2013年02月03日

チャンスは必ず。 ――[1053]生誕19,622日

 今回の我が稽古場での天敵・昆虫人間Nが『奇妙旅行』を降板することに相成った。
 まぁ、それも仕方ない。芝居は生もの。本番中はもちろんだが、稽古の間にだっていろんなことがあるさ。ここまで培ってきたチームワークを改めて組み直すのは確かに痛いが、ここは褌を締め直して心機一転。燃えてみせましょう。

 稽古後、その昆虫人間Nと食事に行く。Nも人間の年齢に換算すれば、今年30歳。いろんなことがその身にのし掛かってきて大変な年頃。ようやく一人前になりかけたところだというのに、持病のヘルニアは良くなったり悪くなったり。苦しい毎日の支えになっていた芝居が遠のけば、そりゃ、がっくりと肩も落ちる。
 昆虫人間はかなり気落ちはしていたが、なぁに、凹むことはない。気持ちさえ失わなければ、昆虫界はいざ知らず、この人間界ではチャンスは必ず巡ってくるのだから。

 俳優座劇場『音楽劇 わが町』を観る。日常生活の讃歌ともいうべきこの名作を音楽仕立てにすると、「ちゃちい」ように感じるのは我が身だけだろうか。なんだか妙に美化されすぎて、些細な日常が胸に迫ってこない。この作品こそ、セリフのままでリアルを追求してこそ細部が輝きを放つのでは。主演の宮本裕子さんの歌は相変わらず耳に心地いいのだけれど。

 市川團十郎さんが亡くなった。肺炎。66歳。体調が芳しくないことは報道で知ってはいたが、まさか亡くなるとは。66歳はまだまだ早い。勘三郎さんに続き、歌舞伎界はまたしても大きな柱を失う。この4月には新歌舞伎座がオープンするというのに。
 何年前だろう、滅多にないチャンスと思って歌舞伎座に観にいった團十郎さんの『外郎売り』が未だに忘れられない。(一緒に行った我が劇団のベテランOは「俺のほうがうまい」などとほざいていたが)
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水のない川は不気味ですらある。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記