2012年10月31日

台詞の断捨離。 ――[958]生誕19,527日

 さらば10月。
 2012年も残すところ、あと2カ月。
 そして『産まれた理由』初日までの猶予は1週間。
 ドキュメンタリーシアターは考えてみれば、本当に大いなる無駄の連続。使わないかもしれない何人ものインタビューに時間を費やし、使われたとしてもごくごく一部なのにそのすべてのインタビューを文字に起こし、そしてそこから使わないかもしれないのにインタビュー原稿を台詞化するのに頭を悩ませ、ようやく台詞として形を整えた場面を俳優に渡して台詞をブラッシュアップし、よっしゃ、この場面はこれでOKと何度も稽古を重ねていたのに、全体の時間が長すぎるとわかってやむなくできた場面をカットする。

 なんとも理不尽。なんとも無駄骨の連続。

 今日も台本にして10ページはあった客演Nさんの台詞を10ページから5ページに、5ページから3ページにと、バッサバッサと切りまくる。もちろんNさんだけでなく、あっちもこっちも切りまくる。もともと我が身は物がなかなか捨てられない質なのに、台詞の「断捨離」という新たな闘いに心を痛める日々。

 心が痛むので、もちろんストレスは溜まる一方。あー安らぎたい。あー、ふて寝したい。あー。あー。
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この頃のマイブーム。太るはずだわ。
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2012年10月30日

上演12時間? ――[957]生誕19,526日

 『産まれた理由』、初日まであと9日。ようやく全貌は見えつつあるが、たぶん、いや間違いなく長い。このままだと上演時間は3時間近い。いかーん。まずーい。
 いや別に、それが絶対に必要な長さなら3時間だろうが4時間だろうがいいのだが、アフタートークは既に告知してあるし、それで劇場にも延長料金を払わねばならないとなると、貧乏劇団としては芝居を短くするより打つ手はない。(泣)

 いっそ取材してきた約70名をすべて上演12時間くらいにしてして開演は午前10時。でもってお客さんは出入り自由にしたらどうだという笑い話も出るが、「あ、それいいかも」と本気で思う我が身が怖い。

 作家の藤本義一さんが死去。79歳。文化人コメンテーターの草分け的イメージが強いが、直木賞はもちろん、戯曲でも芸術祭で文部大臣賞を受賞してたんですね。多才な人でした。
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ハロウィンかぼちゃ。なんで「かぼちゃ」なのかご存じ?

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2012年10月29日

薬局に飛び込む。 ――[956]生誕19,525日

 突然、目が痛くてたまらなくなり、稽古場に向かう途中、思わず薬局に飛び込み、眼精疲労に効く目薬を買う。

 それにしても何なんだ、この目の奥の痛みは。稽古場でも痛みが治まらず頻繁に目薬を差す。もしや、血管が切れてるのではないか。よもや、クモ膜下出血の前兆ではないのか。あらぬ妄想ばかりが膨れあがる。

 今日はS高校での授業だったのだが、小屋入り前の稽古が残すところ1週間となって追い込まれている演出家は稽古場を優先し、授業は我が劇団のベテランOに代講してもらう。

 すまないね、女子高生軍団。君らの無意味なほどの有り余るパワーをオッサンにも分けてもらえば、演出家も稽古場で意味なくハイテンションでいられたのかもしれないが、青息吐息の演出家はいつもの毒舌も口をついて出ず、頭を抱えながら稽古を進める。(ああ、目が痛い)

 広島でプロデュース集団を主宰するNさんから「退職のご挨拶」のメールが届く。今月末で仕事を辞め、弟さんの在宅介護の準備に邁進するという。「芝居はなんとかやろうと思ってるけどね」と、この夏に会ったときはそう言っていたNさん。思いも掛けぬ人生の転機でしょうが、万事好転を祈ります。
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目薬。
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2012年10月28日

焦りと殺伐とした空気。 ――[955]生誕19,524日

 帰宅してパソコン前に陣取り、あ、今日は日曜だったんですね、とようやく気づく。こんな毎日がいつまで続くのか。たぶん死ぬまで続きます。人間、そうそう変われません。
 ドキュメンタリーシアターの新作、『産まれた理由』初日までカウントダウン状態に入り、稽古場には焦りと殺伐とした空気が立ちこめ始める。

 その空気にあらがいながら稽古を進めていくときに覚える、とんでもない孤独。誰も助けてはくれません。ひたすら独りでアイディアをひねり出し、独りでうんうん唸り、独りで毒を吐く。つくづく演出家というのは因果な立場ですなあああああああ。

 東日本大震災被災地の33市町村のうち、岩手・宮城・福島3県の18市町村で2011年度に交付された「復興事業予算」のうち使えた予算は5割以下だという。その一方で、復興補助は水増しや詐取で悪用が相次いでいる。あまりに情けない。情けないぞ、ニッポン。
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早くも世の中は「ハロウィン」ムード。……関係ないけど。
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2012年10月27日

シリアに思う。 ――[954]生誕19,523日

 刻一刻と時は過ぎゆく。刻一刻と初日は忍び寄る。同時に睡眠の取れない日も続き、目の痛みも日に日にひどくなる。 目は(特に奥のほうが)ズーンズーンと重いけれど、それでもパソコン画面とにらめっこの日々は続く。当然、椅子に
も座りっぱなしになるので、全身がすぐに固まる(特に肩周り)。

 この固まった体から解放される日は来てくれるのだろうか。

 シリア情勢の混迷が続いている。アサド政権軍と反政府軍の4日間の一時停戦が始まるはずが、一日目にして崩壊。140人以上の死者が出た模様。ますます出口が見えなくなっている。あの国でも毎日毎日「生まれた命」があるだろうに、その一方で殺し合いが収まる気配は毛ほどもない。
 この国で、人は何のために産まれてくるのだろう。赤ちゃんや子どものことを思うと、あまりに切ない。

 『産まれた理由』、初日まで、あと11日。
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近所に珈琲専門店がオープン。

買わなくていいジンジャービスケットまで衝動買い。

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2012年10月26日

寝室、大開放。 ――[953]生誕19,522日

 稽古に疲れ果てて疲労感満載で帰宅すると、寝室の窓が開けっ放しになっていた……。おまけにベランダへと続くサッシも大開放……。

 まぁ、何事もありはしなかったが、我が老いもついにここまで、と疲労感はさらに倍増。おまけに大開放に気づいたのも帰宅して3時間くらいたってから。唖然。……つくづく寝室のベッドに縁のない日々が続いているのだなあと現実を思い知ってさらに愕然とする。まったくもって寝室は、次第次第に用のない部屋になりつつあるのだが、いかん、今日こそはしっかり寝てやるぞ。と、毎夜固く心に誓うのだが、たぶん今夜も無理。

 『産まれた理由』は少しずつ形になってきている。なってはきているが、まだまだ先は遠い。ムーブメントももっと複雑かつ易度アップを目指しているものの、着手する時間と余裕がまるでなし。ああ、頭の中にあることが「はい、コレです」とひょいと形になって出てきてくれればいいのに。

 歌手の桑名正博さんが死去。まだ59歳。早すぎる。若すぎる。『セクシャルバイオレットNo・1』が格好良かったなぁ。レコードを確か持ってた。相当年上のイメージがあったのだが、6歳しか年は離れてなかったんだね。ホントに我が身も、もういつ死んでもおかしくない歳に突入したんだなぁと実感。
 今日で生誕19522日。

 果たして20000の大台に乗るまで生きているのか?
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連日、追い込み中。
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2012年10月25日

じわじわと体重増加。 ――[952]生誕19,521日

 じわじわと体重が増加している。このあいだも、このブログに書いて我が身の注意を喚起したはずなのに、そんなことはお構いなしに肉が増え続けている。気づいたら四方を敵に囲まれていたような絶望感、無力感。(ちょっとわかりにくいか)
 理由は明白。ずばり、食べ過ぎ。芝居のストレスが明らかに「食」へと向かっている。こんちくしょう、これでもか、ふざけんな、ともりもり何かを食っている。これじゃあ太る。当然の帰結。
 だからといってストレス解消は今のところほかになく、ここで「食」を我慢したらより一層ストレスが溜まるのではないかと、もりもり、もりもり、小もり、もりもり、と小分けにすれど、やっぱり食べてることに変わりなし。いったいどうすればいいのか?

 断食ツアーにでも参加すればいいのか?(そんな暇はない)

 芝居は初日に向けて、どんどん日数が減ってゆく。「早く、早く、さあ早く」とオノレを駆り立てて睡眠不足も何のそので頑張ってはいるが、頑張っても成果が出るとは限らない。それが芝居というものさ。……と言ってる間にも時は過ぎゆく。ああ無常。

 東京都の石原都知事が突然の辞意表明。国政に打って出る構えのようだが、行く末が心配。我が身には、この人は恐ろしくてたまらない。
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見た目はさほど変わらないのに価格はほぼ倍。違いのわかる男にはその差がわかるんでしょうなぁ。
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2012年10月24日

唖然となる。 ――[951]生誕19,520日

 徹夜で執筆作業に精を出し、さぁて10時半からは会議だ、2時間しか寝られないぞと思いつつ目覚ましを9時半にセットして朝7時半すぎにベッドに潜り込んだのに、はっ、と目が覚めてみれば10時半。10時半−?
 ……あわわ。時刻だけを合わせて、アラームのスイッチをONしてなかったらしい。唖然としていたら、スマホがけたたましく鳴り響く。ヤバい。どうする?バックレるか? 一瞬よぎった中坊のような浅はかさをブンブンと振り払い、観念して電話に出る。
 「今、どこですか?」
 「すいません、寝坊しました。今から向かいます」

 かくして西新宿での会議に40分遅れでたどり着く。どんなに歳を重ねてもあるんだね、こんな失態。寝坊して唖然となる中年オヤジ。こうしてどんどん我が身が信じられなくなる。

 昼過ぎに会議を終えて、そのまま稽古に雪崩れ込む。

 『産まれた理由』はどんどん深まっていく場面もあれば、まったく手つかずで、「どーすんだコレ?」という場面もあり、その落差が激しい。いったいいつになったら、フルコースの料理はできあがることになるのやら。
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今日は快晴! やっぱり晴れが好き!
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2012年10月23日

宿題がいっぱい。 ――[950]生誕19,519日

 『産まれた理由』、実寸稽古がスタート。
 さぁ、稽古場に仮セットも組んで、出ハケの動線をはじめ、やるべきことは山とあるぞー。ドキュメンタリーシアターは物語がないので、エピソードから次のエピソードへどう繋ぐのか動線は恐ろしく大事だぞー。
 と勇んで稽古に臨んだものの、やはり芝居はそんなに甘くない。まだまだ詰め切れてないところが多すぎて、流れをつくるなんて100年早い。進捗状況の遅さを痛感。おまけに今回はちょっと手強い美術をどう使いこなすのか(動きづらいったらありゃしない)。演出家には宿題がいっぱい。

 なのにドキュメンタリーシアターなので台詞のブラッシュアップは際限もなく続き、演出家としてだけでなく、劇作家としての仕事もいっぱい。まったく終わりが見えず、打ちひしがれて実寸初日を終える。とほほのほ。

 今日、ぶったまげたニュースを一つ。

 イタリアで「大地震の可能性を予測しながら、行政側に正確に伝えなかった」として、学者や政府の担当者7人全員に禁錮6年の実刑判決が出た。この7人は地震直前の「高リスク検討会」のメンバーで、そこで「安全宣言」を出したことが死者300人超という被害拡大に繋がったと判断されたらしい。とはいえ、地震ってそんなに正確に予測できるのか?これじゃ委員のなり手なんか二度と現れないと思うのだが。
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近所のバイク屋さんにでーんと置いてあるパネル。
かっこいいっす。憧れるわ〜。
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2012年10月22日

悲しい宣告。 ――[949]生誕19,518日

 怒濤のように続く稽古の日々から束の間離れて、久々に稽古はOFF。これ幸いとばかりに、オッサンはマッサージに駆け込む。いざグリグリ押され始めたら、痛いのなんの。自分で思っていたよりも、かなり我が体は固まっていたようで、ひたすら拷問のような時間を耐え忍ぶ。「すごいことになってますねぇ」と半笑いで明るく話すニーチャンに殺意さえ覚える。
 たっぷり1時間、終わってみても体はほとんど楽にならず。たぶんもう一生、おまえには体が軽いなんて感覚は訪れないんだぞと、我が身に悲しい宣告をしつつ、我が家に戻って再びパソコンに向かう。(これでまた凝りはひどくなる)

 このところ、摩訶不思議だなぁ、と思うこと。
 その1。週刊朝日の橋下大阪市長の連載記事、打ち切り。記事の内容も「単なるイチャモンでしょ、それ」と感心できるものではなかったけれど、連載で始めたのならそれなりに裏も取っていただろうに、橋本市長に返り討ちにあったら、あっさり謝罪、あっさり打ち切り。なぜ?週刊朝日は真っ向勝負する気もなく、ただのこき下ろし記事を書きたかったのか? それほど周到な準備もなしに喧嘩を売ったのか? そこにはジャーナリズム精神の欠片もない。あまりに不甲斐ない。情けない。

 その2。どこまで広がるのか、尼崎連続変死事件。あまり詳しく調べていないのだが、中心人物とおぼしきオバサンになぜ誰も逆らえなかったのだろう?連合赤軍やオウム真理教の場合は思想で縛られる側面があるから暴走に歯止めが効かなくなるのはわからんでもないが、この事件の場合、第三者にいくらでも介入してもらえそうな気がするのだが。いったい何がどうなれば、自分の父親を命じられるままに殴り殺せるのだろう。それほどまでに家族は強固な閉鎖社会ということなのか。

 その3。田中法相が辞任に追い込まれそうな件。就任直後に外国人企業からの献金が発覚したわけだが、なぜこうも就任後に次から次へと献金疑惑が出てくるのか。そもそも就任の打診があった時点で田中さん自ら、「私んとこ、外国人企業からの献金がありますけど大丈夫っすかね?」と確認しないのか?任命する側もいい加減に学習してきちんと身辺調査しろよと思う。それとも実はもっと壮大な思惑が裏にはあるのか?(わざと田中法相を任命して世間=野党の目をそちらに向けさせ、解散までの時間稼ぎをするとか。)

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連日の、闘いの跡。
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2012年10月21日

足がつる。 ――[948]生誕19,517日

 歳を取ると、足が「つりやすくなる」のは本当ですか?
 このところ、頻繁に、つる。不意に、つる。
 しかも不思議なことに、我が身がよく「うおっ!」と突然の激痛に襲われるのは、すべて左足。つる部位は、左足の薬指・小指だったり(なぜこんなとこが?)、左足の足の裏だったり(なぜこんんとこが?)、左足のふくらはぎだったりする。右足は皆無。左足だけが何かに反抗しているのだろうか?
解せん。

 今夜も稽古を終えて疲労困憊で自宅に戻り、ソファに体を預けてテレビでニュース番組を見ていたら、突然、左足の指が2、3本、つった。「うぉっ!」と思わず足を引いたら、ゴンっとローテーブルの脚に足をぶつけ、「ふげっ!」と悲鳴の2連発。それでも、つった指先を必死で手前に引っぱってみるが効果なし。「うううううう……」としばらくストップモーションでいるしかない。
 つるのは歳のせいです。そう言われると諦めるしかないのだが、いえいえ運動不足が原因です。いやそれよりも、芝居の稽古にのめり込みすぎているのがよくないですね。などと診断が下れば、大手を振って稽古を休めるのだが。
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知らなかった……。法人は3億円って、マジっすか?
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2012年10月20日

ブロイラー生活。 ――[947]生誕19,516日

 やばい。いつのまにか少しずつ少しずつ、体重が増加傾向にある。まったく油断も隙もない。減量作戦に勝利したはずなのに、気がつけば再びメタボへとひた走っている。
 まったくもって許せないのは今の境遇だ。ひたすらパソコンの前に陣取るか、稽古場で演出席に陣取るか。どっちにしても座りっぱなし。それでいて、ハイ昼飯、ハイ晩飯、と「食うときには食う」根性は少しもひるまないので、体に入れたものを消費する暇はまったくなし。
 何よりもまず、このブロイラー生活を打破しなければ。

 『産まれた理由』、ラストのエピソードを若い夫婦の立ち会い出産の場面に決める。
 なかなか素敵なシーンになるんでないかい? などと思いつつ今日、稽古場で若手にやってもらったら、緊張もあったのだろうが、少しも面白くない。あまりにつまらないので、ベテランのO&Sに超高齢夫婦で演じてもらったら、これが感動的だった。
 まさに老いの身でありながら、懸命になって新しい命を産む。老いてなお命を繋ぐ執念。たとえ我が命がどうなろうとも……って、これじゃ場面の持つ意味が変わってしまう。却下、却下。
 でもマジで若手はもっ見習いなさい、ベテランの「捨て身」を。
 (ドS演出家もO&Sの演技を見て、不覚にも「歳を取るって素敵なことじゃないか」、と一瞬思わされてしまった)
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どこを? 何を? 体重増加を封鎖してください。


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2012年10月19日

修羅場になっている。 ――[946]生誕19,515日

 修羅場になりつつある。いや、真っただ中にある。これで修羅場ではないと思うようなら、何かが欠落している。
 初日までを指折り数えてみた。劇場入りまで残すところ、あと16日。真っ青。間に合うのか、『産まれた理由』。いや、間に合うだけじゃ意味ないし。素敵な舞台にしなければ。

 ドキュメンタリーシアターはインタビュー取材を基にセリフ化を進めるので、おのずと「独り語り」の場面が増える(インタビューには独りで応じる人が多いからね)。なので演じる俳優は完全に独りでその場面を背負って立たねばならない。従って俳優の実力も如実に出る。ある意味、過酷。非情。
 なので、セリフ化した場面を俳優にやってもらって、「あ、この俳優の実力じゃ、この場面、無理だわ」と思ったら、非情の演出家は途端に劇作家となってセリフの手直しに走る。既存の戯曲だったらセリフはいじれないので、なんとか俳優を引っ張り上げようとあの手この手で演出家として頑張るのだけど、これだけ時間が押し詰まってくると、そんな手間暇かけて悠長なことをやってる場合ではない。
 というわけで若手の皆さん、あとは自助努力で。(決して演出家の職務放棄ではありませぬ)
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レスキュー訓練中。
やはり日々の鍛錬が大切です。
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2012年10月18日

時間がない。 ――[945]生誕19,514日

 一昨日に引き続き、まったくもってヨソの芝居を観ている場合ではないというのに、新国立劇場で『リチャードV世』を観る。

 2009年の『ヘンリー六世』3部作の続編で、キャストも09年のメンバーが担っている。『ヘンリー六世』が浮沈の激しい大河ドラマだったのに対し、こちらは幕間狂言のような場面や亡き者となった人物が何人も出てきたりと、「物語のうねり」より悪者・リチャードを巡る勧善懲悪ドラマといった趣だが、最後の懲悪場面が「あれれ?」と思うほどにあっけなく、大河ドラマの続編としてはかなり物足りない(それでも一幕2時間、二幕1時間20分と長さだけは負けていない)。新劇俳優オンパレードの中、タイトルロールを演じた岡本健一さんはいっそう軽やかに見えた。

 夕方から『産まれた理由』の稽古。

 始まりが遅く、終わりが10時と早いので、2場面ほどを何度か返すだけで退出時間が迫る。もっともインタビューの起こし原稿からセリフにしていく執筆時間は稽古以上に時間を取られるので、四六時中、時間がない、時間がないで過ぎてゆく。
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赤い砂を敷き詰めた美術が美しかった。『リチャードV世』
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2012年10月17日

責任重大。 ――[944]生誕19,513日

 言葉、言葉、言葉の整理で一日追われる。
 今回の芝居『産まれた理由』のために取材した人数を数えてみたら、全部で59組79人。
 ひえー。もっと厳選すればよかったと思うが、時すでに遅し。片っ端からどんどんセリフ化は進めているものの、全部を上演したら10時間を超える勢い。
 「午前中の11時に開演してお客さんも出入り自由という画期的な公演にするか」という現実逃避の考えも浮かぶが、どれもこれも話が面白くて、言葉を厳選するのはホントに責任重大。

 取材に応じてくださった皆様の思いを届けるべく、新たなるドキュメンタリーシアターの初日へと今は突き進むしかない。

 夜は劇団の制作会議。来年・再来年の企画を詰めなければならないというのに、目の前の公演のことだけで誰もがいっぱいいっぱい。中長期展望を持つことの難しさを思い知る。(そうやって1年はあっという間に過ぎ去っていく)
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テープ起こしの山。(これでほんの一部)

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2012年10月16日

不毛なトンネル。 ――[943]生誕19,512日

 朝から新宿。待ち合わせの場所が、「すぐわかりますよ」と言われていたのにさっぱりわからず、途端に不機嫌になった演出家は演助のTに電話し、「どこだよ、迎えに来いよ」と言い放つ理不尽さ。今日も快調な一日の始まりです。

 で、12月の旅公演についての打ち合わせ。今回、初めて一緒に仕事をする舞台監督のIさんへ、初演の舞台監督Oからの引き継ぎ。『死に顔ピース』は最近のワンツーワークスの芝居では美術に珍しく仕掛けがあり(昔はそんなのばっかし、やってたな)、それをそのまま地方の劇場に持っていくのは難しそう。
 なので、あーでもないこーでもないと意見し合うのだけれど、どうやら泣く泣くいくつかの演出を断念せざるを得ないかも。

 まぁ、最初から旅公演を当て込んで製作する大手劇団とはまったくもって事情がちがうので致し方ないとはいえ、何かほかに智恵はないものかと、こだわりの部分だけは持ち帰って宿題とする。(ただでさえ目先の公演の執筆と稽古に追われているというのに)

 そういう状況だから、人の芝居なんぞ観ている場合ではない。と我が身に言い聞かせながら、テアトルBONBONで「TFACTORY」の『文体の獣』を観る。
 パゾリーニの生涯を舞台化したものだったが、もっと毒気が欲しかったと思うのは映画『ソドムの市』の衝撃が今なお深く心に刻み込まれているからなのか?お客さんの入りも寂しかったが(商業ベースに乗るような芝居でもないが)、でもこの手の芝居をやる意義は大きい。

 今の若い人なんて知ってるのか、パゾリーニ。一度はみんな度肝抜かれたほうがいいと思うけどなぁ。

 観劇を終えると、夜はその目先の公演『産まれた理由』の稽古。覚悟を決めてバシバシ場面をつくり始めるものの、やはり全体像が見えていないと、どうも足もとからどっしり構えていられず、判断に迷う場面が多々。……この不毛なトンネルからいつになったら抜け出せるのか?
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近所の通りは、緑のトンネルのよう。
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2012年10月15日

だるそーで、重そーで。 ――[942]生誕19,511日

 午前中から久々の小旅行気分でバス、電車を乗り継いで小手指へ。S高校での授業は考えてみれば後期初めて。
 久々に会う女子高生軍団は疲れていた。若さ特有の「私たち、エネルギー有り余ってるんです!!」というおバカ状態は少しも感じ取れず、みんなだるそーで、重そーで、まるで老人ホームのバアチャン集団のようになっている。

 そこで演出家が張り切って、「さぁみんな、キラキラして芝居やるよ!!」と目を輝かせて青春すればいいのかもしれないが、演出家は女子高生軍団以上にだるそーで、重そーなので、死臭の漂うような授業がちんたらちんたら進む。

 なんとか授業を終えて死霊軍団から脱出するものの、もはや生気のなくなった演出家は、うんしょうんしょと我が体を引きずるように都心に舞い戻り、『産まれた理由』の稽古に臨む。
 さすがプロは違うね。みんな張り切って、いい舞台つくりあげるぞーと燃えてるね。……という状況なら演出家も息を吹き返せるのだが、プロとはいえ加齢が進むこちらの集団もだるそーで、重そーで、おまけに目もうつろなので、とりつく島がない。

 果たして公演初日まで、命があるのか?

 パキスタンで女性の教育抑圧や残虐行為を自身のブログで訴え続け、今月9日の下校途中、武装勢力タリバンに銃撃されて意識不明となっているマララ・ユスフザイさんが、より高度な治療を受けるためイギリスに移送された。この弱冠15歳の少女の勇気の火を消してはならない。どうか、快復してほしい。
 そうとも、だるそー、重そーなどと言っているバカこそ、この世を去りなさい。世界には命を賭けた闘いに明け暮れている人たちがごまんといるのだから。

 と我が身を鼓舞しつつ、執筆作業に没頭することにする。
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すっかり秋めいてきました。
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2012年10月14日

ひょえ〜。 ――[941]生誕19,510日

 『産まれた理由』は全貌が掴めないまま、いつまでもホットシーティングに時間をかけたところでらちがあかないので、各エピソードの稽古に本格的に乗り出し始めている。
 テープ起こし。→演じる場面の抜粋。→セリフ化。→立ち稽古として俳優が実演。→手直し。→実演。→取りあえずの場面完成。(さらにここから演劇としての稽古を積み上げる)
 以上の手順を踏んで場面をつくっていくのだが、今回のドキュメンタリーシアターでは恐らく、こうした場面を20〜30ほどはつくらないといけない。
 しかし全貌は未だにつかめていないので、せっせと時間を掛けてつくってはみたものの、全体の流れが見えてきたら、この場面カット、この場面も要らないね、とたぶん、どんどん削っていくことになる。最初から全貌が見えていれば、こんな無駄打ちしなくてもいいのだが、今はこの途方もない(もしかしたら大いなる徒労に終わる)作業を延々繰り返すしかない。
 ひょえ〜。しんどいわ。
 劇作家としても使わないことになるかもしれないセリフをうんうん唸りながら書き続け、演出家としても上演しないかもしれない場面の稽古に全力を傾けて取り組む。
 ひょえ〜。しんどいわ。(2回言ってみたくなりました)

 まったくもって、ドキュメンタリーシアターは効率が悪い。いやいや、芝居で効率なんて考え始めたら終わりでしょ。内なるオノレがそう囁くものの、やはり滅茶苦茶疲れます。

 今日もそんな一日。なので疲れ果てて稽古場から戻り、疲れを引きずったまま、これから無駄になるかも知れぬ執筆作業に取りかかります。ひょえ〜。
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ほとんど読めません。
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2012年10月13日

ただぼーっとしている。 ――[940]生誕19,509日

 「東京メトロでは警戒を強化しております」

 地下鉄でやたらとアナウンスが流れるなぁと思っていたら、世界銀行年次総会の東京開催がその理由であった。何がどう強化されているのかは、地下鉄構内を見回してみてもさっぱりわからなかったけれど。

 地下鉄と言えば、この頃は電車に乗っても活字を読まなくなった。以前は十中八九、本を読んでいた。
 電車に乗る=読書の時間。
 それが決まりになっていた。なのでバッグには必ず読みさしの小説を忍ばせていたのだが(それが週刊誌やコミックになる場合もあったが)、今ではすっかり活字離れが進んでいる。
 で、何をしているかというと……スマホなんだね、これが。乗り合わせた車内では右も左も真向かいも、みんな小さな画面とにらめっこ。20年前なら考えられなかった、ある意味ゾッとするような光景の一員にオッサンもすっかり収まっている。
 しかし、そのスマホにもすぐ飽きてしまうので、実のところ何をしているかというと……何もしてない。これが正解。ただ座って(あるいは立って)ぼーっとしている。
 若かりし頃、電車の中で何もせず、ただぼーっとしているオッサン、オバチャン、ジーチャン、バーチャンを見るにつけ、よく何もせずボーッとしてられるな、時間がもったいなくないのかよ、などと思っていたのだが、今ならわかる。

 スマホをいじるのも、本を読むのも、相当にエネルギーが要るんです。老いの身にはそんな余力はありません。息を吸う。息を吐く。それだけのエネルギーを保つのがやっとで、活字なんぞ追い始めたら直ちに目は痛くなり、頭は疲れ果て、目的地(稽古場とか会議室とか)にたどり着く頃には、充電ゼロになってしまい使いものにならない。ただただ、生物的に生きているのが精いっぱい……。

 作家の丸谷才一さんが亡くなった。87歳。文章の上手い人だなぁ、と生意気にも10代の頃に思っていた。長編を飽きさせないテクニックがあるんだなぁ、と20代のときに教えられた。もっともっと書いてほしかった。

 すっかり縁遠くなってしまった小説と再び向き合ってみるか。密かにそう我が身に言い聞かせました。
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丸谷氏の『たった一人の反乱』。我が身が17歳の頃に興奮して頁を繰り続けた日が、まるで昨日のことのよう。
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2012年10月12日

苛立ちと忍耐。 ――[939]生誕19,508日

 午後1時30分から西新宿で座談会。先月28日の取材に続いて、これまた『join』の企画で我が身は本日の司会。
 出席者は演劇科を持つ大学の教授の皆様4人。といっても、そのうち3人はプロの演劇人なので、Sさん(九州大谷短期大学)やMさん(近畿大学)とは久々の再会。みんな芝居やりながらも、しっかり教授に収まっているのだなあと改めて感心。
 知りたいことは唸るほどあって、それにいちいち司会のアホがツッコむものだから、時間だけがどんどん過ぎてゆき、終わってみれば2時間超え。ひえー、こんなに語り合ってしまって、いったい誰がまとめるんじゃー?(それは私です)

 夕方からの座談会にして、そのまま飲みに出たかったところだったが、そんなことは許されるはずもなく(そもそも司会者以外、望んでいない)、すごすごと引き揚げて、その後は『産まれた理由』の稽古場へと向かう。

 その稽古、だんだん焦りの色が濃くなっているが、我が身一人が頑張ればどうにかなるものでもなく、苛立ちと忍耐がない交ぜになった心持ちで稽古を進める。

 このところ執筆作業が佳境に入り、ウォーミングアップはパスしてパソコン前にへばりつく時間が日に日に長くなってきているので、頭が重い。体がなまる。ケツが痛い。あー、意味なくダッシュしてぇーと思ったりするのは現実逃避でしょうか?(はい、間違いありません)
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あの頃に帰りたい。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記