2012年01月11日

2011年も3万人超え。――[664]生誕19,233日

 今日も午後から『友達』の稽古。遅々とした稽古に業を煮やした演出家は、よせばいいのに次第に前に出てやってみせる頻度が上がっている。「今、こうやってたじゃん」「どういう気持ちになったら、こなんふうに動けんの?」。悪意に満ちた物真似ならこの男、得意満面。あれ?もしかしたら、演出家がしつこくやってみせる回数の多さが稽古の遅さの原因なのか?
 
 7時半に稽古を切り上げ、急いで劇団事務所へ。昨日の打ち合わせを受けて、今日は劇団での制作会議。我が劇団の会議はいつも枝葉末節のことばかりに時間を取られて、気づけば誰もが「木」ばかりを見ているが、「達成したいことは何か」、その「森」をみんなで肝に銘じることが大事。芝居も会議も「自分で考える」事が何より重要なのだと改めて思う。ま、我が人生にも同じ事は言えるのだが。(泣)
 
 ワンツーワークスでは「自殺」をテーマにした芝居『誰も見たことのない場所』の稽古が断続的に続いているが、昨日、2011年の年間自殺者数を警視庁が発表、その数は3万513人にのぼった。これで14年連続の3万人超え。初めて3万人を超えた1998年以降では最も少なかったとはいえ、去年は1日当たり84人が自ら命を絶ったことになる。
 藤村官房長官はこの発表を受け、「非常に深刻な事態だ。一人でも多くの方の命を救うため、関係府省が連携して、地域の実情に応じたきめ細かな自殺対策を一層推進していきたい」と発言。しかし、2010年の自殺者の約6割、2万人近くは失業者。アメリカの右へならえから抜け出せない我が国でも「格差」はいよいよ鮮明になって現れている。ユーロ経済危機、東日本大震災など不況を煽ることばかりが目立ち、景気回復の兆しが見えない中で、自殺対策に本気で取り組む余裕が今の政府にあるとはとても思えない。この国はますます「弱者切り捨て」に突っ走っているのではないかと溜息が出る。
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14年連続3万人超えは異常にして悲しい。
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2012年01月10日

目から鱗。――[663]生誕19,232日

 午前中、打ち合わせのため新宿へ。劇団の票券をお願いしている会社のIさん&Kさん、我が劇団の制作F女史とで制作会議。さすがにチケットのプロのIさんからは目から鱗のような話がいくつも飛び出し、なるほどアンケートの活用にしても券売の目標設定にしても漫然とルーティン・ワークのようにやっていたのだなと我が劇団の至らなさを突かれて、その場しのぎ・付け焼き刃的な我らの制作実態を振り返るに、誠に片腹痛い。
 
 午後は『友達』の稽古。今日も進みは亀のようにのろい。このノロノロペースからいつになったら脱却できるのか。待っても海路の日和などない。そう我が身に言い聞かせつつ突っ走ろうとするが、演出家の言葉は空回り多し。若い俳優を見ながら、もしや奴らは言語の通じない異人種なのではないかと焦りと不安ばかりが募る。
 
 今日も稽古はダブルヘッダーで、8時になって既に始まっている『誰も見たことのない場所』の稽古に合流。ここでも稽古場には活気が乏しく、せめて笑いのある明るさをと思う演出家はダメ出しに笑いをまぶそうとするが、スベり多し。もっと真剣に、笑いの勉強をしなければ。(おいおい) 
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演出家の言葉の「選択」が悪いのか?
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2012年01月09日

既に黄色信号。――[662]生誕19,231日

 午後から『友達』の稽古。相変わらず進みがのろい。5時間かけて流れがつくれたのは台本12ページほど。このペースは既に黄色信号。性根を入れて稽古できるのは実質残り8日しかない。ひとまず形にしなければと思うのだが、若き俳優たちは慎重なのか、思い切りが悪い。一人一人がマイプランで周りはお構いなしにセリフを重ねていくので、これでは芝居もどき。芝居ではない。それでいちいち止まって、しつこいほどに同じ個所を繰り返すことになる。

 いかんいかん、多少のことは目をつむって先へ先へと進まなければ。我慢我慢と我が身に言い聞かせていた演出家も次第にダメ出しに毒をまぶし始めるが、効き目がまだ雀の涙。明日からは本気になって毒を吐かねばなるまい。(それしか能がないのか、この男)

 ずいぶん気になりながら観るチャンスがなかったショーン・ペン監督の映画『イントゥ・ザ・ワイルド』をようやくレンタルで観る。原作がノンフィクションだけあって2時間半の長さも気にならず見応えがあるが、予想外の結末にかなり驚く。でも、だからこそ「幸福とは誰かと分かち合うこと」という言葉が胸に刺さってくる。ショーン・ペンは雄大な自然の見せ方は今ひとつだが、人間の描き方はうまい。

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水面を滑る、あれは鴨?と思ってシャッターを切った直後に飛び立った。ちょっと、たまげた。

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2012年01月08日

今年は危ない。――[661]生誕19,230日

 今年はどうも危ない。マジで認知症が遠い出来事ではなくなりつつある。先月21日といい、今月5日といい、予定を把握できていないポカが続いたが、なんと今日もまた。
 去年は映画館に足を運んだ回数が過去最低だったので、夕方から出かけようと思っていたら、「遅刻します」のメールが届く。え?遅刻って何に? と一瞬頭が白くなって手帳を見ると、今日はワンツーワークスの稽古が入っているではないか。

 あちゃー。そうでしたか。さようなら、トム・クルーズ。すっかりスパイ大作戦気分でいたのを無理やりねじ曲げて、西新宿の稽古場へ向かう。

 その稽古、『誰も見たことのない場所』は早いもので初演から今年で6年目に突入。新作を短期間でがががががーっとつくっていくのはスリルもあって(おいおい)楽しいが、同じ作品を長年やり続けるのは「慣れ」との闘いなので、そうそう楽しくはない。言ってみれば、ラブラブな恋人同士と長年連れ添った夫婦のような違い(ホントか?)。倦怠期にあらがいつつ、どうにか安定した状態を保たなければならない。それほどにフレッシュで居続けることは難しい。
 今日も稽古は「感覚を取り戻す」ことに終始し、新たな発見や感動や感情の揺さぶりを見いだす稽古には至らず。それでも若手Sの押し出す言葉に少しではあるが圧力が増していて、オッサン演出家は成長する我が子を見守る好々爺のような気分になる。再演の稽古は我慢との闘いでもある。 
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川沿いを走るランナー。日曜日は集団で走るグループも多い。
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2012年01月07日

すぐに縮こまる。――[660]生誕19,229日

 午後から『友達』の稽古。ようやく稽古らしくなってきて細部に演出的なダメを出し始めるが、おかげで同じところを何回も繰り返す羽目になり、なかなか先へは進めない。それでもここは我慢我慢と我が身に言い聞かせ、若者たちの個性を見極めつつ、作品の方向性を少しずつ決めていく。ああ、骨が折れる。
 
 自宅に戻ると疲労感がすごい。年始に軽かった体が嘘のように固まっている。もう、この歳になるとアカンですね。若者と一緒にウォーミングアップをしようが、殊勝にランニングに精を出そうが、老いた体はすぐに縮こまる。おまけに夜の冷え込みがすごいので、まるで機動力がない。
 いやいや体を温めてバリバリ仕事に取りかからねばと、ひとまず熱い風呂にずぶずぶ浸かってみるものの、体がほぐれてくると優雅な気分になってDVDなんぞを見始める。どうやらこの男、精神力に欠陥がありそうだ。
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雨漏り? なんとも適当な応急処置。でもま、こんなもんか。
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2012年01月06日

ピリッとしない。――[659]生誕19,228日

 右目の、眼球の奥の上のあたりが時折、ズズンと痛くなる。最近、この症状に時々見舞われるので心配性のオジサンは、「これは何の悪い兆候だ?」と不安になっている。目にはこれまでもさんざん苦労させられているだけに、クモ膜下の兆候ではないか、もしや脳梗塞かと心配は募るばかり。大丈夫か、俺。

 今日こそ間違いなくダブルヘッダー。午後から『友達』の稽古で、今日も美術の検討をしつつ冒頭から少しずつ進める。研修所の俳優の卵たちは皆、一様に真面目でソツがないのだが、そのぶん面白みは薄い。きっとここから古田新太や阿部サダヲのような俳優は生まれないだろうなと思いつつ、全体のテンションを高めるためにオッサン演出家だけが独り、わーわー吠えまくる(それでもまだおとなしいもんではあるが)。
 夜6時すぎの休憩時に同じ敷地内のワンツーワークスの稽古場へ行き、立ち稽古に少し遅れると言いに行くと、「あけましておめでとうございます」と挨拶されて、おお、そうか、まだそんな時期であったかと、すっかり稽古モードの演出家はいささか戸惑う。
 結局、ワンツーの『誰も見たことのない場所』の稽古は8時近くからになり、全体の4分の1ほどの場面をとりあえず通ってみるが、みんなまだ正月気分が抜けていないのか、どうにもピリッとしない。(演出家、おまえもな)
 早く、身も心もチームワークも、全面的にどっぷり芝居モードに切り替わらなければ、展望が開けそうにない。このあと新作も控えてるんだよよいのよい。
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早く芽が出ろい! 「芝居の芽」もね。
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2012年01月05日

認知症に向かって前進。――[658]生誕19,227日

 芝居の稽古がスタート。今年は初日からダブルヘッダーだと気合いを入れて西新宿へ。
 まずは新国立演劇研修所の若者たちと『友達』のスタッフ会議。美術、音響、小道具と打ち合わせを済ませ、衣裳パレードに突入。その後、平台で実際のアクティングエリアを組んでみると、狭い狭い。こりゃ使い勝手も悪そうだ。そう勘が働いて、すぐさま変更を指示。ついさっきのスタッフ会議は何だったんだ?という怒りの声が飛んできそうだが、百聞は一見にしかず。アイデアを出してトライ。それでうまくいかなかったら、またアイデアをひねり出す。ものを生み出すとはそういうことだと独り、我が身に言い聞かせて、ばしばし変更していく。
 この美術の検証に時間がかかり、立ち稽古を始められたのは既に夕方近く。おっと、今日は6時からはワンツーワークスの稽古だったと、「15分休憩」と言い渡し、同じ敷地内の別の稽古場に走ると、あれれれ、誰もいない。稽古場使用状況の張り出しボードには何も記されていない。え、そんな、もしや稽古場を間違っていたか?と研修所に戻り手帳を見ると、ワンツーワークスの稽古は明日から……。確かに間違ってました、我が記憶。ほんとに今年は大きく認知症に向かって前進しそうだ。
 がっくりうなだれて『友達』の稽古で檄を飛ばしまくる。決して八つ当たりではない。
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『友達』。読めば読むほど、奇妙きてれつ。
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2012年01月04日

体が軽いぞ。――[657]生誕19,226日

 体の調子がすこぶるいい。気がする。昨年末からのランニングも快調をキープし、ついに今日はタイムを大幅に記録更新。出だし飛ばしすぎて、案の定、すぐに苦しくなったものの、安定したピッチに早めに戻すことに成功。30分過ぎる頃には余裕を持ってピッチを上げてみたりしつつ最後までヘバることなく走りきり、時計を見ると、おお新記録、と相成った。
 しかし、体が軽いと心も軽いね。今年はこのまま健康体でがんがん突っ走れるに違いない。気がする。気は大事。
 と、考えてみれば、この三が日、しっかり睡眠時間を確保していたことを思い出し、やっぱり体力保持には睡眠か、と今さらながら再確認。ということは、今後どんどん睡眠が取れなくなる日々に突入するのは目に見えてるわけで、そうなると健康体はみるみる崩れ、肩こり、膝の痛み、全身の倦怠感、ハゲ、癌……
 いやいや、今年こそ健康第一、睡眠第一で突っ走るぞと密かに誓いつつ、ちまちまと明日締め切りの原稿を書く。
 進まない……。
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「仕事がすんだら仕事だぜ!!」。番宣か?と思いつつ、よくよく見ればパチンコの広告。さすがにパチンコは不況に強い。
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2012年01月03日

正月なんですか?(2)――[656]生誕19,225日

 「お正月」という年中行事は我が人生から消滅しつつあることを確認する正月を過ごしている。
 帰れる実家はとうになくなっているので「里帰り」とは無縁。「雑煮」「おせち」「餅」を口にすることもなし。年末に石造りの臼と杵を引っ張り出して一日がかりで餅つきをしていた頃は今となっては夢のよう。今さらもらうことはないが、あげる相手のいない「お年玉」とも無縁。そういえば「凧揚げ」「はねつき」という光景もすっかり見なくなったなあ。
 辛うじて年中行事気分をとどめようと思って叶えられるのは「初日の出」「初詣」くらいか。といっても、霧島(高千穂)や堀切峠(太平洋)に初日を拝みに出かけていたのも大学時代の頃まで。それ以降の人生では高尾山に一度行ったくらいで、今や面倒くささのほうが勝つ。唯一残る「初詣」にしても、行かなきゃ行かないで何も困らない。
 こうして我が人生、「孤独死」に向かってひたひたと歩みを勧めているのだなと思いつつ、今日も一日、書き物仕事に明け暮れる。「お正月」というのは家族持ちで親が健在、この条件が揃って初めて成り立つのだなと今さらながら思い知る。
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このアイスがやめられない。「若い女性に大ヒット中!」と書かれているが、オッサンもハマってます。
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2012年01月02日

正月なんですか?――[655]生誕19,224日

 年賀状というものを書かなくなって久しい。若かりし頃は恐ろしいほどの手紙魔だった我が身が今や信じがたいほど、自筆で手紙類を書くことがまるでなくなった。
 もちろん、自筆で今なお書くことはいっぱいある。正月も関係なく山と積まれた書類仕事、雑誌の色校正……。なぜに新年早々、机にへばりつかなければならないのか。
 「明日できることを今日するな」。その名言を胸に刻み、正月気分を満喫したいところだが、残尿感たっぷりの生活が身に染みついているオッサンには遊びに突っ走る勇気もなく、ただのらくらと面白くもない書き物仕事にだらだらと向かう。
 今、実は正月なんですよ。懐かしい人たちからの年賀状だけがそのことを教えてくれる。
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謹賀新年。たぶん、今年も風のように過ぎ去っていく。
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2012年01月01日

謹賀新年。――[654]生誕19,223日

 2012年の未来予想図。
 3月の新作『ジレンマジレンマ』に追われまくる日々の中でストレスを山と溜め込み、二度目の癌になる。(今度は肺)
 なんとか5月に53歳には到達するが、続く7月の再演『蠅の王』で根を詰めすぎて、いよいよ頭が禿げあがる。スキンヘッドにするか「植える」か葛藤激しく、その精神的疲労で癌が悪化する。またその影響で、沈静化していた歯周病も悪化の一途をたどって歯茎がみるみる下がり続け、夏頃には入れ歯を本気で検討し始める。
 秋の新作ドキュメンタリーシアターは苦労ばかりが多くて困難な作業の連続。そのストレスが真夜中の一気食いを呼び覚まし、せっかく去年成功させた減量作戦を台無しにする。
 冬を迎える頃には膝の衰えが顕著になり、体重増加も相まってランニングはもちろん、運動は極力控えるように医者に厳命される。それで体重はますます増える。

 以上はもちろん、3本の劇団公演が上演できたという前提に立っているが、本が書けなくて公演中止、あるいは観客がさっぱり増えず、ついに赤字を支えきれなくなり公演中止、ひいては劇団空中分解ということも十分に考えられ、その際には演劇界から足を洗い、ひっそりと田舎に引っ越してカップラーメンをすすりつつ独り、紅白歌合戦をラジオで聞いている……。

 さて2012年。未来は努力次第でどうにでも変えられると信じて突き進みましょう。えいえいおー。
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いざ、2012年。かかってきなさい!
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