2012年06月30日

老人の聖地。 ――[835]生誕19,404日

 昨夜のリココデ2本一気飲みが効いたようで、朝には熱は下がって頭はすっきりしてきたものの、節々の痛さは少しも取れていない。

 そこで思い立って稽古前にマッサージに駆け込むと、いつになく混み合っている。しかも若い女性が多い。中には寝そべって漫画を読みながらマッサージを受けている不届き者の10代と思われる女子もいる。おいおい、君ら若いんだからダメだろ、こんなとこに来ちゃ。ここは老人の聖地なんだから!!

 今日も稽古は午後1時から10時まで。気がつけば稽古初日から1カ月が経過。実寸のサイズがきっちり取れないので、奥行き重視、間口重視とバミリを変えて稽古場を縦に使ったり横に使ったり、四苦八苦しながらの稽古が続く。

 稽古後、スタッフさんら何人かが飲み屋に向かうが、まだ体が本調子でないオッサンはとぼとぼと帰途につく。
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初日まで、あと20日。

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2012年06月29日

突然の風邪。 ――[834]生誕19,403日

 昨夜、薄着でいたのが災いしたか、朝からどうにも熱っぽい。体の節々もあちこち痛い。
 と思っていたら、稽古中にみるみる熱が上がる。いかん、これは紛れもなく風邪引き症状。たまらず夕食休憩のときに近くの薬局で「バファリン」を買い求める。

 その薬局のオジサンは、我が身がいかにも具合悪そうに見えたのか、こちらが聞きもしないのに、「1回服用して4時間は時間をおいてください」と警告する。そこで素直に「ハイ」と返せばいいものを、「4時間開ければいいんですね?」と口やかましき男が問い返すと、「用法には6時間と書いてありますからホントは6時間は開けたほういがいいですけど、4時間おけば大丈夫です。ただし、1日2回の服用は守ってください」。……やはり、よほど具合が悪そうに見えたらしい。

 バファリンが効いて熱は徐々に下がってきたが、全身のだるさは帰宅してもいっこうに治まらない。だが薬局のオジサンもわざわざ言ってたことだしバファリンに頼りすぎるのもよくないなと思い、代わりに「リココデ」を2本、一気飲みする。

 だが、これはこれで過剰摂取ではないのか?と、もっともな疑念が頭をかすめるが、「リココデは小児用だからオジサンは2本飲んだっていいに決まってる」と素晴らしい屁理屈で我が身に言い聞かせる。
  ああ……老体には風邪さえ重病。

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台本にも徐々に疲労のあとが……。
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2012年06月28日

「ほぼ」な一日。 ――[833]生誕19,402日

 今日から『みんな豚になる』は、ほぼ実寸稽古。「ほぼ」というのは、今回の芝居、吉祥寺シアターをかなり欲張りに使うため、よほど広い稽古場でない限り、完全実寸を確保するのは無理。なので、「ほぼ」。
 朝10時からの稽古場仕込みに行くかどうか迷った挙げ句、9時には劇団のハイエースがとっとと出発してしまったので心が折れ、んじゃ若者たちに任せるか、と優雅に時を過ごしていたら、いつのまにか着信がいくつも残されていて、なんだなんだ?と合わせて届いたメールを見てみたら−−
 ……今日、会議だった。……え? 明日じゃなかった? だって今日水曜日でしょ?と思ったら、木曜日だった……。
 かくして今度は間違いなく心が折れ、会議には「ほぼ」1時間遅刻。これじゃあ、「ほぼ」欠席と同じ。「ほぼ」人間失格。

 とほほ……。関係者の皆様、お許しください。この男、すっかり認知症同然。もはや、何かの役に立つような仕事はできないようです。

 セットが「ほぼ」入った稽古場で、『みんな豚になる』の稽古は午後1時から10時まで。
 今回、動きの段取りがシビアな場面も多く、しつこく何度も繰り返していたら、9時間も稽古時間がありながら、最後の2場面は手つかずで終了。でもまぁ、「ほぼ」最後まで通りました……とは、とても言えない。
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こんな美しい花の名前もわからない……。
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2012年06月27日

眼鏡をつくる。 ――[832]生誕19,401日

 とうとう新しい眼鏡をつくりに行く。乱視・近視眼鏡でも脳が慣れてピントが合ってきたとはいえ、やはり目には相当に負担になっているようで普段より疲れが激しい。このままだと目の老化が一気に進むぞ、と我が身に言い聞かせた次第。

 求めたのは紛失したのと同じ遠近両用だが、「パソコン仕事が多いので、その距離が一番見える眼鏡を」とリクエストする。

 その後、視力検査をしてみると、「2005年にお作りになったときと、ほとんど変わってませんね」。そうですか、まだまだ老化は程遠いですか。(そんなことは店員は言っていない)

 その後、あれこれ試して中距離が最も見やすいレンズに決めて、「曲げても大丈夫なフレームを」と注文を出しつつ、20年ぶりくらいに「縁ありフレーム」に決めて、支払いを済ませる。
 できあがってくるのに1週間ほどかかるので、それではよろしく、と帰ろうとすると、「お仕事帰りですか?」と店員が突然聞いてくる。「まぁ、そのようなものです」と、質問の真意がわからず大雑把な答えを返すと、「いらっしゃったとき、ずいぶんお疲れのご様子だったので」。

 どうやら落ち武者のように見えていたようです。(泣)
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水色が一番好きです。
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2012年06月26日

脳は慣れる。 ――[831]生誕19,400日

 久々に我が劇団の稽古でウォーミング・アップから参加。サボっていた期間が長かったにもかかわらず、思ったよりは我が体は固まっておらず。これはランニングのたまものか。それとも見事に若返ったのか。(そんなことはありません)

 しかし無念ながら、筋トレ部長の天敵・Oが繰り広げる腹筋・背筋・腕立て伏せのメニューには、もはやついていけず、ああ、やはり二度と若返ることはないのだと、その無念の腹だちを稽古で存分に役者を罵倒して紛らわせる。

 稽古後、客演のFさん、我が劇団若手のN&Tと4人で飲みに行く。未だに酒の進まない我が身は本日、生ビール1杯のみ。健康健康と思いながらも無茶のみしていた頃が懐かしい。

 さてさて。眼鏡紛失から丸1週間が経過。
 未だに行方はようとして知れない。ひょいと出てくるはずと、淡い期待を抱いていたのだが、どうやら我が眼鏡はやはり台風4号とともに遠くへ消えていったらしい。
 紛失したのは遠近両用で、今はそれ以前に作った近視・乱視用の眼鏡をかけているのだが、あーら不思議、人間の脳ってホントに慣れるんだね。近乱眼鏡だとパソコンの画面がぼやけてまるで見えなかったのだが、この1週間掛け続けていたら、次第にピントが合ってきた。

 凄いな、人体の修正能力。このままこちらの眼鏡を掛け続けていれば、すぐに老眼もきれいさっぱりなくなるんじゃないのか?(そんなことはありません)
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行列のできる舗道。
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2012年06月25日

自分が怖い。 ――[830]生誕19,399日

 さあ、1本終わってひと安心。今日からは『豚』に全力投球だぜとオノレを鼓舞して稽古場に入るが、体調が悪いので体発(体操・発声)をパスさせてくれと遅れてやってきた主役のベテランOがいかにも具合悪そうで、まるでホームレスのようなたたずまい。

 見るに見かねて、「具合悪いなら帰れば?」と言うと、Oはわずか3秒ほど逡巡した挙げ句、「帰る」と言って再び稽古着から私服に着替えて、よれよれと稽古場を後にする。

 しかし、そんなことに引きずられている場合ではない。鬼の演出家はグレードアップを図るべく、終盤部分を細かく細かくダメを出しながら何度も稽古。遠慮なく若手に毒も吐く。
 「それじゃあ、ただ怒鳴ってるだけだよ。あのね、頑張って怒鳴るのは全然強くないの。もっといたぶらなきゃ。いたぶろうと思えば、あの手この手で言い方も変わるだろ?例えば、虫を捕まえてさ、まずセロテープで固定して、足を11本引きちぎって、それからセメダインを垂らして、最後に燃やす、とかさ」

 ……こんなダメ出しを平然と言っている自分が怖い。こういうことが考える前からすらすらと口を突いて出

 と、ここまで書いたところで突然、バン!と部屋の電気が落ちた。なんだ?なんだ? 訳がわからず、スマホを懐中電灯代わりにブレーカーを見に行くが、何も落ちていない。ますます意味不明になって外に出てみると、我がマンションの1階で何やら工事の真っ最中。
 「すみません、今、突然停電になったんですけど、その工事と何か関係あります?」と聞くと、「関係あります」と堂に入った返事。回線工事でこの時間は停電するとの通知が事前に各ポストに入れてあったらしい。そんなもの見てもいないわがまま男は憮然として、「何時までかかります?」「4時半です」「ああ、そんなにかかりますか」「早く終われば、その前には復旧すると思います」。……ごもっとも。あなたたちに罪はない。
 かくして落ちてから今、1時間半以上が経過して時刻は午前4時前。どうやら「J:COM」の回線工事だった模様。
 致し方ない。何事もメンテナンスは大事。かく言う我が身に休息の日々はまだまだ訪れそうにないが。
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信号機が工事中って、ありなのか?

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2012年06月24日

泣いてる暇はない。 ――[829]生誕19,398日

 『I’s−アイズ−』本番。800人は入る「キラリふじみ」は完全満席。立ち見まで出るという大盛況。40人も出演者がいれば、こんなに埋まるのだろうか。それとも学科公演ファンが大勢いるのだろうか。恐るべし。
 もはや何もすることのない用無し演出家は、開演30分ほど前に楽屋に行き、一人一人と握手して気合い入れだけして満席の客席に紛れ込む。
 相変わらずちょこちょことミスはあったが、さすが本番。集中力が今までと全然違う。「おお、おお、立派になったのう、おまえたち」。演出家は客席でいつのまにか親戚のおじいちゃんになっている。
 4時間に及ぶ公演がすべて終わると、全員が劇場入り口に並んで感極まりながら客出しをしている。もちろん、涙を流している者も多数。
 うわ、並んでるよ、と思いながら保護者やらOB・OGらでごった返しているロビーに出て行くと、こちらが何か言う前から「ありがとうございました!」「先生、ありがとうございました」と連発されて、ああ、こりゃ何か言えるような状況じゃないわと思い、まとめ役のTに次回の授業のことだけ伝えて、午後5時に劇場を後にする。

 14人の女優の卵諸君、お疲れさま。存分に泣いて、それから笑って仲間たちと肩をたたき合ってくれ。

 ひと段落した親戚のおじいちゃんはバスと電車を乗り継ぎ、西新宿へ。気を引き締め直して演出家の顔を取り戻して、『みんな豚になる』の稽古にかかる。

 演出家に泣いてる暇はない。
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「高校の良き思い出、明日への第一歩」になったよな?
(公演パンフレットには写真が満載)
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2012年06月23日

ゲネプロなのか? ――[828]生誕19,397日

 『I’s−アイズ−』、いよいよゲネプロ。
 S高校舞台芸術科の学科公演は、「日本舞踊」「クラシックダンス」「モダンダンス」「演劇(I’s−アイズ−)」「ジャズダンス」「グランドフィナーレ」と延々と演し物が続き、トータルなんと4時間にも及ぶ。
 そのためゲネプロと言っても、全体の進行が淀みなく進むかどうかに力点が置かれているので、客席には演出席もなければ、進行中に照明家や音響家と改善を話し合う余地もない。本番さながらほかの関係者同様、ただ席に座って気になるところをコソコソと一人でメモするのみ。

 これってゲネプロなのか?

 終了後に楽屋に行くと、主役のNをはじめ数人が既に泣いている。ああ、めんどくせー女子高生。
 「悔しくて泣いてんのか?」と水を向けると、セリフを間違ったことや段取りをミスったことが悔しいらしい。あのね、そんなことでいちいち泣いてたら、誰も役者なんかできないし、俺なんて我が劇団でも本番見るたび号泣だよ! ……と言おうと思ったが、「う、う、うう、う……」と獣のように泣き続けるので無視することにする。

 改善できそうなダメ出しをいくつか伝え、「明日の午前中、俺は来られないから自分たちでラストを自主練するように」と言うと、これまた泣いているリア王役のSが、「先生が来なかったら何もできませんよおおお、お、おおお」と、いっそうむせび泣く。

 結局、10時前に劇場を出て、帰宅は11時半近く。『みんな豚になる』の今日の稽古はやむなく自主練にしてもらったのだが、帰宅は『豚』の稽古がある日よりも遅い。はああ。
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池の中でパフォーマンスの稽古をしていた。
(ぱっと見、あまりに動かないのでオブジェかと思った)
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2012年06月22日

スルーしておく。 ――[827]生誕19,396日

 朝早くからラッシュに揉まれ、電車を乗り継いで鶴瀬に向かう。富士見市文化会館「キラリふじみ」で朝10時から、『I’s−アイズ−』の場当たり。

 S高校の成果発表会は演劇専攻のほかに舞踊専攻もあるので、舞台を使って演劇の場当たりのできる持ち時間は午後3時までの5時間しかない。テクニカルと動線をメインにどんどん進める。昼休憩になったところで、今回の美術家・Uさんに「すごく丁寧にやってらっしゃるから驚きました」と言われてこちらが驚く。え?執念深く、裏を返せば誰も信用していないので何度も何度もしつこく繰り返す、いつもの場当たりに比べれば大雑把すぎるほどでっせ。と思うが、褒め言葉として受け取って、「あ、そうですかぁ?」とスルーしておく。
 午後もバシバシ場当たりを進め、ラストに至る流れが全然ダメだなぁと思いつつ、あとは本番の火事場の馬鹿力を信じて、こちらもスルーしておく。(こらこら)

 かくして場当たり終了は5分オーバーの午後3時5分。ま、これくらいの遅れなら許してくれ。

 それから練習室に場所を移し、5時近くまで部分稽古。女子高生軍団は、芝居のほかに日舞やフィナーレのダンスの振りまでおさらいしなければならず、かなり疲労も溜まっている様子。
 ま、本番前はそんなもんだ。めげずに頑張れ。やればできる。などと、珍しく優しい言葉をかけようと思ったそばから、きゃっきゃはしゃいで踊り始める軍団を見て、「ああ、余計なこと言わずにスルーしてよかった」と安堵する。

 なんだかんだ言っても、若者はたくましい。特に女子はたくましい。うざいほどに。

 夜は西新宿で『みんな豚になる』の稽古。
 今日は芝居中に何度も出てくるムーヴメントを冒頭から追っかけて確認しつつ、グレードアップを図る。目の前で繰り広げられる動きにはまだまだ不満が残るものの、頭の中ではその動きを勝手に修正しながら数段グレードアップした完成形のムーヴのほうを思い浮かべて、独り悦に入っている。いやぁ、美しい。

 要するに、ただの妄想。現実逃避に走ってるだけだが。
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『I’s−アイズ−』の場当たり。約800席の劇場。なんとも贅沢。
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2012年06月21日

今さらリアップ? ――[826]生誕19,395日

 「リアップは効くよ」。我が劇団のベテランOが力説する。

 そおお? 我が身も以前使っていたが、それでも抜ける抜ける、もはや薄さは隠しようもない。しかし、「いや、効く」とあまりにOが断言するので、優柔不断の禿げ男は、「もういっぺん試してみるか……」と思ったりしたのだが、今さらリアップ?手遅れ手遅れ。……と、見果てぬ夢を見る我が身を戒める。

 スタジオライフ『天守物語』を紀伊國屋ホールで観る。久しぶりに拝見したのだが、これまでとはずいぶんテイストが違う。小劇場ブームの80年代を彷彿とさせるギャグ演技が満載だったことにも驚く。全編、ロックの音楽を基調とした活劇ファンタジーといった趣。ロックバンド「BUCK−TICK」のギタリストが提供した音楽がやたらとカッコイイ。
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消防にも稽古が必要です。
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2012年06月20日

旅に出ますか。 ――[825]生誕19,394日

 参宮橋のオリンピック記念青少年センターで劇団協議会が公益社団法人に移行して初めての総会。
 かと言って特別なことは何もなく、いつものようにシャンシャンで終了。その後はPD(プログラム・ディレクター)のSさん、PO(プログラム・オフィサー)のWさんを招いて、「演劇に対する支援システムをより良くするために」の意見交換会。

 途中、Sさんに話を振られた我が身も、よせばいいのにとうとうと喋りまくる。ああ、節操がない。

 夕方からは懇親会に雪崩れ込み、久々に会うスタジオライフのKさんらと芝居の話に花が咲く。なんでもKさん、オフ・ブロードウェイで観た芝居にいたく観劇したらしく、「その本をぜひ古城さんに読んでほしい」と言うので、「ぜひぜひ」とお願いしておく。なんでも子どもを誘拐された父親の話らしい。Kさん、翻訳本、待ってますよ。

 懇親会がお開きとなった後、演劇評論家のGさんに誘われて喫茶店に入ると、協議会会長のNさん、いつの間に懇親会を抜け出したのか、舞台美術家のFさんらと打ち合わせの真っ最中。そのバイタリティには恐れ入るが、Nさん、仕事しすぎです。
 我が身とGさんは離れたテーブルでイギリスの演劇事情についてあれこれと話す。振り返って見れば留学から帰国後、一度もイギリスに行っていない。留学前はあんなにちょくちょく芝居を観に行っていたのに。
 そろそろ、また旅に出ますか。
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高級梅干しの差し入れ。めちゃウマ。甘い。

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2012年06月19日

眼鏡を失う。 ――[824]生誕19,393日

 台風で眼鏡をなくしました……。
 西新宿での『みんな豚になる』の稽古を終えて地下鉄に乗り、我が家の最寄り駅まで。時刻は10時半近く。地上に出ると、雨は強めに降ってはいるものの、思ったほど荒れてはいない。
 よっしゃ。と傘を差して歩き始めて100メートルほど進んだところで、突風、横殴りの雨、たちまち裏返しになる傘。うわー、なんだこれ。マジ、台風じゃん。傘を両手で握りしめ、風に逆らいながら歩を進めるものの、既にずぶ濡れ。ものの2、3分で滝に打たれたようになる。それでも叩きつけてくる風雨にあらがいながら、びしっょびっしょになって我が家に帰り着く。
 いやあ、まいったまいった。ぐっしょり濡れて体にぺったり張りつく服を一枚一枚はがし、バスタオルでわしわし体を拭いて着替えを済ませ、やれやれと安堵したところで――
 ……あれ? 眼鏡は?
 たぶん、服を脱いだときに外してどこかに置いたはず。
 だが、どこにもない。いつもひょいと置きそうな、あそこにもここにも眼鏡はない。
もしかして俺、今かけてる? とあり得ないことを思いつつ実際に顔を触ってみるが、もちろんない。

 も、もしかして、今の台風と闘っている最中に顔から落ちてしまい、それに気づいてないのか……?

 いやいや、いくらなんでも顔にかけてた眼鏡が落ちれば、耄碌じじいでもない限りわかるだろう。そう思い直して今一度、帰宅して動いた家の中のルートを辿ってみるが、やっぱりどこにも眼鏡は見当たらない。
 いや、ある。絶対にある。絶対に帰ってきてから家の中のどこかで外したはずだ。そうだよ、躍起になって探すとかえって出てこないんだよ。ちょいと別なことをやっていれば、ああ、そこにあったか。そうなるに違いない。我が身に言い聞かせてパソコンに向かうが、眼鏡がないので画面が見づらい見づらい。

 いやいや、これは真剣に探さなければ。そう思い始めたら居ても立ってもいられなくなって、ついに真夜中、風雨の収まってきた外に出る。そして帰宅してきた道を一歩一歩たどり始める。暗くてよく見えない中、我が身は立ち止まっては舗道の地面をぎろっぎろっと睨みつける怪しいオジサンとなって捜索を続けるが、ついに発見には至らない……。

 えー? ホントに雨風と闘っているうちに顔から落ちたのか?そんなバカなことが現実に起こるのか? いくらフレームがゆるゆるになっていたとはいえ、落ちたら気づくんじゃないのか? 耄碌じじいでもない限り。
 ……耄碌じじい、だったようです。(爆泣)
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ありません。
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2012年06月18日

どこまでも宇宙人。 ――[823]生誕19,392日

 芝居の稽古、稽古で一日が終わる。
 午前中からはるかに遠い(と体力のないオッサンには思えて仕方がない)S高校に向かい、本日はとうとう、『I’s−アイズ−』の追い込み稽古、最終日。
 劇中劇の『リア王』の手直し部分稽古の後、まだまだ細部が甘いと思いながらも通し稽古に突入。
 いやあ、まだまだ雑。しかし残された時間はもはやない。

 「さあ、今度会うときは劇場だな」と言うと、「ひやああ」と手応えがあるんだかないんだか、よくわからない声が返ってくる。女子高生はどこまでも宇宙人だ。

 5時半頃にS高を出て、西新宿へ。ダブルヘッダー稽古に今日もせっせと精を出す。
精を出せば芝居が良くなるものでもないというところが悲しいが、指をくわえて見ているわけにもいかず、頑張って毒を吐く。(毒は要りません)
 既に稽古が始まって3週間を過ぎている。しかしまだまだ空気は濃密にならず。がんばろ。
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「自転車利用が活きる町」ってどんな町?
交通整備の至らないド田舎ってこと?
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2012年06月17日

年寄りの冷や水なのか。 ――[822]生誕19,391日

 ランニング直後に体重計に乗ると、ランニング直前から確実に1.8kgは体重が落ちている。その効果のほどに、思わずにんまり。
 と喜ぶのも束の間。翌日になって再び体重計に乗れば、ものの見事に1.8kg、元に戻っている。
 このところ、この繰り返し。かつてのように、じわじわと体重が減り続ける流れを、なかなか獲得できない。
 なんで? 何が悪いの?
 やっぱり睡眠不足がよくないのか?
 おまけにやたらと連日気温が高いので、オッサンは熱中症になりはしないかと恐れおののきながら走り、走り終えるとバテバテでかえって体調不良になったりする。これが年寄りの冷や水というものなのか。

 今日も走り終えてしばらくすると、なんだか頭が熱っぽい。体のだるさも助長されている。これぞ「老い」というものなのか。

 『みんな豚になる』の稽古では、若さあふれる客演の23歳・25歳コンビの溌剌さが、ますます我が身の老いを感じさせる。ああ、うっとうしい。
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独立王国。王妃もおでましです。
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2012年06月16日

何がお楽しみなのか。 ――[821]生誕19,390日

 本日も芝居の稽古の2連チャン。寄せては返す波のように、繰り返し繰り返し、2本の戯曲と向き合う。
 S高校の女子高生軍団は、ここに来てオッサン演出家だけに任せていては無事に本番を迎えるのは難しいと見切ったのか、衣裳に小道具、髪型なども自分たちで日々グレードアップさせている。
 そうだよ君たち、大人なんて当てにならないんだよ。苦難の道は若き自分たちの力で切り開いてくれ。
 などと我が身に言い聞かせ、決していじけてはいないはずの演出家は、未だにセリフを間違える主役の17歳に、「同じことを3度も4度も言わせるなよ。おまえ、主役なんだから。おまえが座組みを引っ張っていかなきゃいけないんだから。そんなんじゃ誰もついてこないぞ」と怒鳴り散らす。

 もちろん、これは愛の鞭。決してオッサンのいじけから来る八つ当たりではない。(と思う)

 それにしてもダブルヘッダー稽古を終えて帰宅すると、疲労感がすさまじい。我が身体は今や、あっという間に充電がなくなってしまうスマホのごとし。
 しかし、スマホは充電すればアレもできたりコレもできたりと多機能で楽しいことも盛りだくさんなれど、我が身に備わるアプリは芝居のみ。
 世の中、もっと面白いことがいっぱいあったはずなのに、このオッサンは酒も飲まず、映画にも行かず、海外にも行かず、我を忘れて遊び狂うこともなく、すっかり日々の「お楽しみ」から縁遠くなっている。というか、いったい何をすれば楽しいのか、それさえわからなくなってきている。
 いよいよ呆ける日は近いぞ。
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最近、手放せなくなった「ケラチナミン」。効能・効果を読むと、「成人・老人の乾皮症」と、しっかり「老人」の文字が。

心までむずがゆくなる。

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2012年06月15日

発展途上ですな。 ――[820]生誕19,389日

 老体には過酷なダブルヘッダー稽古の日々が続く。
 いよいよ後がなくなり、追い込みに拍車がかかるS高校では照明家Kさんも入って、無理やり通し稽古を敢行。
 なんとかなるんじゃねーの? という甘ちゃん演出家の目論見はもちろん見事に打ち砕かれて、何度か稽古は止まる。
 まだまだ粗い。まだまだ発展途上。

 甘ちゃん気分に水を掛けられた演出家は通し稽古後に、あれやこれやと細部にわたりダメ出し、小返しをやっていたら、あららら、時刻は7時近くになっている。

 急いでS高校を出て西新宿に向かうが、『みんな豚になる』の稽古場に着いたのは9時15分過ぎ。
 10時には完全退出の稽古場なので、ほとんど稽古をする時間はなし。そこで自主練習でグレードアップしたというムーブメントだけを見せてもらうが、この大遅刻の演出家、見た途端に褒めるどころか、あーだこーだと注文を繰り出す。

 まだまだ発展途上ですな。こっちの芝居も、甘ちゃん演出家の人間性も。
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もう夏だぁ。
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2012年06月14日

更年期障害なのか? ――[819]生誕19,388日

 男にも更年期障害はある。という話はどうやら本当らしい。その名も、「LOH症候群」。略さずに書くと、「加齢男性性腺機能低下症候群」。燦然と輝く「加齢」の文字がまぶしい。

 患者は40歳から70歳という幅ながら、その数は全国に600万人にも及ぶとか。チェックシートに挙げられている、その症状の項目を列挙してみると――

□関節や筋肉の痛み、筋力が衰える。
□体の疲労や行動力の減退。
□イライラする。
□「絶頂期は過ぎた」と感じる。
□力尽きた、「どん底」にいると感じる。
□物忘れがひどくなる。

□総合的に調子が思わしくない。

 お見事。すべて該当するじゃないか。(泣)
 要因にはストレスが大きく関わっているらしいが、もうひとつ、テステストロンという男性ホルモンの減少が深く関わっていて、「自分を発揮できる場所が減る」と、このホルモンも減るんだそうな。いやー、お見事。これまたピッタリ当てはまる。
 予防策としては、リラクゼーションの場を持つ。睡眠をしっかり確保する……と、どれもこれも我が身には縁のない項目が並ぶ。ただ光明としては、「炒めたタマネギに男性ホルモンを上げる効果がある」らしい。
 というわけで、明日から主食は炒めたタマネギにします。

 (心配なら、「男性更年期外来」に行って、血液検査でテストステロンを測ってもらいなさい。)

 こまつ座+世田谷パブリックシアター『藪原検校』を観る。

 主演の野村萬斎さんが素晴らしい。これは、紛れもなく当たり役。終盤、悪の道を極めていくにつれ、憎々しいほどのふてぶてしさがもっと欲しかったとも思うが(それさえも、ある種の「型」で見せていたので)、それは贅沢というものか。もちろん、ほかの俳優とのアンサンブルで見ると、多少浮いてる感はあるのだが、ともかくも、あの伝統芸能に裏打ちされた七色の声のコントロール、キレのある体。並みの俳優にはとても真似できない芸当だと恐れ入った次第。
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ポイ捨てしようとしたその足元に貼り紙が。
……という作戦で、あんなに下のほうに張ってあるのでしょうか?
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2012年06月13日

それが人間ぞ。 ――[818]生誕19,387日

 書き物仕事がいっこうに減らない。パソコンの前に辛抱強く張りつくものの、やってもやっても追いつかない。3時間座りっぱなしでいても、ちょっとした文章さえも書き終わらない。これは能力の問題なのか。おかしい。
 カチャカチャとキーを打ちつつ、頭を悩ませながら文章をひねり出していたはずなのに、気がつけばネットでニュースを読みふけっているのは、これは認知症の現れなのか。

 今日はS高校の追い込み稽古はお休みながら、『みんな豚になる』のほうは今週、休みなし。

 誰だぁー、こんなに稽古を詰め込んだのは。(私です)

 「人間働いて、働いて、働き抜いて、もう遊びたいとか、休みたいとか思うたら、一度でも思うたら、はよ死ね。それが人間ぞ。それが男ぞ。」
 このところ、海援隊の『母に捧げるバラード』のセリフの部分がぐるぐると頭を駆け巡っている。(もう数え切れないほど死ななければなりません)
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まだまだ終わらない原発。新聞社によって視点が大きく違う。
左・東京新聞、右・朝日新聞の連載をまとめた本。

朝日はちょっと格好つけすぎ。

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2012年06月12日

加齢のせいではない。 ――[817]生誕19,386日

 今日もせっせとS高校に出向いて、『I’s−アイズ−』の稽古。まだまだ詰めが甘いところは多々あれど、ようやく、ホントにようやく、最後の場面まで通る。
 なんと長かった道のりであったことよ。

 いやいや、まだまだ全然安堵はできない状況。細部を詰めて芝居に血を通わせるのは、これからの勝負。なのだけれど、なぜこうも日々の稽古に疲れるのか。たぶん、これは加齢のせいではない。女子高生軍団に生命力をちゅーちゅー吸い取られているに違いない。だって、進みの悪い稽古に悲壮感を漂わせ疲労困憊のオッサン演出家とは裏腹に、奴らはめちゃくちゃ元気、脳天気にカンラカンラと笑ってるんだから。

 『みんな豚になる』の稽古も少しずつ少しずつ。
 こちらは演出家以外にも老体が数人いるので、必然的に進行がのろい。いや、これも加齢のせいではなく、老人同士が互いにちゅーちゅー「やる気」を吸い取り合っているのか?

 その証拠に、昨夜は大学時代の演劇の先輩・Tさんが稽古場見学に来ていて、いつになく活気があったではないか。やはり役者という生き物は、見られることで生命力が上がるのか?

 昨夜は稽古後、焼き鳥屋に流れて懐かしい話の花があれこれと咲く。Tさんは今年2月に急逝した先輩Kさんの顔写真、奥さんのTさん(こちらも大学時代の大先輩)からの手紙も預かってきてくれていた。手紙を読んで、健気に振る舞うT奥さんの姿が想像できて、心はしんみり。
 K先輩、俺は先輩のぶんまでガンバリマスよ、加齢のせいにせず。
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このダジャレ広告、どこか物悲しい。
(あまりに接点がない……。加賀温泉だって)

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2012年06月11日

移動だけで9時間。 ――[816]生誕19,385日

 睡眠3時間で朝6時に起床。ホテルの朝食は7時からなので、まるで役に立たない朝食券をゴミ箱に放り込む。なぜなら7時にはチェックアウトしないと、バスに間に合わない。キャリーケースをガラゴロと引きずってバスセンターに向かう。
 リムジンバスで約1時間、珍しく若干の余裕を持って広島空港に着くと、予定の便は15分遅れ。
 おいおい、今日は一日、時間との闘いなんだよ。
 ボヤキながら飛行機に乗り込むと、シート−ベルトを締めるや、即座に爆睡。もはや特技のようになっている。
 10時半頃に羽田について、京急線から山手線に乗り換えると、神田駅で人身事故があったとかで恵比寿駅で電車は止まり、立ち往生。
 おいおい、だから時間にシビアな一日なんだってば。
 しかし山手線はまったく動く気配を見せないので、ついに諦めて新宿湘南ラインに乗り換えて池袋へ。
 さらに西武線を乗り継いでようやく小手指に着くが、今度はバスに乗り込むと、どういうわけだか「自動ドアが閉まらなくなりました」と運転手がとんでもないことを言い出す。まだ若いと思われる運転手は慌てふためきながらケータイ片手にバス本社と連絡を取りつつ悪戦苦闘するものの、「お客様、誠に申し訳ありませんが、このバスは欠車となりますので降りてください」。
 おいおい、だから時間ないんだってば。
 バスから降ろされて(こんな経験初めて)、なんだよ、代わりのバスが来るのに何分かかるんだよと思っていたら、「たぶん、次のバスを待ったほうが早いです」と運転手は言うものの、次までは20分以上もある。
 なんだ、これ。目的地のS高校には「行くな行くな」と天からの思し召しなのか?
 と思っていたら、突然、ドアが閉まるようになる。「すみませんでした。お客様、大丈夫です。このバスは発車します」

 なんだ、これ。コントかよ?と思いながら、我が身をはじめバスから降ろされていた人々は、またぞろぞろとバスに乗る。どうやら車椅子のお客を降ろしたときのドア操作の手順を運転手がわかってなかったらしい。やれやれだ。

 S高校での授業開始に間に合うようにと朝早い飛行機に乗ったのに、結局20分もの遅刻。
 この嫌がらせのように相次いだ交通機関の乱れに、既に怒りで臨戦態勢の演出家は、自分の遅刻には少しも悪びれず、憂さ晴らしのように稽古で女子高生に毒を浴びせまくる。
 毒攻撃を5時間続け、それから取って返して西新宿へ。ここでもバスや電車の接続時間がうまくいかず、『みんな豚になる』の稽古場にたどり着いたのは午後7時半すぎ。

 そこから最後の力を振り絞って毒を吐き、10時に力尽きて稽古場をあとにし、帰路につくため地下鉄に乗る。

 ざっと計算してみると、本日、移動だけで約9時間。一日の3分の1以上が移動のみに費やされている。ひえー。

 我が家に帰り着いたら、落ち武者のようになっていた。
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公演フォトブック、ワンツーワークスHPで販売してます。
これは記念すべき旗揚げ、『死ぬのは私ではない』。
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