2012年07月01日

自分の手柄のように話す。 ――[836]生誕19,405日

 土日も関係なく稽古は続く。今日も午後に終盤部分の小返し稽古、夜は衣裳をつけて通し稽古。あっという間に9時間の稽古時間は過ぎていく。

 稽古後、舞台監督のOが「軽く一杯いこう」と言うので、今回の芝居で悪意の演出家に「用務員」呼ばわりされているベテランOや客演のTさん、若手も誘って飲みに出る。
 酒の肴に劇団一跡二跳の旗揚げの頃などずいぶん昔の話題が出てくるが、驚いたことに舞監O.用務員O、それに我が身と、それぞれ見事に記憶している内容が違っている。
 舞監Oが「昔、稽古場の防音工事を自分たちで全部やったんだ」と息巻くと、聞いていた若手が驚きの声をあげ、「どうやってノウハウを学んだんですか?」と食いついてくる。舞監Oが迷わず「人に聞いたり本を読んだりして勉強したんだよ」とドヤ顔を見せるや、用務員Oは「違うよ。それは俺が全部知り合いからやり方を聞いてきたんだよ。自分の手柄のように言うなよ」とすかさず訂正を迫る。
 昔のエピソードが出るたびに、こうした食い違いが次々とあらわになり、記憶って本当に嘘をつくんだなあと改めて思い知る。つくづくみんな、自分に都合のいいことだけを、自分に都合のいいようにしか覚えていない。そして我はと言えば、間違いなくその場にいたはずなのに、「へー、そんなことあったんだ」と記憶のどこにもそのエピソードは見つからない。
 ふと我に返れば、舞監Oも用務員Oも我が身も、みんな50歳をとっくに超えている。確かなことは、3人とも認知症への道をしっかりと突き進んでいる、ということではないのか?
 
 サッカー欧州選手権決勝は「4−0」でスペインの完勝。互角の勝負かそれ以上、と下馬評の高かったイタリアは、ほとんどいいところなく完膚無きまでに潰される。あまりの一方的な展開に後半は見るも無惨なほど。あまりに徹底した天国と地獄。勝負の世界は非情とはいえ、恐ろしいほどだった……。
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今回の芝居は、『みんな豚になる』のタイトル通り、「豚」がたくさん登場。


posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記