2012年09月09日

ダブルヘッダー観劇。 ――[906]生誕19,475日

 明日からの『誰も見たことのない場所』実寸稽古に備え、倉庫からの荷出しの日。だが傲慢演出家はそんな地道な作業は劇団メンバーに任せて、ダブルヘッダー稽古から束の間解放されたというのに、ダブルヘッダーで芝居を観る。

 昼は東京芸術劇場でハンガリーの「劇団オルケーニ」の『ショックヘッド・ピーター』。この芝居、10年以上前にロンドンで観て未だに印象が強く残っているのだが、これはそのリメイク版。さてさてどんなふうに生まれ変わっているのだろうと期待に胸膨らませていたのだが、ずいぶんチープな仕上がり。奇術的な要素は大きく後退、舞台も簡単なつくりで、仕掛けの面白さはほとんどなし。

 ……そうだよな、これだけチープなつくりにしないと海外公演なんて難しいよなと妙なところで納得しつつも、あの衝撃を今一度と思っていた我が身には物足りないまま終演。

 夜は三鷹の星のホールで「マームとジプシー」の『ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。』を観る。恐らくこの集団の特徴なのだろうが、同じ会話が延々と繰り返される中で少しずつ本心がこぼれ出てくるという展開に、今の若者たちは自分の本心を語るのにこんなにも手続きが必要なのかとオジサンはなんともむずがゆい。俳優がリアルな動きでなくパフォーマンス的な繰り返し動作をしながらセリフを言うのも、それだけ俳優に無駄なことをさせまいとする演出の狙いがあるのだろうが、動きそのものが洗練とは程遠いので、これまた長時間見せられるのは辛い。

 しかし観客席は圧倒的に若い層で占められ、ほぼ満席。こうして老兵は時代に取り残されて行くのかもしれない。

 そういえば、昨日まで一緒に稽古していた新国立演劇研修所7期のO君と『ショックヘッド・ピーター』でばったり会い、おお、こんなところで、と驚いていたら、夜の「マームとジプシー」で今度は同じ7期のH君と鉢合わせる。彼らも確か稽古がOFFの一日のはずだが、それぞれちゃんと充電してるんだ、感心感心と、オジサン演出家はすっかり親心になっている。

 観劇の勢いに乗って、夜中になってからDVDで以前から観たかった映画『大鹿村騒動記』を観る。
 原田芳男、大楠道代、岸部一徳、佐藤浩市、三國連太郎、石橋蓮司と名優だらけの豪華競演なのに、力の抜けた大人のメルヘンのような上質な仕上がり。阪本順次監督は我が身が言うのもおこがましいが、さすがに達者。アップと引き、その使い方が絶妙。場面の繋ぎ方もそっけないようでいて、時間の飛ばし方や登場人物たちの感情のジャンプが程よくて心地いい。

 しっかり、やる気を取り戻せました。
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今日はあっちこっちで祭りの行列に遭遇。これは池袋。
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こちらは高円寺。ただのダラダラ行進にしか見えない。
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『ショックヘッド・ピーター』。悪意が薄まっていて残念。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記