃に終わって、そのまま日比谷へ。何年ぶりになるのか、熊本日日新聞東京支社を訪問。後輩にあたるH記者から取材を受ける。日韓演劇フェスについての話の予定だったが、後輩記者は「ジャーナリズム演劇」に興味をひかれたらしく、ドキュメンタリー・シアターや『奇妙旅行』の執筆のいきさつについて食いついてきて、古巣に戻ったかのような演出家はここぞとばかりに喋る喋る。あっという間に時間が過ぎる。
 取材が終わったところでH記者、「支社に演劇をやってた人がいますよ」と営業のM君を紹介される。話してみると、M君は一昨年、我が身が演出した『メランコリーの予感』のリーディング上演を演出した人であった。おまけに我が身が講師を務めるワークショップにもかつて参加したことがあるという。いやいや、世間は狭いね。というか、覚えていなくて、すまん。

 改めて思えば、我が短い新聞記者時代の同期は、今や人事部長や支社長になってる奴もいる。人生いろいろです。
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知らなかった。「ハゲ坂」じゃないんだ。なぜか「禿」の字に敏感になっている……。

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2012年01月30日

恐ろしや10代。――[683]生誕19,252日

 午前中からバス→電車(乗り換え2回)→バスと乗り継いでちょっとした小旅行気分で埼玉方面へ。久しぶりのS高校での授業。女子高生軍団は相変わらず無意味に元気。中には「元気がよくて、すいませんっ」と元気溌剌に叫ぶ女傑もいて、ドS演出家もどう対応していいかわからず、無意味な笑顔を返すのみ。恐ろしや10代。
 授業は今日中に6月の発表公演のキャスティングをしてしまおうと思っていたのだが、なかなか展望が開けず、来週に持ち越すことに。しかし、10代の女心は興味深いね。「どの役がやりたいか申告して」と言うと、意外に脇役ばかりに声が上がり、「あらら、やる気ないのか?」と思いつつ読み合わせに入ると、その後、次々に「○○(主役級)も読んでみたいです」と次第に本音を出し始める。扱いづらいね10代。

 途中、「ちょっとブレイク」と言って演出家が「今から当てはまると思う人に一斉に指を指して」と提案すると、「それ、ブレイクになりますか?亀裂が入りませんか?」と互いに傷つけまい(傷つくまい)とする不安の声が続々。それでも「この中で一番派手な人は誰?」「この中で一番大人っぽいのは誰?」といった質問に迷わず指をさす。侮れないね10代。

 帰宅してからは芝居の稽古はOFFながら、溜まりに溜まった書きもの仕事に時計を睨みつつ、ひたすら精を出す。もう1月も終わるというのに、未だに防戦一方の毎日。2012年、快調に押せ押せ攻撃に転じるのは、いったいいつになるのやら。

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S高校の靴入れロッカーをよくよく見ると、あれ、あんな人も教えに来てるのかとびっくり。
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2012年01月29日

『ジレンマ』始動。――[682]生誕19,251日

 ようやく今年最初の地獄のようなスケジュールがひと段落したと思ったのも束の間、今日からワンツーワークスの次回公演『ジレンマジレンマ』の稽古がスタート。哀れ、休みのない日はまだまだ続く。

 稽古初日の今日はひたすらムーブメントに汗を流す。スローモーションとクイックモーションを組み合わせたこのムーブメントはワンツーワークスの十八番のようになっているが、実は途方もなく難しい。とはいえ演出家は「もっと、こうやってみて」「そうじゃなくて、こんなイメージで」と言いたい放題で指図するだけなので、「ああ筋肉痛が……」「ああ、足がつりそう……」と泣きを入れる役者の愚痴は無視して、「んじゃ、もう一回」とドS魂をここぞとばかりに発揮する。

 稽古終了後、顔合わせも兼ねて役者連中は飲みに流れるが、仕事の溜まっている演出家はすごすごと帰途につく。「やっぱり俺も顔を出したほうがいいんじゃないかな」と一応、稽古場を出て我が劇団のベテランOに尋ねてみたが、「帰って仕事してください」と、ごく当たり前のように切って捨てられる。

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シナプスのような枝が青い寒空に映える。生命体はそれだけで美しい。
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2012年01月28日

元気だわ、俺。――[681]生誕19,250日

 演劇研修所6期生の『友達』、本番日。
 11時前に演出家が発表会場に入ると、研修生は既に準備万端整え、スタンバイOK状態。さすがに気合い十分の様子。11時からは「お願いします」と昨日申し出のあった2場面を、最後の追い込み稽古。直後に本番だというのに、できるかどうかは君次第とばかりにドS演出家はビシバシと稽古をつける。
 午後1時開演。みんな緊張してガチガチではあったが、無事に終了。その後、演出家は最後のダメ出しを全員にお見舞い。「まとめようとするな。思い切り前に出ろ」
 2回目は午後4時半開演。いくぶん緊張もほぐれ、今までの中では一番いい出来だったのではないか。よかったよかった。6期生諸君、今回の経験を糧にこれからの演劇界を支える力のある俳優に育ってくれい。

 かくして『友達』、本番終了。皆の者、お疲れ。

 研修生がバラシにかかる中、演出家は稽古場を移動してワンツーワークスの基礎稽古へ。直ちにスイッチを切り替え、ムーブメントと会話バトルの稽古に明け暮れる。
 こちらの稽古は早々に切り上げるつもりだったのに、結局いつものように毒を吐きまくっているうちに退出時間ぎりぎりの10時になってしまう。
 それから『友達』の打ち上げに合流。打ち上げは8時半には始まっていたので、合流して30分ほどで1次会終了。酒も飲まず、冷たくなった水炊きをしょぼしょぼ食らう。

 店を出て、さあ帰るかと地下鉄の駅に向かおうとしたら、「2次会行きましょー!」と盛り上がる酒好き数人の勢いに押されて新宿の居酒屋で2次会。「んじゃ、1時間くらいね」と言ってはみたものの、もちろんそんな時間で終わるはずもなく、タクシーで帰宅してみれば午前3時を回っている。元気だわ、俺。

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書き込みだらけの『友達』の台本。ご苦労様でした。
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2012年01月27日

顔が見たい。――[680]生誕19,249日

 『友達』はいよいよ稽古最終日。というか、本日はゲネプロのみで、午後1時にスタート。演出家は重箱の隅をつつくように見つめながら、まだまだ詰めが甘いなぁと思いつつ、3時に終わってダメ出し・小返しに最後の望みをかけて1時間ほどを費やす。さあ、これであとは明日の本番に挑むのみ。

 4時半からは1期下の7期生の『親の顔が見たい』の発表会を観る。講師を務めるKさん(青年座)の演出は手堅く、最初から最後まで直球で押しまくる。研修生は全員20代なので無理もないと思うが、それが功を奏した部分もあり、畑澤さんの戯曲の言葉がストレートに胸を打つ。

 7時に研修所を出て稽古場を移動し、ワンツーワークスの稽古に出向くが、書類仕事が山積みになっている演出家は「悪いが今日は自主練にして」と無責任に言い放ち、そそくさと帰路につく。(身勝手さも極まれり)

 でもって、書き物仕事は今なお、まったく目途が立っていない。まったくもって集中力がなく、仕事の滅法遅い、このぐうたら男の顔が見てみたい。
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満身創痍のバス停。まるで我が身を見るような。
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2012年01月26日

再びダブル。――[679]生誕19,248日

 今日から再びワンツーワークスの稽古も始まり、演出家にとっては過酷な稽古のダブルヘッダーの日々がまた続く。

 午後1時からは『友達』の稽古。連日の疲労、睡眠不足で体がまいっているのか、椅子に座って稽古を見ていると何度も睡魔に落ちそうになる。いかんいかんと立ち上がって稽古を見つめ、気に入らなければすぐにストップをかけ、なんとか後半部分を最後まで押し通す。

 それから稽古場を移動してワンツーワークスの基礎稽古へ。遅れた遅れたと勇んで行ったものの、客演でヨソの稽古に出ているベテランOをはじめ、体調不良者も続出しているらしく、稽古場にはまさかまさかのたったの3人。マジかいや?と思いつつ、残る1時間ほどで若手の台詞の稽古に精を出す。
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「マッコリバー」の看板あれど、どう見ても、ただの古びた一軒家。怖いもの見たさで客を呼び込む作戦か。
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2012年01月25日

マジかいや?――[678]生誕19,247日

 昨日、『誰も見たことのない場所』の本番が終わったばかりだというのに、今日からまた『友達』の稽古。とはいえ、昨日まで6日間も不在にして自主練習に任せていた上に、3日後には本番という冗談のようなスケジュールなので演出家は俄然、焦りまくる。ひえー。マジかいや?

 久しぶりに見る『友達』は良くなっている場面もあり、相変わらずもたつく場面もあり。一人一人の役者もこぢんまりとまとまりを見せてはいるが、殻を破れない状態は変わらず。こりゃ3日では追いつかないぞと気を引き締め直し、流れの悪いところに細かくダメを出してはしつこく稽古。おかげで8時半頃までかかっても半分しか進めず。大丈夫なのか?
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「拉致被害」のポスター。「必ず助ける」その切実感の色濃く。 
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2012年01月24日

満員御礼。――[677]生誕19,246日

 劇団メンバーが朝9時前にはロビーに集合して劇場入りする中、ぐうたら演出家は独り10時すぎに社長出勤。
 10時半から昨夜のゲネプロのダメ出し、小返し。ムーブメントの稽古も含め、11時40分には終了。12時から全体の進行を務める地元の司会の方を交えて、開演までの流れとアフタートークの打ち合わせ。12時半には、いざ本番態勢へ。
 13時、開場。来るわ来るわ、みるみる客席は埋まり、あっという間に、ほぼ満員御礼。年配の方が多いが、それにしても「自殺」という重いテーマなのに、よくもこれだけ人が集まるもんだと演出家は他人事のように感心する。
 13時半、開演。恐らく初めて「演劇」に触れる人も多いだろうに、みんな食い入るように見入っている。それにしても「自殺」という重いテーマなのに、よくぞこんなに……(しつこいわ)
 上演時間2時間8分で終演。10分間の休憩を挟んで劇団メンバーのベテランO&Sとともにアフタートーク開始。もうすっかり喋り慣れたエピソードをまるで台本の台詞のように語る。
 
 午後4時半にすべて終了。直ちにバラシにかかる。演出家が独り楽屋でサボっていると、主催の人に呼ばれる。なんだ?と思いつつ応対に出ると、本日の司会の方がお母さんともどもいらっしゃって、そのお母さんが「今日は本当にとてもいいものを見せていただきました」。「あ、ありがとうございます」と慌てて頭を下げると、「水戸はお魚が大変おいしいところですので……」と言われるので、ハイぜひ今度堪能したいと思いますと答えようとしたら、「皆さんでどうぞ、これで召し上がってください」と言われ、ティッシュにくるんだものを渡そうとする。あ、こりゃ現金だと、さもしい演出家は瞬時に悟り、「いえいえ、お気持ちだけで十分ですので……」と制しようとするも、その年配のお母さん、打って変わってびしっとした口調で、「いったん出したものは引っ込めさせないものよ」。お母さんに比べれば、まだまだ若輩の演出家は……ありがたく頂戴いたしました。感謝。
 
 午後6時半頃には撤収・積み込みもすべて終了。あとはタクシーに分乗して水戸駅に向かい、三々五々に缶ビールなんぞを買い込みながら、「スーパーひたち」に乗って帰京。
 かくして『誰も見たことのない場所』の水戸公演、無事終了。ご来場の皆様、ありがとうございました。
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朝、ホテルのレストランから写す。ザ・長閑。
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水戸公演は満員御礼。なるほど、無料だと人は集まる。
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2012年01月23日

小雪舞う水戸へ。――[676]生誕19,245日

 演出家は上野発午後3時の「スーパーひたち」に乗って、水戸へ独り旅立つ。水戸駅からタクシーで会場に着くと、午前中に出発した劇団メンバーで既に仕込みは完了。うむ、皆の者、ご苦労であった。余は満足じゃ。
 舞台の状態だけを確認すると、役に立たない演出家は楽屋に引っ込み、せっせと持ち込んだ書類仕事に手をつける。
 午後5時半からリハーサル開始。まずは動線確認の場当たり。どうにもこうにも袖のない劇場なので、道具の出し入れに四苦八苦し、おかげで時間もずいぶんとオーバー。それでもなんとかぎりぎり時間内に通せる目途が立ち、7時20分頃からテクニカルも合わせてゲネプロに雪崩れ込む。 終わってみると、既に退出時間の10時近く。ダメ出しもなく、急いで全員、劇場を出て、タクシー分乗でホテルに向かう。
 
 ホテルに戻ると、わいわいと飲みに出るスタッフ陣を横目で見ながら、仕事の残っている演出家は若手メンバー3人と小雪舞う中、ファミレスへ。アルコール無しで食事だけ済ませて、さっさと部屋に引きこもる。引きこもってはみたものの、書き物仕事の山にして、出るのは溜息ばかり。
 ああ、明日は本番。時の流れは非常なり。
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上野駅常磐線特急ホームの喫煙所。今では超貴重。
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水戸公演のポスター。しっかり張ってありました。
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2012年01月22日

夢より現実。――[675]生誕19,244日

 広島から上京してくるのに、まだ部屋の契約が終わらない。その20歳男子を昨夜からやむなく我が家に泊めているのだが、オッサンは書き物仕事に追われてロクに相手もせず。20歳男子は一人で芝居のDVDを観たりして夜を過ごしている。その若者を見ながら老いゆくのみの初老男は「夢だけで生きられたあの頃」を懐かしく思う。まぁ、君もあと5年もすれば夢だけでは生きられなくなるのだよと心の奥底では毒を吐きつつ。

 『誰も見たことのない場所』、実寸稽古最終日。今日は頭から主だった場面のみを、返しも含めつつ最後まで通り、午後6時過ぎには稽古終了。
 劇団メンバーがバラシにかかる中、時間に追われる演出家は稽古場までご足労願った美術家Iさんと近くのファミレスで打ち合わせに移るも、なかなかアイデアはまとまらず。あ、それ面白いね、と掴みかけては消えるという、夢物語の繰り返し。そうとも、夢を語っていても仕事にはならぬ。オッサンはオッサンらしく現実を見据えなければ。
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錦糸町の稽古場からは東京スカイツリーが間近に見える。
今いち心躍らないのはデザインのせいか、色のせいか。
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2012年01月21日

歯痛は続く。――[674]生誕19,243日

 『誰も見たことのない場所』、実寸稽古2日目。ぐうたら演出家はウォーミングアップはパスして午後2時に社長出勤。今日は昨日できなかったところを、演技のマズさには目をつぶりつつ、立ち止まってたまるかとばかりに、わっしわっしと進める。
 夕食休憩後、今回初めての通し稽古。
 うん、この芝居の台詞はやっぱりいいね。どれもこれも実際に誰かがインタビューに答えて喋ってくれた台詞ばかりなので、リアリティが半端でない。才能のかけらもないどこかの劇作家がぼんくら頭でひねり出した台詞とは訳が違う。「生きた言葉」とはこういうことを言うのだと改めて教えられる。

 いったん稽古が始まれば、時間は羽根が生えたように飛んでいく。今日もあれよあれよと退出時間になり、「寒い寒い」と連発しながらハイエースで帰路につく。

 歯茎の痛みはずいぶん鎮静化に向かっているのだが、あの何も考えられなくなるズキズキ痛みが怖いので、サプリメントのように鎮静剤を飲んでいる。後戻りできないのが「老い」だとわかってはいるものの、歯と歯茎の老いは、真冬の寒空の下では余計に骨身に染みる。

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今、手放せない鎮静剤「ロキソニン」。

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2012年01月20日

人は卒倒する。――[673]生誕19,242日

 朝から新国立劇場演劇研修所の2次試験。試験開始前に試験官一同集まって打ち合わせの最中、同席していた研修生5期の20代男子一人が突然、椅子から前のめりに崩れ落ちて顔面から激しくぶっ倒れる。なんだどうしたと駆け寄ってみれば、顔面蒼白。汗もだらだら。ただ、意識はすぐに戻り、「だ、大丈夫です」とか細いながらも返事があったので少し安堵するが、「いいからそのまま横になってろ」と、しばし水を飲ませたり汗を拭いたりと、ひと騒動。

 召集されていた5期生男子3名は実技試験で受験生の相手役を務めることになっていたのだが、どうやら極度の緊張のあまり貧血を起こして卒倒したらしい。結局、その男子は昼まで横になっていて、そのまま早退。いやはや、バタン!と音がしたとき一瞬焦った。あるんだね、緊張ゆえの卒倒。腹黒い我が人生では起こるはずもない出来事を目の当たりにして少々驚いたが、K君、大丈夫か?

 2次試験を受けに来た受験生も恐らく相当に緊張していたと思うが、さすがに卒倒する者は現れず。中にはよく知ってる顔も2、3人いて、緊張している様子が手に取るようにわかる。人生の選択がかかってるから当たり前か。それでも中にはいるからね、緊張なんぞ微塵も見せず、溌剌と存分に自分を出せる若者が。結局、最後はメンタルの強さが物を言うのかも。

 試験は最終3次試験に残す25名を選んで5時頃に終了。それから、このところダブルブッキングの続く演出家は急いで錦糸町の稽古場へ。今日から『誰も見たことのない場所』は実寸稽古。到着すると、既にセットは組み上がっている。今回の水戸公演はいつもより舞台の奥行きがないので、動線をいくつも変更しなければならない。今日はNG俳優もいたので、できる場面を順に、動きや段取りを確認しつつ進めていくが、やはり時間はかかる。10時ぎりぎりまでやっても半分ほどしか終わらず、続きはまた明日。
 帰りは劇団のハイエースで自宅まで送ってもらったので楽ちんではあったが、帰り着くと体は既にぐったり。

 今日も長い一日であった。お疲れさん。

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稽古場仕込みされた『誰も見たことのない場所』。
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2012年01月19日

韓国版『奇妙旅行』。――[672]生誕19,241日

 韓国の劇団サンスユ版『奇妙旅行』を観る。イメージシーンがことごとくカットされていたせいばかりではなく、演出が違うとこんなにも変わるものなのかと驚く。女流演出家・リュさんの演出は淡々と、実に淡々と進み、そのぶん切実な思いは真っすぐに伝わってくる。韓国語での上演で字幕付きだったのだが、どこまでも木に登る劇作家は字幕に現れる台詞に目を走らせながら、「俺、すっげぇいい台詞書いてんじゃん」と自画自賛も忘れない。リュさんとともにアフタートークにも出て、怒濤のように喋りまくる。完全に調子こいてます、この男。
 終演後はサンスユのメンバー、我がワンツーワークスのメンバーに、主催の日本演出家協会実行委員の皆さん、演劇評論家や韓国のお偉方も加わって大所帯での大宴会。リュさんに話を聞くと、「日本人は感情を表に出さない。だからもっと抑えて抑えて」と、ひたすら抑制の利いた演技を俳優に要求したとのこと。国民性の認識の違いって面白いね。私ァ私で、エキセントリックなほどに感情を爆発させまくるのが韓国人と思っていたので、この上演を観ていささか拍子抜けしたわけだが、それも我が身の勝手な思い込みということですね。

 韓国の人たちと話が弾み、演出家Sさん(燐光群)も「俺、もう終電ないよ」と残って喋り倒し、気がつけば閉店まで居座っている。もちろん帰宅はタクシー。明け方、4時前に帰り着く。

 今日は朝から長丁場の会議で虎ノ門へ。昨日、耐えられない痛みが出始めた左下の歯茎は、会議中もズキズキと疼きまくり、いっこうに痛みはひかず、むしろ左の頬全体が熱を持ったようになる始末。
 たまらず会議後、荻窪のA歯科医院へと駆け込む。どうやら詰め物がしてある左の一番奥の歯の、その詰め物の下に細菌が入り込み炎症を起こしているとのこと。それでその詰め物を削って切って取り出して、という作業になったのだが、これが痛いのなんのって。「大丈夫ですか?」と聞かれる度に「ふぁいりょーふれす(大丈夫です)」とやせ我慢で答えるのだが、いやいやこれはホントに耐えられぬと思ったところに、「ずいぶん深くまで詰めてあるので、残りは炎症が治まってからにしましょう」と救いの言葉がかかる。助かったあ。

 しかし、抗生物質を注入してもらい、痛み止めも処方してもらったというのに、いくぶん楽にはなったものの、それでもまだ歯茎は今も痛い。量の問題ではないと頭ではわかっていながら、痛み止めをひっきりなしに飲む。

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『奇妙旅行』パンフレット。右下に変なオッサンが変な笑みを浮かべております。歯が痛いわけではありません。
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2012年01月18日

歯痛の急襲。――[671]生誕19,240日

 歯周病が悪化したのか? 左下奥の歯茎がズキズキ痛い。一昨年の10月を最後に歯医者とは縁のない毎日を送っていたというのに、やはり知らず知らず「老い」は忍び寄っている。

 2、3日前から時々うずくなぁと思っていたのだが、夜になってついに痛みは止まらなくなる。左では物も噛めない。物が噛めない歯なんて何の意味がある?

 ぶつけようのない怒りを抱えながらも仕事は山積みで、パソコンに向かってはみるが、やはり痛くて何も考えられない。
 薬、薬、と痛み止めを求めて救急箱を漁ってみるが、こういうときに痛み止めは切れている。おお、神よ。と失望しつつ、なおも漁ると、「あった!」と喚起の雄叫びも束の間、それは8年も前に歯医者から処方してもらった代物。

 3秒ほど悩んだが、ええい、ままよと口の中に放り込む。とっくに期限切れとはいえ、まさか痛み止めで死にはしないよな。

 今日も稽古はダブルヘッダー。あっちの稽古、こっちの稽古で日が暮れ、夜も更ける。ああ、歯茎が痛い。

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こんな立派なプレートまで作って警告。待ってと言えば待てるものなのか?
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2012年01月17日

風邪引きの予兆。――[670]生誕19,239日

 今日も昨日とまったく同じスケジュール。『友達』と『誰も見たことのない場所』のダブルヘッダー。会社に通勤するような気分で西新宿へと向かう。
 『友達』は早くも追い込み態勢。終盤部分を細かく稽古。アップも含め、1時から8時の長丁場だが、時間は瞬く間に過ぎる。

 8時過ぎから稽古場を移動して『誰も見たことのない場所』。こちらは演出家登場となるも、いかんせん登場が遅いので1時間半ほどしか稽古できず、流れの確認に終始。まあ今は仕方ないかと思っていたが、気がつけば来週の今日は本番ではないか。うわ、マジっすか。

 知り合いの女優Kさんから「明後日、歌舞伎に行きませんか」と嬉しいお誘いメールをもらうものの、この地獄のスケジュールでは歌舞伎座もはるかに遠い遠い。ひたすら残念。泣く泣く断りのメールを返す。

 夕方頃から、どんより風邪引きの予兆あり。いかんいかんと思いつつも稽古にいそしんでいたのだが、今、風邪をひいたらトンデモナイことになる、マジで気を引き締めなければと老いゆく演出家は思い至り、それを理由に書類仕事に手をつけず、今夜はさっさと寝ることにする。
 おやすみなさい。(悪夢にうなされませんように)
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『友達』の稽古場。不条理な世界が展開します。
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2012年01月16日

時間が足りない。――[669]生誕19,238日

 休日もなく馬車馬のように動き回る日が続く。稽古は本日もダブルヘッダー。ああ、マッサージに行きたい。

 『友達』では転換の音楽を決め、段取りをとり、スムーズに進むように何度も繰り返す。これがプロのスタッフ相手なら1回で済むところだが、研修生たちがスタッフワークも勉強としてやっているので、こちらも演技同様、時間がかかる。まあ、俳優もスタッフもやれと押しつけられる彼らもかわいそうではあるが。

 夜8時になって稽古場を移動し、『誰も見たことのない場所』の稽古へ。実寸サイズで冒頭から動線を確認。と思いながら始めたのに、若手とベテランの力量の差が目に余り、ドS演出家は「なんで、語尾を落とす?」「なんで、相手のリズムや声量を受けない?」「なんで、なんで?」と、いつしか若手の特訓に。あー、こりゃいかん、時間がいくらあっても足りないと我に返って動線確認に戻すが、あえなく時間切れ。結局3分の1ほどしか進まず。

 二兎追う者は一兎をも得ず。

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避難所まで……近い? 遠い?
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2012年01月15日

ミッション完了。――[668]生誕19,237日

 観ました、映画『ミッション・インポッシブル』。我が劇団のベテランOがあまりに絶賛するので、ハリウッド映画嫌いのオッサンも、「さあ楽しませていただきましょう」と期待いっぱいで早々に席に着く。ところがすぐ後にやって来た左隣の人の手には大量のポテトフライが乗ったプレートが……。うわぁ、勘弁してくれよ。オイラは匂いが苦手なんだよ。いや、ポテトフライの匂いそのものが嫌いというわけではないが、映画を観るときは飲み物だけにしてほしい。でないと、我が記憶では「トム・クルーズ=ポテトフライ」になってしまうではないか。それに「くちゃくちゃくちゃ」と余計な効果音までミックスされてしまうではないか……と思っていたら、やって来た右隣の人の手にも同じように大量のポテトフライが……。オー・マーガー!やむなくオッサンはハンカチを取り出し、それを鼻にあてての鑑賞と相なりました。えーん、えーん(泣)。映画館経営者の皆様、どうか館内では「食」は禁止にしていただきたいと切に願います。
 映画は、あっという間の2時間。これでもかと見せ場が連続するので、遊園地のアトラクションのように、何も考えずに身を任せていれば存分に楽しめます。もちろん、「ンなわけねぇだろ」「不死身すぎるだろ」とかツッコミどころも満載ですが、何度も出てくるトム・クルーズのさわやかなドヤ顔がそのよこしまな気持ちを許しません。編集の勝利です。


 今日は午前中から夕方まで新国立劇場演劇研修所の1次試験。受験にやってきた若者たちは誰もが全身に緊張感をいっぱいにみなぎらせ、「ミッション」の遂行に一生懸命。そのがちがちになった声と体はかわいそうなほどだが、いいの、いいの、現実はトム・クルーズのようにはいかないんだから、もっともっと泥臭いんだから、と演出家は若きチャレンジャーたちに温かな眼差しを送りつつ、バッサバッサと非情に合否を決めていく。
 現実は厳しくもある。(自戒を込めて)
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夢の入り口?
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2012年01月14日

富士山はどっち?――[667]生誕19,236日

 午後から『友達』の稽古は、今日は初台。今日こそ、たったか急いで最後まで通るつもりが、「聞いてないでしょ?」「だって今、相手の反応、もらってないじゃん」「なんで、そんなふうに勝手にやれるの?それは独り芝居だよ」などと、次から次に演出家は引っかかってしまい、結局半分ちょっとしか進まない。ほとんど手をつけてない場面がまだまだ結構残っているというのに、果たして間に合うのか?今、目の前で起こっていることにちゃんと心動かされること。ただ、それだけだけが芝居だというのに、それができない(確かに難しいが)。ついにしびれを切らしたドS演出家は「今後、相手の反応を受けずにやったらK(演出助手・男子)を殴るから」という理不尽極まりないことを言い出し、実際に隣に座っている演出助手にドスドスとパンチを繰り出し始める。稽古場では『友達』以上に不条理な世界が展開されていく。

 8時に稽古を終えたものの、本日も稽古はダブルヘッダーなので、今度は『誰も見たことのない場所』の稽古のために、初台から西新宿へ急ぎ足で向かう。

 その移動中、しゃかしゃか歩道を歩いていたら、コンビニ袋を提げた20歳そこそこと思しき男が突然、「すみません」と声を掛けてくる。思わず足を止めると、「すみません、フジサンはどっちですか?」。フジサンって富士山、なのか……?と思いながら頭が「???」状態になっていると、「すみません、だいたいでいいんです」と食い下がってくる。そこで「あっちだと思います」と指で西の方角を示すと、「ありがとうございました、すいません」と、その20歳男子は風のように目の前から去って行った。……もちろん、既に辺りは真っ暗。あの若い男子は富士山の方角を知っていったい何をする気なのか。狐につままれたような出来事。もしや狐だったのか?

 『誰も見たことのない場所』は倍速稽古でいくつかの場面をやってみる。台詞を喋るスピードも倍、感情の起伏の幅も倍というこの稽古、めちゃくちゃ速いフットワークが要求されるので、気持ちの流れがはっきり体に落ちてないと対応できない。

 結果。……うーん、まだまだ。これで新鮮さが少しは取り戻せるのではないかと思ったのだが、先は富士山に歩いて行くより遠いのかもしれぬ。
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街灯も寒さ対策?

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2012年01月13日

アングラに思いを馳せる。――[666]生誕19,235日

 連日の会議で今日も朝から西新宿。常務理事会。一つ一つの議題をあれこれ話しながら次々に進めていくものの、12時半まで、たっぷり2時間を費やす。おかげで昼食にありつく暇はなく、すぐさま別棟に移動して1時から『友達』の稽古。

 今日の稽古は5時で切り上げねばならなかったのに、なかなか深まっていかない芝居に苛つく演出家がいつのまにか「芝居ってのはね……」「相手を受けるっていうのはだね……」と自分の演技論をぶち上げ始めるので、さほど進展のないまま、あっという間に4時間が過ぎる。

 それから歩いて西新宿から初台へ移動し、6時半からはマンスリー・プロジェクトの演劇講座『否定のエネルギーが生み出したもの」を聞く。講師のふじたあさやさん、ゲストの流山児祥さんからはアングラ時代のエピソードがあれこれ飛び出し、取り留めはなかったものの話は面白かった。同時に、「確かにあの頃は演劇が事件になる時代だったんだなあ」と改めて思い、今や社会に与える影響がすっかり小さくなり、お行儀が良くなった現在の演劇状況をちょっぴり寂しく思う。

 ふと気がつけば、今日は13日の金曜日。そしてこのブログの連載回数が『オーメン』。ひえー。どうりで帰宅してみると全身が重くだるい。何もやる気が起こらない。すっかり生きる屍と化している。さては悪魔が取り憑いたか。(それは「老い」です)
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来月の演劇講座は、いよいよ小劇場時代に突入。
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2012年01月12日

韓国版『奇妙旅行』。――[665]生誕19,234日

 朝10時半から夜10時まで丸一日、西新宿。会議「演劇と教育委員会」→新国立演劇研修所『友達』の稽古→ワンツーワークス『誰も見たことのない場所』の稽古。一日が追われるように過ぎていく。気がつけば、24時間芝居のことばかりのような毎日が始まって、もう1週間が経過。新年も明けて、はや12日が過ぎている。こんな調子じゃ、やはり今年も追われ追われの1年になりそうだ、マズいマズいとは思うものの妙案はなく、ただ「がんばろー」と実体のない言葉でオノレを駆り立てるのみ。がんばろー、俺。

 ところで、この19日・20日に、一跡二跳が2002年に上演した『奇妙旅行』が韓国の劇団サンスユによって上演される。 字幕付きの韓国語上演。作者である我が身も本番はもちろん稽古も未だ見たことがないので、いったいどんな芝居に仕上がっているのか今から期待に胸が膨らんでいる。サンスユの演出家(女性)はこの『奇妙旅行』で韓国の東亜演劇新人演出家賞を受賞し(昨年、ソウルにて上演)、今や韓国でもっとも注目を集める演出家の一人らしい。
 しかし、韓国といえば映画でも血ィどばどばっの「これでもか流血映画」が多いので、この韓国版『奇妙旅行』も、もしかしたらとんでもない「バイオレンス&ホラー芝居」になってるやもしれぬと、いささか不安も少々(一跡二跳の初演でも珍しく血糊をけっこう使ったし)。
奇妙旅行.JPG
劇団サンスユ『奇妙旅行』のフライヤー。
本公演は日本演出家協会主催「日韓演劇フェスティバル」の招聘公演。19日夜7時開演の回には不肖・古城もアフタートークに出ます。お時間ありましたら馬鹿面を見に来てやってください。劇場は東池袋「あうるすぽっと」です。
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