2012年09月30日

恵みの台風? ――[927]生誕19,496日

 列島に迫り来る台風17号のせいで、本日のワンツーワークスの稽古は急遽OFFに。
 「休みにしましょうよ」というメールが盛んに届くのでやむなく同意し、天敵Oに「休む旨を稽古場にも連絡しておくように」とメールを送ったところ、「少しだけ体動かしに使わせてもらいます」と返信が来る。
 あらぁ、天敵さん、偉い偉い、台風の中、一人で頑張るのね、などと思っていたのだが、夜になっても雨・風は思ったほどには激しくならず、交通機関への影響もほとんど出ず。時間も稽古場費も無駄にしたというのに、なんとも肩すかしな結果に。

 みんな、サボりたかったのね。

 そこでせっかく時間ができたのだから、これを恵みの台風として山積する文筆業に勤しめばいいものを、やたらと体が重いうえに集中力のないオッサンは、パソコンの前に30分と座り続けられない。どうにも座り続けられないので、そのままふらふらとマッサージに行く。(おいおい)

 「ちょっと時間が空いて、お久しぶりですね」とマッサージのニーチャンは相変わらずキャバ嬢のようなことを言うが、芝居のことをあれこれ考えたいオッサンは、つれなく「ですね」とか、「いや」とか、「ふむ」とか、最小限の返答にとどめおく。(しかし芝居についての名案が出ることはない)
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『産まれた理由』でインタビューした精神科医の話に出てきた映画『ブリキの太鼓』。
ついつい、Amazonで購入。
ン十年ぶりに見直してみます。
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2012年09月29日

ポールとヨーコ。 ――[926]生誕19,495日

 ポール・マッカートニーが「ビートルズの解散はオノ・ヨーコが原因ではない。グループは分裂しかかっていた」とインタビューで語ったそうな。いや、そりゃそうでしょう。今さらこうした発言がニュースになるとは、これもビートルズの偉大さの証明か。
 我が身はジョン・レノンにも相当刺激を受けたが、負けず劣らず、オノ・ヨーコが生み出す作品群にも多大なるリスペクトがあるので(インスパイアされて2本も芝居をつくったし)、どちらのアーティストとも同時代的に接することができて、ただただ幸せと思うだけであるが。
 しかし、そのポールも既に70歳。オノ・ヨーコは79歳。ジョンが亡くなってからは30年以上が経つ。

 と記しつつ、振り返るにはまだ早い。お二人ともさらにガンガン、傑作を生んでください。

 今日も『少女仮面』と『産まれた理由』のダブルヘッダー。少女仮面に残された稽古はあと4日。ようやく全貌が見えてきてはいるが、傑作になるかどうかは追い込み次第。
 若き俳優たちよ、ガンバレー。

 オッサンも老体に鞭打ってガンバリマショ−。
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我が行く道は容易ならじ。
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2012年09月28日

容赦ないスケジュール。 ――[925]生誕19,494日

 朝から珍しく池袋。我が身が編集長を務める『join』の取材で東京芸術劇場へ。副館長のTさんに話を聞く。Tさんとはシンポジウムだの審議会だの堅苦しい場でよく一緒になっていたのだが、改めてご本人の近況を伺うのはほとんど初めて。相変わらずよく喋る。頭の回転も早い。

 取材後にはリニューアルされた劇場を見せてもらって回る。「プレイハウス」と改名したかつての中ホールには、上演中のNODA・MAP『エッグ』の美術が立て込んであり、その舞台上に裏から上がって、「へー、意外にシンプルなつくりだのう」と思いながら、そぞろ歩く。

 午後は昼食を取る間もなく、西新宿に移動して『少女仮面』の稽古、そのまま夜になったら『産まれた理由』の稽古と、容赦のないスケジュールに奴隷のように従う。

 芝居はどちらも、のらりくらりとわずかな進歩しかなく、いやいや、わずかでも進歩はあるのだからと我が身を慰める。

 2週間前、ムハンマドを冒とくした映画が発端となって大規模な反米デモが中東で起こっていたが、その映画を制作した男(55歳)がアメリカで逮捕された。この映画、我も「youtube」でちょっとだけ観たが、まぁ、ひどいものだった。つくりも粗いし、コンセプトも不明。こんな愚にもつかないものまでわざわざ拾い出してきてやり玉に挙げるイスラムの人々の根性にも恐れ入る。(相手にするほどの動画とは思えない)
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残念ながら書店売りはしていません。
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2012年09月27日

ぐったりする。 ――[924]生誕19,493日

 ダブルヘッダー稽古で疲れた体を引きずって、稽古終了後、午後10時すぎから舞台美術家・Iさんと打ち合わせ。今ひとつコンセプトを明確に表すポイントが見いだせなくて、二人であーでもないこーでもないとアイデアを出し合っては、それが流れに浮かぶうたかたのように消えていく。

 妊娠、出産、赤ちゃん、子育て……。我が人生に縁のないことばかりで、そこから何かを想像しろと言われても陳腐なことしか思いつかない。「実感を伴わない」ということは、どうしても頭でっかちになっていく。やっぱし子どもくらいつくっておけばよかったと、ぐったり思う。

 帰宅は当然ながら午前0時をとっくに回る。そこからスパッと頭を切り替えて、次々に書き物仕事をこなせば見上げたものだが、もう身も心もヘロヘロで何もする気が起こらない。おまけにニュースをネットで眺めていると、さらにぐったりするような出来事が……。

 キャバ嬢に横領した金を貢ぎ続けた男に7年の判決。その額、5億円以上。5おくえーん?騙されて貢ぎ続けた男にはもちろん呆れかえるしかないものの、こんなに横領されるまで気づかない会社にも驚かされ、貢いでもらった金のほぼ全額をホストに使ったと供述している女にもぶったまげる。しかも女はまったく罪に問われない。久々にぐったりするような事件。結局、うはうはだったのはホストクラブだけ、というオチも情けなさすぎてやりきれない。ひたすら気が滅入る。
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このチラシ、映画『ガープの世界』の冒頭シーンを彷彿とするの私だけ?
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2012年09月26日

政治不信。 ――[923]生誕19,492日

 自民党総裁に、つまり次の首相が約束されたポストに安倍晋三氏が選出される。下馬評通りとはいえ、ホントにこんなにあっさり復権できるんだと唖然。党員票は石破茂氏が過半数を超えて圧倒的に支持を集めたのに、これが決選投票に反映されないシステムそのものに大きな疑問符がつく。結局、何も変わらない。そのことだけを実感として受け止める。

 かといって「日本維新の会」はあまりに稚拙すぎて、この国の舵取りを託せそうな人はどこにも見当たらない。安倍さんがまた「おなかの弱い人」にならないことを一応、願っておく。

 今日も一日、芝居の稽古。『少女仮面』では無事にバスタブも入手できて、少しずつ芝居が形になっていく。これで登場人物たちが生き生きと呼吸してくれるようになれば言うことないのだが、まだまだそこは我慢と我が身に言い聞かせ、作戦だけが際立つ若者たちの演技を修行のようにじっと見る。

 今日は『産まれた理由』の稽古はOFFながら、インタビュー取材のテープ起こし原稿は続々とPCに届いている。なんせ取材人数が70人を超える規模なので、原稿管理だけでもひと仕事。先はまだまだ遠いのう。
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新型オスプレイ? 舗道の真ん中で微動だにしない蛾。

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2012年09月25日

慌ただしい一日。 ――[922]生誕19,491日

 西新宿での『少女仮面』の稽古は朝の10時から。
 しかし本日はわずか3時間で終了。やはり高々3時間では稽古できる場面数もたかが知れていて、エンジンがかかってきた頃にはタイムアップ。
 食い足りないまま、「お疲れ様ぁ」とそそくさ着替えた演出家は急いで半蔵門へ出向いて会議。しかし、こちらも意外にあっさり、1時間ちょいでおしまい。あらら。少々、拍子抜け。
 その後、我が劇団の制作F女史と打ち合わせをして、西新宿に舞い戻って、夕方からは『産まれた理由』の稽古でホットシーティング。

 インタビュー取材から戯曲を起こすという途方もない作業にゆえ、時間がかかるのは致し方ないのだが、気づいてみれば初日まであと1カ月あまり。うわ、マジで?大丈夫なのか?

 というわけで、今日はめまぐるしく丸ノ内線を行ったり来たりで、慌ただしく一日が駆け抜けていく。そしてまた日一日と歳を取っていく。
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省略の仕方がグッジョブ!

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2012年09月24日

息も絶え絶え。 ――[921]生誕19,490日

 今週から稽古は再びダブルヘッダー。もう勘弁してください。体力が持ちません。おじいちゃんは息も絶え絶えです。
 11時から6時まで『少女仮面』。6時から10時まで『産まれた理由』。今週はずっとこのスケジュールで突っ走る。過酷だ。過酷すぎる。どうか、死にませんように。

 ダブルヘッダーが再開した途端、左の膝の調子が悪い。そろそろまたヒアルロン酸を打ってもらいに病院に出向いたほうがいいのかと思いつつ、「大丈夫大丈夫、おまえの膝はまだ若い」と暗示に掛けつつ、痛みをやり過ごしている。この痛みが死への序章でないことを願いながら。

 大相撲。日馬富士が横綱昇進決定。どんどんモンゴルの国技と化していく。どうせなら、もっと世界各国の力自慢(もちろん、足腰・膝の強い男)をスカウトし、世界的な競技としてオリンピック種目を目指せばいいのに思う。まぁ、それでも若・貴のようなスターが出てこないと、日本人の担い手はなかなか現れないだろうが。
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撤去される「緑のカーテン」。

ここまで覆い尽くすの、大変だったろうに。何ゆえ?

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2012年09月23日

ジャーナリストの仕事。 ――[920]生誕19,489日

 久々に稽古はOFF。おじさんは疲労回復に努めるものの、もちろん、もはや自然治癒力のないオッサンには付け焼き刃。
 東京芸術劇場シアターイーストで「柿喰う客」の『無差別』を観る。満席かと思いきや、空席が結構目立つ。若者に人気の劇団でも動員に苦戦しているのかと、演劇界の不況ぶりに一気に気が重くなる。
 リニューアルで「イースト」「ウエスト」と改名された東京芸術劇場の二つの小ホールは以前より客席との一体感が強く、観やすい。せっかく観やすくなったのに。

 皆さん、もっと劇場へ足を運びましょう。

 先日、劇作家Sさんから郵送で届いたドキュメンタリーシアターの翻訳劇台本を夢中になって読破。

 ……すごい。すごすぎる。よくもまぁ、こんな本が書けたものだ。問題意識の高さ、取材力の確かさ。これはもう完全にジャーナリストの仕事だ。内容は、混乱に混乱を重ねるシリア情勢の「今」を伝えるもの。人間の、欲と、愚かさと、まっとうな人間であろうとする切実なまでの願いがとんでもなく熱く伝わってくる。むらむらと上演したくなってくる。

 シリア情勢も日に日に泥沼の様相を呈しているが、我がニッポンでも、日中国交正常化40周年記念式典が中止に。日中関係もいよいよ修復の出口を失っている。国のメンツを書けた争いに、頼むから一般市民を巻き込まないでくれよ。
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現場検証?
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2012年09月22日

目がじんじん。 ――[919]生誕19,488日

 『少女仮面』の稽古で明け暮れる。唐十郎さんの戯曲は面白い。面白いが手強い。カメラがアップで捉えた視点だけで繋がっていくので、カメラの周りは今どうなっているのか、そもそもこの世界の外はどうなっているのか、想像力をたくましくすることを次から次に要求される。
 そうして想像の世界で遊ぶのは楽しいけれど、それを形にしていく作業はひたすら地味な仕事の積み重ね。今回、美術も兼ねているN君(22歳)はバスタブの手配に四苦八苦。
 「ヅカ・ガールは昔から風呂オケの上で歌い踊ったもんです」。こんなセリフ、我が身には書けません。「のっかっていた風呂オケのフタを一枚ふみ外し、片足湯舟の中に落っこちる」。なんて迷惑千万なト書き。予算はないのに、これをどう形にしろというのだろう。地味な苦悩は日々、続く。
 
 ワンツーワークスの次回公演『産まれた理由』の稽古は今週お休みながら、取材はまだまだ続いている。もちろん、終えた取材の原稿起こし、セリフ起こしも。
 夜まで重箱の隅をつつくように若者たちの演技を見つめ、帰宅してからはパソコン画面を睨みつける。酷使しすぎなのか、目がじんじんし始めている。
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日本でもやがてこんな風景がフツーに見られるようになるのか。
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2012年09月21日

悲鳴をあげる。 ――[918]生誕19,487日

 睡眠時間が少なかろうが、老人はすっかり早起きになってしまい、仕方なく午前中からパソコンに向かうものの、睡眠が足りていないのは間違いないので、頭は、ぼう、として仕事はなかなか進まない。これじゃあ寝たほうがいいじゃん、と思うものの老人はすぐには再び寝つけない。どうすりゃいいのさ、この悪循環。
 などと効率の悪い時間を過ごしていると、あっという間に昼になり、慌てて西新宿の稽古場へ向かう。

 今日も午後1時から9時近くまで、『少女仮面』。まずは若者たちと一緒にストレッチして体が悲鳴をあげ、立ち稽古に入るや若者たちの演技に頭に血を上らせて悲鳴をあげる。
 まったくもって体によろしくない時間をたっぷり過ごして、とぼとぼと疲労だけをたっぷり抱えて家に帰る。

 一昨日忘れた傘は、笹塚に住む女優Yに「わがままなお願い」をして取ってきてもらい、無事に手元に戻る。お帰り。
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突然の土砂降りの中にたたずむカラス。
こやつはこの後、羽根をばたつかせ何度も水浴びをしました。
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2012年09月20日

老後の心配。 ――[917]生誕19,486日

 10時半から西新宿のファミレスで我が劇団の制作F女史を交え、翻訳家のSさんと打ち合わせ。
 来年、再来年の企画にあれこれ頭を働かせながら、このうち何本上演できるんだろう、そこまで生きているのか、などと思い悩む。老後の心配なんて遠い先のことと思っていたが、いったいどこでけじめをつけるのか、何にけじめをつけるのか。そろそろビジョンを持たねばなるまいなぁ。……などと、芝居の話のはずが老い先短い今後のことが頭の中をぐるぐる回って、少しも芝居のビジョンが描けない。

 昼過ぎになって「稽古だ稽古だ」と慌ててファミレスを出ると、台本や稽古着などを詰め込んだバッグのファスナーが壊れる。あちゃー。ぱっくり口を開けたままのデカいバッグを抱えて稽古場へ。今日も一日、『少女仮面』の稽古に精を出す。あと何年、あと何日、こんな日々にいるのだろうと思いつつ。
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音響用って、誰用? 目の悪い人用? だったら目の悪い人はどうやってこのボタンの存在を知るの?
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2012年09月19日

傘を忘れる。 ――[916]生誕19,485日

 会議で朝から西新宿。常務理事会。報告事項等を1時間ほどで終わらせ、続いて芸術文化振興会の演劇PD、PO各氏を交えての意見交換会。したり顔で今の演劇界を語る我が身が気恥ずかしい。意見するたびに、「よくもまぁ、どのツラ下げて」と、もう一人の自分が心の中で囁く。

 午後からは、『少女仮面』の稽古。ここでも、なかなかパワーアップしない若き俳優たちに、やいのやいの言いながら、言ったそばから、「偉そうに。おまえがナンボのもんじゃい」と、もう一人の自分が勝手にヒートアップする演出家に水を差す。
 続けてダブルヘッダー稽古で、夕方からは笹塚。『産まれた理由』のホットシーティング。俳優たちの報告を聞きながら、ここでも聞いた途端に、「それ、どういう意味?」「なんで、そういうことを取材しないかなぁ」などとツッコミまくるが、ホームグラウンドではどこまでも尊大な演出家。心の声は何も言わない。

 今日は朝からあっちに行ったりこっちに行ったりで、おまけに雨がぱらぱら降ったり降らなかったり。
 こんな日は絶対、持っていった傘を忘れるぞ、忘れたら呆け老人ってことだぞ、と自らを戒めていたのに、最後の最後で笹塚の稽古場に傘を忘れる。戒めていたことは覚えていたのに、我が家に帰り着いてから、「はて、傘は?」と気づく呆けっぷり。いよいよ焼きが回ってきました。
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セブンイレブンで当たってもらった『ワンピース』グッズ。
『ワンピース』の世界を知らないので、開けてもいない。
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2012年09月18日

我が体と向き合う。 ――[915]生誕19,484日

 朝8時には家を出て健診センターへ。昼過ぎまでかけて年に一度の半日ドック。我が体とじっくり向き合う。

 採血・採尿、身体測定、視力・眼圧などは、ふむふむと機械的にこなし、直腸診では指を無理やり突っ込まれる理不尽さに怒りがこみあげ、心電図や超音波の検診ではただただマグロのようになっている。

 胃の検査は去年・一昨年は胃カメラだったのだが、今年は3年ぶりにバリウム。これがどうも慣れない。バリウム飲まされて「終わるまで絶対ゲップはしないでくださいね」って、どう考えても無理じゃね?「じゃ俯せになってください」「今度は体を横向けて」「ハイ、そちら側から1回ぐるんと回ってください」「もう一回、回りましょうか」。指示されるまま盲目的に体をひたすら動かし続けなきゃならないなんて、そのことだけで屈辱的なのに、その上、上下逆さまにされるわ、ウイーンと出てくるアームで腹をぐいぐい押されるわ、これでゲップも許されないなんて「ドM」でなきゃできません。(プレイではありません)
 二度ほど小さくゲップが出たものの、なんとか耐え抜いて(ごまかして)検査が終わったところで、むらむらと天の邪鬼男の反抗心に火がついて、「それじゃ、またラウンジで待っててください」という技師に、「ひとつ聞いていいですか?」と牙をむく。
 「胃カメラではわからなくて、バリウム検査でわかることって何かあるんですか?」。技師のオニーチャンは一瞬言葉に詰まりながらも、「スキルス(癌)とかは全体像がつかめるのでバリウムでわかりますね。胃カメラだとどうしても局所局所を見ることになりますから」。スキルスって相当悪性だろと思いながらも、わざとスッとぼけて、「じゃあ、スキルスはバリウムで早期に発見できるってことですか?」「いやスキルスだと早期ってことはないので……」「え?じゃバリウムでスキルスが見つかったら、どうするんですか?」「胃の全摘手術になりますね」
 ……って、意味ないじゃ〜ん。

 皆さん、答えが出ました。バリウム検査は無駄です。最初から医者には、「頼むからバリウムより胃カメラ飲ませて飲ませて」と訴えましょう。そのほうがよほどオノレの体には親切です。(ゲップも我慢しなくていいし)


 この健診センターではひと通り終わったら、検査の結果をわかる範囲でその日のうちに教えてもらえる。

 我が結果。尿酸値「7.1」、正常値範囲をしっかりオーバー。「これ、どれくらいまで上がったら痛風になるんですか?」とパソコンで新鮮取れたてのデータを見ながら説明してくれている女医さんに聞くと、「それはわからないですね。10以上でもならない人もいますし、7そこそこでなる人もいますから。脱水症状とか、関節の酷使とか、痛風はいろんな要因が重なって起こるので、尿酸値の数値だけではわからないとしか言えないですね」。

 ……放置しておいていいってことなのか?
 コレステロール値も高い。「悪玉コレステロールが高いですね」とその女医がわざわざ水を向けたので、困った顔で「……そうですか」と応じたのに、「でも、これもこの値だけで何がどうこうということはないですから」。
 ……放置しておいていいってことなのか?

 事ここに至ってはブンヤ魂を発揮する元気もなく、ただただ速く終わりたくて、無駄口も叩かず病院を後にする。

 半日のドックでほとほと疲れ果てながら、そのまま西新宿へ移動して、午後1時からは『少女仮面』の稽古。
 今日は衣裳パレードに始まって、スタッフワークをいくつか打ち合わせ、稽古に雪崩れ込んだのだが、やはり先は遠い。なかなか展望は開けない。
 こうしてドック疲れに稽古疲れを上乗せし、ヘロヘロになって夜遅く我が家に帰り着くと、何もする気が起こらない。

 このまま入院してもいいですか?
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人のいない祭りは寂しい。 
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2012年09月17日

気持ちが萎える。 ――[914]生誕19,483日

 『少女仮面』の稽古再開。今週からは、この稽古だけに集中できる。ということは、まだ2周目ではあるけれど、今週中になんとか形にはしておかないといけない。
 そう腹をくくってオノレを鼓舞し、勇んで稽古場に入ったものの、そこでは若者たちが仕込みの真っ最中。中断するわけにもいかず、アクティングエリアだけでも作り上げるべく作業に時間を費やし、3時頃になってようやく立ち稽古へと突き進んだものの、いやあ、進まん進まん。
 若き俳優の卵たちは、セリフは出てこないし、出ても言うのに精一杯で相手のことなんかまるで聞いてないし、こんな状態ではオッサン演出家も得意の「ドS魂」を発揮する以前に、一気に気持ちが萎えてしまう。

 午後1時から8時まで、みっちり7時間も費やしたのに、終わってみれば、ほんの出だしをざっくりと通っただけ。肉体的疲労に精神的疲労が輪を掛けて、疲れだけがいつも以上に溜まる。生気を吸い取られるとはこういうことを言うのか?

 このところの天気の荒れ模様が凄まじい。ここは山頂か?と思うほどに、突然の土砂降り、一転して青空、とめまぐるしく天候が変わる。これはきっと温暖化のせいばかりではない。地球も一目散に「老化」へと突き進んでいる。
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青空なのに、地面は鏡のように水。天気雨。
本当に地球の天候はマズいことになっている。
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2012年09月16日

可動域が狭い。 ――[913]生誕19,482日

 本日、我が身が頭の後ろで組んだ腕を後ろに引いてもらいながらのマッサージ師のニーチャンとの会話。
 「ストレッチとかやってます?」「……やってるんですけどね」「お忙しいでしょうが、時間見つけてやってくださいね」「………(今、やってるって言ったのに)」「(なおも後ろに引きながら)全然、いきませんもんね」「痛いです」

 どうやら可動域が狭い。本人が思っている以上に我が身の老化は相当に進んでいる。

 夜は劇団の制作会議で、毎度毎度のことながら宣伝の難しさに頭を悩ます。しかも我が劇団には営業部員もいないので、いくら評判のよい芝居でもなかなかツアー公演に結びつかない。みんな目先のことばかりに気を取られて、中長期計画とは無縁の思考力。
 5年後、10年後、果たして芝居をやっているのか。
 いや、そもそも生きているのか。
 いくつになっても先のことを考えるのは難しい。難しいので、とりあえず一服……。

(こらこら)
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一昨日、載せ忘れた「のぞみ」の「喫煙ルーム」。狭っ。

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2012年09月15日

大阪の客は手強い。 ――[912]生誕19,481日

 『誰も見たことのない場所』大阪公演、念には念を入れ、朝10時20分から新キャストのパートをひと通り、テクニカルも含めて繰り返す。あっという間に12時になり、アフタートークの段取りを確認すると、すでに開場30分前。

 マチネ公演の本番前はやはり慌ただしく、ジェットコースターのように時間が流れていく。

 午後1時30分開演。やはり新キャストがどんな出来になるのか気が気でなかったが、ベテランの女優Yは四つもの役を難なく演じ分け、本番に強い貫禄を見せつける一方、若手Nはたった一役なのに無残なほどにガッチガチに緊張しまくっているのが手に取るようにわかり、見事にセリフをミスる。
 しかし、全体としてはテンポもアップし(昨日のゲネプロより約3分30秒短縮)、まずまずの出来だったと思いながら終演後に楽屋に戻ると、男優陣がわいわい言い合っている。我が顔を見るなり、男優の一人が「古城さん、どこで観てました?一番前の下手側にいた客、見ました?」と憤然と聞いてくる。「いや、見てないけど、どうした?」「おばちゃんが一番前の席でずーーーーーーっと編み物してたんです。ずーーーーーーっと。1回も顔、上げませんでしたよ。1回もですよ。一番前で」

 ……怖い。怖すぎる。……大阪のお客様は手強い。

 その後のアフタートークには編み物おばちゃんの姿はなく、おかげさまでつつがなく終了。すぐさまバラシと積み込みにかかって、午後6時過ぎには『誰も見たことのない場所』大阪公演、すべておしまい。
 劇場を出てからは駅前の居酒屋で俳優全員と軽く打ち上げ。大阪名物(だと知らなかった)串揚げをこれでもかというほど食いまくり、食い過ぎで吐きそうになりながら、午後8時23分の「ひかり」に乗り込む。
 東京駅着は午後11時6分、我が家にたどり着いたのは12時過ぎ。長い一日であったのう。お疲れさん。

 劇場に足を運んでくれた皆様、ありがとうございました。感謝!
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会場内では「自殺防止対策のパネル展」も開催。
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会場の隣のグラウンドではソフトボールに熱中するオヤジたち。自殺とは無縁の世界に見える。
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2012年09月14日

大阪・西九条入り。 ――[911]生誕19,480日

 東京駅9:30発の「のぞみ」に9:29に飛び乗る。相も変わらず「余裕」とは無縁の人生。
 指定席を取るためにチケットを演出助手に預けていたのだが、焦る心で東京駅に向かっていたら、その演助のTから「すみません。喫煙席が取れませんでした」とメールが入る。
 アホか。喫煙席なんてとっくの昔に絶滅したわ。そう思いながら東京駅構内を走って飛び乗ったのだが、なんと「のぞみ」、デッキ部分に「喫煙ルーム」なるものが出現していた。このところ移動はもっぱら飛行機だった我が身にとっては、衝撃の事実。完全禁煙以降、よほど愛煙家からクレームが来たのか?それとも完全禁煙の飛行機から少しでも客を奪うためにJRが戦略としてひねり出したのか?

 早速、デッキに向かってみると、そこは4人が横並びに立ったら身動き取れないほどで、とてもじゃないが「ルーム」と呼べる代物ではない。まるで、煙草を吸う生物のために仕方なく設けた「止まり木」のようなスペース。屈辱的ですらある。ま、喫煙者の扱いなんて今やそんなもんだろうけど。

 12時半すぎに上演会場の「クレオ大阪西」に到着。45分には楽屋入りして直ちに搬入開始。人手の少ない弱小劇団ゆえ初老の演出家も荷物運びに加わって、できるだけ軽い荷物だけをめざとく見つけてせっせと運ぶ。
 その後、道具仕込み、照明シュート・明かりづくりと着々と進み、5時半から場当たりでいくつか動線を確認。6時50分からゲネプロに臨む。

 何も問題なく最後まで通るが(演技を別にして)、上演時間が昨日・一昨日より1分40秒も延びている。マズい、マズい。これはよろしくない兆候。ここはバシッとダメ出し・小返ししなければと思うが、既に退館時刻は20分前に迫っていて、何一つ細かいダメ出しをすることなく会館を後にする。

 それからいったんホテルに戻り、スタッフ・客演陣と居酒屋に流れ、そこで明日に備えた殊勝な話など出るはずもなく、ひたすら馬鹿話に終始して閉店の12時まで居座る。

 新キャスティングで臨む『誰も見たことのない場所』、ま、なんとかしましょう。
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会場内に飾ってあった、段ボールだけで作られたガンダム。高さは3メートル近くある。
(この製作を授業に取り入れているというニュースをちょっと前にテレビで見ていたので、これかぁ、となぜか感慨深かった)
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2012年09月13日

鍵騒動。 ――[910]生誕19,479日

 『誰も見たことのない場所』、西東京市民会館での最終実寸稽古。先に三つほどの場面をしつこく攻めてから、3時に衣裳も着けて通し稽古をスタート。

 芝居は徐々に「締まり」は出てきたものの、新キャストのパートはまだまだ綱渡り状態……。俳優としての技術云々ももちろん無視はできないが、やはりこの芝居は何より思いの深さが勝負。伝えたい情熱がどれほどあるのか。どれほど切実なのか。それを言い慣れたリズムではなく、ドキドキするような新鮮な気持ちでどれだけ言えるかのか。そこにしか活路はない。

 ダメ出しの後、6時半頃からバラシにかかり、トラックに積み込む。ぐうたら演出家も人足となって、せっせと荷物を運ぶ。 8時頃には会館もきれいさっぱり片付け終わり、トランポの運転手を「お願いしまぁす」と送り出す。
 「では明日は大阪、遅れないように、解散」となって劇団のハイエースに乗り込んだところで、若手のNが突然わめき出す。「すいません、部屋の鍵をトラックに積んでしまいました」……。
 呆れながらも急いで運転手に電話を入れ、いったん路上停車で待っててもらい、ハイエースで追いついたはいいが、荷物を確認するも鍵はどこにも見当たらず……。
 すると今度は「事務所に置いてきた上着かもしれません」などとほざき始めるNを一度殺してやろうかと思いつつ、再びハイエースに乗り込んで事務所に向かう。その車中で、ほかの劇団メンバーが「どんな鍵?キーホルダーとか付けてないの?」と尋ねると、Nが「全部一緒にしてるんです、部屋の鍵にアパートの入り口の鍵、実家の鍵、それに自転車の鍵が二つ……」と言い終わらぬうちに、「はあぁっ?自転車の鍵も?」「何それ、自転車に乗るときもジャラジャラまとめて鍵をぶら下げてんの?「フツー別にしとくだろ、チャリの鍵は」などと同乗者たちから総ツッコミを受ける中、同じく若手のOがボソリと、「あ、事務所前にあったN君の自転車、鍵が付けっぱなしになってたよ」……。
 果たしてNの部屋の鍵はチャリにぶら下がっておりました、とさ。めでたし、めでたし。じゃねーよ、バカN。

 日頃から整理能力のまるでないNの台本は丸めた紙くずのようになっていて、それを見るにつけ怒りが込み上げていた演出家は、次は殺す、と本気で思う。
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『誰も見たことのない場所』の美術の木々。
右の真っ白いのは本物の木で(白く塗ってある)、左のリアルに見える木は作り物。
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2012年09月12日

事件がありました。 ――[909]生誕19,478日

 今日も朝から会議で西新宿へ。「地域と演劇」委員会。人数の多い委員会なのに、ふと気がつけば頻繁に口を開くのは約3名のみ。もちろん身の程知らずのオッサン演出家もそのうちの一人だったのだが、ほかのメンバーの口数の少ないことが幸いしたのか、会議そのものは1時間半ほどで終了。

 直ちにワンツーワークスの稽古開始に間に合うべく急いで西東京市民会館に向かう。汗をじっとりかきつつ、どうにか滑り込みセーフで会館にたどり着くと、我が顔を見るなり舞台監督のKさんが待ち構えていたように言う。「事件がありました」

 事件? ……なんでも今日、会館に入ったら舞台に飾ったままにしておいた『誰も見たことのない場所』の美術で、たくさん立てて並べてある木が1本、なんと根元から折れていたという。Kさん曰く、「よっぽど根元の所を踏みつけて力をかけないと、あんな折れ方はしないですよ」。

 しかし会館は休館日。推測するに、今日の午前中に清掃または管理の人が舞台を横切った際によろけて押し倒してしまったのか……?Kさんが会館の担当者に事情を話したところ、担当おじさんは「清掃の人たちに聞いてもらったが誰も心当たりがないと言っている、会館としては報告する責任はあるが義務はそこまでで、賠償はできない」などと言ったらしい。

 そこで改めて館長にもお出まし願い、我が身から改めていきさつを聞いてみるが、館長も「義務はそこまで」と強調。
 「ということは休館日を挟んで借りた場合、何かあったとしても会館は一切責任を負わないってことですね?」と底意地の悪い演出家が食い下がると、「そうですね。例えば財布を会館内でなくされても、それをこちらが弁償するということにはなりませんからね」「それとは事情が違うでしょう。昨日は休館日で、僕らは誰も会館にいなかった。その管理責任のことですよ」

 こんなこと言い続けても結果は何も変わらないんだよなぁと思いつつ、一方で責任回避に終始する物言いに腹立たしさを覚えながら、「それは市の見解ですか?それともこの会館の見解ですか?」などとさらに底意地の悪い物言いをして、「会館の見解です」という言葉だけはきっちり引き出しておく。

 それにしても、謝ったら責任を認めたことになると思っているからだろうが、こちらに同調する態度は少しも見られない。立場上、「すみませんね」の一言を口にできないのだとしても、「劇団としても困りますよね?」「公演に支障はないですか?」くらいの気遣い、大人だったらできないのか?


 結局、犯人わからずのまま、折れた木は骨折した足に添え木をするように補修し、稽古を続ける。

 舞台監督のKさんは休憩時間に、我が身の館長への対応ぶりを劇団メンバーに話して聞かせる。「いやぁ、まるで、インテリやくざでしたよ」。……おいおい。
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『誰も見たことのない場所』は、上演6年目に突入。
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2012年09月11日

日影から日影へと。 ――[908]生誕19,477日

 午前中から会議で初台へ。2カ月ぶりに企画サポート会議。来年、再来年と先のことを議題にしつつ、そこまで俺、生きてるんだろうかなどとぼんやり思う。

 会議を終えて午後、照りつける殺人的な日射しを浴びながら、てくてく歩いて西新宿へ。マジ、暑い。めちゃくちゃ暑い。おじいさん演出家は我が人生のように、ひたすら日影から日影へと汗を拭き拭き歩いて行く。

 今日は西東京市民会館が休館日のため、西新宿の稽古場で『誰も見たことのない場所』の追い込み稽古に精を出し、新キャストのパートをしつこく繰り返すものの、なかなか報われず。
 おーい、若手のN、H、O、T。「成長」という言葉を知らないのか?
4日後には本番だぞ。少しは汗をかいてくれ。死ぬ気になって血反吐を吐いてくれ。というか、吐け。

 アメリカ同時多発テロから11年。第一報を耳にしたときのことを昨日のことのように思い出す。あれから世界の枠組みは確かに変わり始めた。変わり始めて11年が過ぎた今も、よりよい兆しは少しも見えず、傷口を広げては慌ててそれを覆い隠そうとする。そんな世界情勢が何年も続いている。
 我が劇団では来年3月、アメリカ同時多発テロに激しく突き動かされて書いた『奇妙旅行』を11年ぶりに上演する。あの世界にどっぷり浸りつつ、我が身はいったい何を思うことになるのだろう。
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あちーな。あちーっすね。………。
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