2013年03月31日

なんという愛情。――[1109]生誕19,678日

 本日も基礎稽古をみっちり。

 午前中は書き物仕事に四苦八苦。気がつけば、あれあれ、もう午後になってるぞと、バタバタと西新宿の稽古場に向かう。今日も体が悲鳴を上げるのね、未だに昨日の筋肉痛はまったくほぐれないまま階段の昇り降りに苦労しながら。

 まずは昨日のおさらいでジャズダンスの後半を通り、やれやれ、なんとか行き倒れることもなく終わったぞと歓喜の声をあげるのも束の間、今度はさらに動きの激しいエアロビクスダンスに突入。
 もちろん、もはやオッサン演出家に体力なんぞ髪の毛ほども残ってはおらず、自ら進んで「叱咤激励係り」を志願。オノレの体はちょぼちょぼしか動かさず(動けず)、ひたすら解説をまくしたてるべく口だけを動かす(口はやたらと動く)。

 こちらもなんとか最後まで通り、通った途端に「ハイ、じゃ若手だけでやってみよう」と連続3回も踊らせる。なんという愛情。ここまで若手にチャンスを与えるなんて。

 その後ようやく肉体を酷使する稽古から解放されて、発声、セリフ術へと移行。こうなると演出家は本性を剥き出しにして、若手にビシバシとダメを出す。我がドSぶりを再確認しながら。

 午後10時に終了。今日も全身にヘドロのような疲れをまとって帰宅すると、体が重く、何もする気が起こらない。いやいや、溜まっている仕事を片付けなければと殊勝にもパソコンに向かうが、頭はさっぱり働かず。
2013-03-31.JPG

いつにまにやら流行語。日本人は飛びつくの、早いね。(冷めるのも早いけど)
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月30日

ドMのように。――[1108]生誕19,677日

 老体、久々の基礎稽古にガンバル。

 終わってみれば、午後1時から9時半まで、ドMのように若手劇団員に奉仕する。しかも終わってみれば、本日やったのはフロアストレッチとジャンズダンスのみ。ひたすらドMのように体を酷使させられる。オッサン演出家はもちろん座長特権で都合よく、「ハイ、んじゃ若手だけで」「じゃもう一遍、君らだけで」と卑怯な作戦に何度となく出る。

 しかし、衰えましたわ、我が体。リズムに合わせてぴょんぴょん動いていると、すぐに息も絶え絶え。昔は体そのものが、も少し軽かったよなぁ、と現実のむごさをしみじみ噛みしめる。
 しかしもちろん、そんなことはおくびにも出さず、若手のT(21歳)やら、昆虫人間のN(29歳)やら、やたらと下半身の重いH(33歳、若手じゃねーし)やらに、「違う違う、自分の体、よく見なよ」と、ひたすら罵声を浴びせる。攻撃は最大の防御。年老いていくと、地位を利用して小ずるいことだけがうまくなっていく。

 ところが途中の休憩時間に、昨日観てきた芝居の話をしたら、ベテランOが突然観に行くと言い出し、結果、ベテランOとその出来の悪い息子たち(男優ども)は、演出家の罵詈雑言から逃れることに成功。
 哀れ、同行したにもかかわらずキャンセル待ちで結局入れなかった若手女優2名だけがすごすごと帰ってきて、その後、ほぼマンツーマンでしごきを受けることに。(いやいや、しごきではなく稽古です、あくまで稽古)
 しかし終わってみれば、オッサン演出家も疲労困憊。あちこち悲鳴をあげる我が体を、これ間違いなく年寄りの冷や水だよね、といたわりながら、あへあへあへと帰路に就く。
2013-03-30.JPG 

ちょっと休憩。ながーく、休憩。

posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月29日

若さの特権か。――[1107]生誕19,676日

 午後、スタジオサンモールで劇団チョコレートケーキの『熱狂』を観る。この劇団の演出家とは昨年末の某忘年会で話す機会があり、一度観ておかなければという思いに駆られて急遽出かけたのだが、劇場に着いてみれば、新聞記者のSさん、劇作家・演出家のNさん、同じくSさん、加えて『奇妙旅行』に出てもらったばかりの女優Oちゃんと、知り合いがあっちにもこっちにもいて、劇団の注目度の高さが窺える。
 『熱狂』、文字通り、熱い熱い男たちの物語。終始テンション上げ上げMAXで、オッサンは途中やや疲れはしたが、喋り倒して2時間、最後まで疾走するエネルギーは若さの特権か。

 DVDで映画『桐島、部活やめるってよ』を観る。
 3年ほど前になるのか、すばる文学新人賞を受賞後に出版された原作の小説はすぐに買って読み始めたのだが、なんとも甘ったるくて途中で挫折。でも映画の好評価をあちこちで聞いていたので触手を伸ばしてみたのだが、結果、二重丸。これ、久々にスマッシュヒットでしょう。いや、面白かった。
 ただ、異なる視点で同じ場面を繰り返し見せる構成が評判となっていたが、ああ、これは2006年のオーストラリア映画『明日、君がいない』(傑作!)の二番煎じだと思ったものの、『桐島、部活やめるってよ』では、この手法を取ることで高校生のクラスの中でのヒエラルキーが次第次第に浮き彫りになっていく。そこが面白い。青春群像劇としてのクオリティを一気に押し上げている。
 俳優では神木隆之介の巧さが全編に安定感を与えているが、橋下愛の凛とした佇まいが眩しいほどに美しい。2012年日本アカデミー賞作品賞受賞。
 でもって、挫折していた小説も引っ張り出して読んだ。映画化に当たって登場人物のキャラクターおよび相関関係図がずいぶん変更されているが、やはり原作以上に映画のほうが出来がいいと思った。あの小説から、核心をシナリオに抽出して今どきの高校生の価値観を見事に映像化できたのは、ひとえに監督の才能なのか。
2013-03-29.JPG
この作家、直木賞も獲りましたね。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月28日

合掌したくなる。――[1106]生誕19,675日

 朝早くから劇団の若手Nからメールが入り、何事かと思ってもそもそと起き出して見ると、「劇団のハイエースに傷、凹みをつくってしまいました」。……なぬぅ?
 よくよく読むと、「今朝方、ハイエースの運転の練習をしていたのですが、ガソリンスタンドから出るときにガードレールにこすり……」云々、とある。練習ぅ?朝っぱらからぁ? んでもって車をガードレールにぶつけただとぉ?

 早朝から、予想外のメールに意気消沈。

 何をやっても要領が悪く、何をやっても裏目に出る。

 半世紀以上も生きていると、そういう人間にもたびたび出会うが、恐らく我が劇団のNはその中でも間違いなくトップクラス。根は真面目この上ないのだが、いかんせん、自分というものを知らない。誰かに教えを請うのも下手。まったく、どういう生活を送れば、あれほどとんちんかんな生き方ができるのか。腹立ちを通り過ぎて、思わず合掌したくなる。

 夕方近くから事務所に詰めて、カンヅメ状態に我が身を置いて書き物仕事に精を出す。今日はひたすらゲラを見まくるが、そこはそれ、とっくの昔に老眼の洗礼を受けている身なれば、ゲラを見るのにいちいち眼鏡を外し、まったく何のための遠近両用なんだとボヤキながら、裸眼で小さな文字を見続けると、たちどころに目が重くなり、それが痛みに変わる。もはや原稿を見るという行為だけでも、我が健康は損なわれていく。

 我が体は劇団のハイエース以上に、恐らくあちこちがポンコツになっているのだなあと、Nにふつふつと怒りの矛先を向けながら、しみじみ思う春の夜。
2013-03-28.JPG

桜。見飽きません。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月27日

感謝、感謝。――[1105]生誕19,674日

 鬼のように溜まってそのままにしていた郵便物をだらだらと整理していたら、ともに演劇界の大先輩、プロデューサーのMさん、翻訳家のSさんから直筆のありがたい便りが届いていることに今ごろ気がつく。ああ、なんというだらしなさ。一刻も早く返事を書かなければ。MさんもSさんも先だっての公演『奇妙旅行』のことに触れていてくれて、ありがたいこと、この上なし。大いに励まされる。感謝。
 午後、事務所で我が劇団の制作F女史と打ち合わせ。お互いにやらねばならぬことをたくさん抱えているので、互いに自分のことしか言わない。たぶん、これは打ち合わせではない、愚痴にすぎない、と思いつつ打ち合わせは進む。

 DVDで観たかった映画『かぞくのくに』を観る。静かに、そして言葉数の少ない世界が展開されるが、我を忘れて見入った。何度も心臓がどきどきと高鳴って震えた。涙も流した。今までいかに、うわべだけのことしか知らなかったことかと、当事者たちの深く深く心底に刻みつけられた痛みの大きさに圧倒された。北朝鮮。我が日本の隣国。想像を絶する断絶の壁が立ちはだかっているが、目を逸らしてはならぬ。現実を見据えなければならぬ。「思考停止」するしか生きる道のない人々がいる。じゃあ、おまえは考えろ。考えて、世界を相手にしろ。無駄に生きるな。だらだらと無為に過ごすな。損な勇気が湧く。
 2012年のキネマ旬報第1位。こうした作品がちゃんと評価される。劇場でもそこそこヒット。我が国の観客もまだまだ捨てたもんじゃないと、その点でも勇気をもらう。主演女優賞の安藤サクラももちろんよかったが、是枝裕和監督作品から光っていた井浦新(ARATAから改名したらしい)も抜群にいい。脚本も務めたヤン・ヨンヒ監督に脱帽。

 いい映画を観ると、ほんとにエネルギーが高まる。感謝。
2013-03-27.JPG

思わず、商店街で足を止めてしまった自分が哀しい。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月26日

歯切れがよくない。――[1104]生誕19,673日

 サッカーワールドカップのアジア最終予選、日本代表はアウェーのアンマンでヨルダンにまさかの1−2で敗れる。ブラジル行き決定は月までお預けとなった。

 遠藤選手のPK失敗が痛かった。やはり本田や長友がいないとダメと言われないためにも今日のメンバーでぜひとも決めてほしかったのだが、何度もあった決定的チャンスで精度が低い。またダメ、またダメでジリジリしている間にヨルダンにするするっと決められる。勝負の行方はわからないもんだね。

 ちょっとどうでもいいことではあるが、サッカー選手のインタビューの時の話しぶりが妙に苛々する。というのも、マニュアルがあるかのように、「……ですし、……思いますし、……」と誰もが「……し、」で言葉を繋ぎ、いつまでたっても一文が終わらない。思い起こせば、これはどうもKINGカズがこういう喋り方をした最初だったような気がするが、子どもたちのあこがれのスターなんだから、も少し歯切れのいい受け答えをしてほしい。

 今日は一日、整理・整理で日が暮れる。公演が終わると我が家の仕事部屋は修羅場のあとを如実にものがたる状態に陥るので、公演資料ひとつ整理するのも、まぁ、大変。そもそも、日頃からやっとけよ、という話ではあるが。
 集中力のないオッサンが整理に飽きて走りに出ると、昨日の雨でランニングコースの路上には早くも桜の花びらがかなり落ちている。おいおい、まだ4月にもなっていないのに。もう少し桜、踏ん張ってくれ。そう願いつつ、1時間をゼエゼエと走破。帰ってくると、もはや何もする体力がない。もはや我が体も、少しも歯切れがよくない、ということらしい。
2013-03-26.JPG
お花見。右が私です。……という妄想です。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月25日

ガッチガチです。――[1103]生誕19,672日

 昨日の快晴から一転して、雨のそぼ降るどんより空。

 せっかくの満開桜が早くも散ってしまう。それは寂しすぎる。もうしばらく桜を堪能させてくれ。

 マッサージに行く。行くたびに思うが、肩や腰を押されて初めて、トンデモナイ状態になっていることを思い知る。「ガッチガチですね」とマッサージのニーチャンはにこやかに話しかけてくるが、ひたすら痛いだけのオッサンは「(ボソボソと)……ですね」と返すのがやっと。

 走ったり、マッサージに行ったりと、そこそこ体をリセットしているはずなのに、どうしてこうも一日二日で体がガチガチに固まってしまうものなのか。それほど日々、パソコンに向かっているときの姿勢が悪いのか。

 今週は公演の谷間で自由な時間が結構あるのだが、そうはさせじと書き物仕事が次々に押し寄せる。結局、この書き物仕事から逃れられない限りは我が体、いつまでたってもガチガチから解放されないのではないか。そう気がついて、呪いを込めつつキーボードを打ちまくる。
2013-03-25.JPG

ごちゃごちゃ書きすぎ。

posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月24日

今が盛り。――[1102]生誕19,671日

 2日間、東京を留守にして戻ってみると、桜は満開。今が盛りと咲き誇っている。やはり桜は美しい。見ていて心がぞわぞわしてくる。
 我がランニングコースに立ち並ぶ桜の木もことごとく咲き誇り、晴れやかな気分でタッタッタッと走るものの、花見客でごった返す場所が多く、いつものペースで走れない。
 おまえら、桜が咲いたからって浮かれて昼間からビール飲んでんじゃねーよ。こっちはしょっちゅう、このルートを走ってるんだ。たまにやって来て、ランナーの邪魔すんじゃねーよ。

 と言いたかったが、もちろんそんなことは言えず、ごった返す人波をかいくぐるようにして、息も絶え絶えのオッサンは一人だけ場違いな雰囲気を撒き散らしながら走り抜ける。

 今年の満開は観測史上2番目の早さらしいが、こんなに早く咲いてしまうと、少々季節感に戸惑う。今が盛りということは今月中には散ってしまうのか?入学式シーズンに桜がないのもそれはそれで寂しいだろうに。(余計なお世話か)
2013-03-24.JPG

今が盛り。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月23日

重みが違う。――[1101]生誕19,670日

 ホテルで朝食をしっかり食べ、三々五々に劇場に集合。
 午前11時からウォーミングアップは始まり、12時から若手女優Hの場面のみ部分稽古で返す。
 12時半からアフタートークの段取りを取ってしまうと、既に開場時間間際。「んじゃ、よろしくお願いしまぁーす」とスタンバイに入る。
 午後1時、開場。1時30分、開演。

 半年ぶりの上演となった『誰も見たことのない場所』は長年演じ続けているベテラン勢が深度を掘り下げている場面あり、新顔の若手がまだまだ見劣りする場面あり、ではあったが、やはりこの芝居で語られる言葉の数々は重みが違う。

 それにしても観客のマナーの悪さに久々に呆れる。
 上演中、あっちからもこっちからも、ガサガサとビニールの音が絶えないなぁと思っていたら、なんと主催者側がパンフレット類をご丁寧にもビニール袋に入れて渡していたらしい。時既に遅しであったが、せめて紙袋にしてくだされ。

 おまけにいつまで経っても五月雨式に遅れてきた客が入ってくるので、最初から真剣に見入っている方々に
申し訳なくて肩身が狭くなる。

 終演後にアフタートークになだれ込み、これも時間通りにきっちり終わらせ、午後4時30分にはすべて終了。
 それから一斉にバラシにかかり、6時前には現地にて解散。
 皆さん、お疲れ様。

 ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

 その後、劇場の前にあった「マグロ館」という海の幸をたっぷり食べさせてくれるお店の集まった場所に出向いて、我が身は中トロ丼を食す。もちろん、美味い。ついでに生シラス、白子、ウニ、穴子天ぷらなども堪能。

 パンパンになった腹を抱えて、すっかり飲み会モードに突入している客演のFさんや我が劇団のベテラン女優陣に別れを告げ、先発帰京隊6人でこだまに乗って静岡を後にする。
2013-03-23-1.JPG

撤収。手慣れたもので小1時間で、きれいさっぱり終了。
2013-03-23-2.JPG
中トロ丼。極上。桜エビのかき揚げもサクサク。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月22日

遅れて行きます。――[1100]生誕19,669日

 東京駅8:03発の新幹線に乗るように。
 そう制作のF女史からお達しがあり、まぁ、向こうへ行ってから続きの仕事すればいいかと、明け方4:00近くまでパソコンに向かっていたオッサン演出家は殊勝にも午前6:30にスマホのアラームをセットしてベッドに潜り込むが、あれれ、これはいったいどういうことなのか、目覚めてみれば午前7:00……。
 驚いてスマホを見れば、アラームはしっかりOFFになっている。自分で止めたのか?まったく記憶にあらず……。

 しかし、こういうことにはまったく往生際が悪くない我が身は、ハイ、間に合いません、と即座に諦め、F女史と演出助手に「遅れて行きます」とメールを打つ。

 結局、そのまま起き出して我が家でせっせと原稿を書き続け、11:00になって出発。一人旅で新幹線、東海道線と乗り継いで午後1:40頃に静岡市清水に辿り着く。
 午後3:30から場当たり開始。動線とテクニカルを中心に2時間で最後まで通り、午後6:30からゲネプロ。

 稽古場での通しはやるごとにタイムが縮み、テンポがよくなってきたと思っていたのに、ここで一気に3分以上延びる。あらら、こりゃマズいんでないの?と思いつつも、ダメ出しをすませると早くも退館時間。

 10時に劇場を出てホテルに向かい、その後はスタッフ陣と居酒屋へ。せっかく清水に来たのだからと美味そうな魚料理を片っ端から注文して、もりもり食べる。たぶん体も、もりもり太る。
 日付が変わり、12:30を回ったあたりで、「んじゃ、帰りますか」とお開き。ホテルの部屋に戻ってパソコンを開くと、ありがたいことにF女史から新たな仕事が届いている。ありがたやありがたや、死ねってことですか?
 午前2:30すぎにひと段落、今夜はもう寝るかとテレビをつけてみると、NHKのBSで『glee』をやっている。我が身は既にDVDで全話観ているのに、愛しの面々に再会した気になって、ついつい最後まで観てしまう。

 いい加減に寝なさい。もう睡眠不足じゃ使いものにならない老人なのだから。明日は本番なんだから。はーい。
2013-03-22.JPG

清水の駅を出ると、おお、富士山の勇姿が!
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(2) | 日記

2013年03月21日

別れを告げる。――[1099]生誕19,668日

 午前中から会議で初台へ。月1回の新国立劇場マンスリープロジェクト企画サポート会議。間に『奇妙旅行』の本番期間があったので、会議の顔ぶれとはずいぶん久しぶりに会ったようなきになるが、止まっていたのはたぶん我が身のほう。世の中はきちんと

動き続けている。

 会議後は初台から錦糸町の稽古場へ。
 部分稽古を少しだけやって、3時すぎから稽古場での最終通し稽古。今日は照明Sさん、音響Kさんも揃い、仕上がり具合を確かめてもらうが、終わってKさんは何やら渋

い顔。まだまだイケるやろ? ということらしい。

 ダメ出し、小返しを終え、午後時前には稽古場撤収開始。老人演出家が手伝わなくとも作業分担は適材適所で決まっているのだが、仲間はずれも寂しいのでコソコソと美術の梱包をしたり、パンチをせっせと掃いたりする(振りをする)。
 立て込みには結構時間がかかるのに、バラシ、トラック積み込みはほぼ1時間であっという間に終了。
 トランポさんを「行ってらっしゃぁーい」と笑顔で送り出して、わずか3日間の稽古ではあったが、世話になった錦糸町の稽古場に別れを告げる。

 さあて、明日は静岡。ひと暴れしましょ。
2013-03-21-1.JPG

トランポさん、お願いしまぁーす。
2013-03-21-2.JPG
稽古場もきれいさっぱり。お世話になりました。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月20日

楽していいのか。――[1098]生誕19,667日

 今日も午前中はせっせと書き物仕事をこなし、午後から錦糸町の稽古場へ。
 昨日に引き続き、部分稽古→通し稽古で、みっちり夜の10時まで完成度アップを目指して演出家は吠えまくり、毒を浴びせまくる。楽していいものなど生み出せるはずがない。そう固くオノレに言い聞かせながら。(毒づくオノレも正当化しながら)

 そうして稽古が終わると、昨日も今日も錦糸町からは劇団のハイエースで帰宅。楽ちん。(これは楽していいのだ)

 深夜、NHKの『ロボット革命』を見る。凄いんだね、ヒューマノイドの進化。これは既に現実なんだと目を見張る映像のてんこ盛り。福島第一原発の事故を契機に「減災ロボット」という目的でアメリカや韓国など、世界的にも一気にヒューマノイド実用化への道が加速している現状にも驚く。

 我が身は今から7年前の2005年に『Dの呼ぶ声』という芝居で、ヒューマノイドが人間と暮らす近未来社会を芝居にしたことがあるが、もはや「鉄腕アトム」はそう遠い未来ではないのだと思い知る。いやはや、そうなればいったい人間はいったいどうなるのか。我が老いぼれ頭では、ちょっと想像が及ばない。
2013-03-20.JPG

『誰も見たことのない場所』
やっぱし、この美術は美しいのう。(上手側から舞台中を望む)
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(2) | 日記

2013年03月19日

夏日。――[1097]生誕19,666日

 生誕○日目の数字、下三桁が「オーメン」になっている。
 と言っても今の若い人はほとんどわからないのだろう。こうしたことも次から次に、ただの老いの繰り言になっていく。あな、恐ろしや。
 本日、東京都心は気温25度まで上昇。今月、2度目の夏日。暖かい日射しは老人には天国。ホントに汗ばむほどの陽気はありがたい……って、まだ3月半ばだよ?

 年々、春と秋が失われていき、四季は遠い昔という日もそんなに遠からず訪れるのではないか。恐ろしや、恐ろしや。

 『誰も見たことのない場所』は実寸稽古1日目。ぐうたら演出家が社長出勤で稽古場に行くと、おお、既にセットが組み上がっている。劇団メンバーのみんな、お疲れ様。
 早速、午後2時から部分稽古を始め、夕方6時からは通し稽古に臨む。

 ……うーむ、俳優陣はまだまだ流れを追うのに余裕がない。考えてみれば、この作品も足かけ7年目に突入。すっかり手垢にまみれた台詞やキャラクターを今一度、しっかりと洗い直さなければ、生きた舞台にはなりませぬ。
2013-03-19.JPG

今日から稽古場は錦糸町。間近に見えるスカイツリーももうすぐ開業1周年。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月18日

馬車馬のように。――[1096]生誕19,665日

 新国立劇場『長い墓標の列』を観る。休憩込みで3時間10分。長い。長いが、何度も出てくる知識層の会話バトルの場面はやはりぞくぞくするほど面白い。大学が時代の流れの先端にあった時代。政治に色濃く影響を与えていた時代。今の大学からは到底考えられない風潮が確かにあった。そのことは単純に羨ましい。
 それにしてもこの戯曲を福田善之さんが書いたのは27歳とのこと。熱い。そして、やっぱり大人だったんだなぁと思ってしまうのは、このオッサンがまだまだ幼すぎる証なのか。

 終演後、劇場でばったり会った劇作家・演出家のSさんと近くの喫茶店であれこれ話す。相変わらずSさんの話はとどまることを知らず、Sさんが『長い墓標の列』の時代にいたら、さぞや激論を闘わせていたことだろうと思ったりする。
 40分ほどでSさんと別れ、そのままその喫茶店で『長い墓標の列』に出ていた若き俳優K&Rとも会って話す。若き俳優たちは未来を見つめるまなざしがキラキラしていて、話すほどにオッサンは今度は我が老いをしみじみ噛みしめる。

 帰宅後は我が身が編集長を務める雑誌の編集作業を済ませては、わっせわっせと馬車馬のように原稿をデザイナーNさんに投げる。
 その後、演出助手Tと今後の打ち合わせ。あれもこれもとやらねばならぬことは目白押しで、あの時代はよかったと後ろを見ている場合ではないぞとオノレを戒める。

 WBC、侍ジャパンはプエルトリコ戦、1−3で準決勝敗退。期待の3連覇は成らず。まぁ、今回はメジャーリーガーが次々と辞退を表明する中、オファーを引き受けた山本浩二監督だけが貧乏くじを引いたように思うのは我が身だけなのか。WBCは過去2回、言わばイチロー選手のための大会だった。そのイチローが出ないと決まった段階でWBCは実質、終わっていたような気がする。それでもこの大会を通じ、イチローを凌ぐとも劣らないニューヒーローの登場を願っていたのだが、やはりそうそう簡単にスターは出てきてくれない。残念。
2013-03-18.JPG
もう春だぁ。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月17日

茨の道が待ってるぞ。――[1095]生誕19,664日

 午後、ジャーナリストのKさんと会って、最近の仕事ぶりをあれこれと取材のように聞きまくる。うわあ、過酷だ。大変だ。重労働だ。と何度も思い、つくづくジャーナリストとして骨を埋めなくてよかったと元・新聞記者は我が身を振り返る。
 同時にジャーナリズムと演劇の違いを改めて思い知る。裏を取ることが必須の新聞と違って、戯曲は妄想だけで書こうと思えば書ける。もちろん、才能があればの話だが。
 あれ? 俺ってどっちにも向いてないのか?

 『誰も見たことのない場所』の稽古は、ラスト3分の1を小さいことには目をつぶってなんとか最後まで進める。途中、何度も「ちょっと待って」と止めたくなる衝動を抑えるのに必死。すぐに成果を求めたがる演出家は「実りを待て、待てば実る」と当てにはならない思いを心の中で呪文のように繰り返し、目の前で展開される段取り芝居を拷問のように見続ける。

 10時に稽古場を出て、ベテランOと客演陣が居酒屋に流れる中、以前から約束していた俳優の卵のKと、その宴に合流する。Kは今日が20歳の誕生日。おめでとう。
 今から茨の道が次から次に待ち構えてるぞ。

 20歳は遙か昔のことになったオッサンはいよいよ左肩が痛くてたまらない。これは間違いなく「凝り」ではなく「炎症」ではないのか。ほっといていいのか?
2013-03-17.JPG
禁じられると、何かやらかしたくなる。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月16日

チャンに甘い!――[1094]生誕19,663日

 世界選手権フィギュア男子。どう考えても審査員はパトリック・チャンに甘い。結果は、チャンがショートの大幅リードもあって逃げ切り、歴史に残る3連覇達成。しかし今日のフリーはジャンプで二度も転倒、ほかにも精細を欠いたジャンプがあったのに演技構成点がなんと89.28点。今回、ショートに続いてフリーでも完璧な演技を見せたダークホース、カザフスタンのデニス・テン選手の演技構成点は87.16点。何なんだ、この差は?
 結局、チャンはトータル1.3点差で逃げ切ったのだが、テン選手の演技構成点がチャンと同等、もしくは上回っていればチャンの3連覇はなかった。どう考えても、審査員が新鋭のカザフスタン選手に優勝させてはならぬという心理が働いてチャンのジャッジが甘くなったとしか思えない。

 まぁ、今回の先取権は我が応援するアーティスト高橋大輔選手も本調子からは程遠く、表彰台にはまったく届かず、その時点で興味はほとんど失せてしまっていたのだが。

 『誰も見たことのない場所』は昨日の続きで、中盤の3分の1ほどを小返ししながら進める。しかしセリフ確認の域は出ず、それでも演出家はじっと我慢の子となって、穏やかに、にこやかに注文をつける。
 帰宅すると、いつにも増して体がだるい。これは稽古場でオノレを抑えていたことの反動か?それとも『奇妙旅行』が終わったことで今ごろ気が抜けて体調不良に陥ったのか?

 いずれにしても少々ヤバい状況だぞと思いながら、やらねばならぬ仕事は失神しそうに山積みなので、リアルゴールドを飲みつつ、もう少しパソコンの前にへばりつくことにする。
2013-03-16.JPG

『誰も見たことのない場所』は迷路のようなエリアで展開。
人生そのもの。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月15日

健忘症に気づいて焦る。――[1093]生誕19,662日

 『奇妙旅行』の疲労も癒えぬまま、静岡公演『誰も見たことのない場所』の稽古がスタート。
 稽古場に行くと、『奇妙旅行』に出演してもらった女優Hが待ち構えていて、顔を見た途端、はっ、と我が健忘症に気づいて焦る。借りっぱなしになっていた「ジャーニー・オブ・ホープ」のDVDを返す約束になっていたのに、見事に忘れていたのだ。

 「えー、ウソでしょ? 芝居でしょ?」と食い下がられても、今ここに無いものは無い。受け取るためだけに来ていた女優Hにひたすら平謝り。こうして周りのみんなに「すまんね、すまないね」と言いながら日に日に老いぼれていく。

 『誰も見たことのない場所』はまずムーブメントのおさらい。形は何となく合っていても動きのポイントがちぐはぐ。細部にこだわらなければ名作舞台にはならぬと、演出家はしれっとした顔で、「みんな大事なポイント、忘れてるでしょ?」と我が健忘症は棚にあげてダメを出す。

 その後、各場面の稽古に移り、頭からだいたい3分の1くらいまで進んだところで今日は時間切れ。

 いやいや、まいった、今日も疲れたと家に帰ると、秋の公演の翻訳第2稿が届いている。もうすぐそこに5月の新作公演が待ち構えているのに、あれやこれやで気もそぞろになり、劇作家は少しも集中できず。
 「あれ、新作の台本は?」「あ、忘れてた」ではすまされぬ。

 (殺されます)
2013-03-15.JPG

周りが「美味い」「即席ラーメンの革命」と絶賛するので買った「マルちゃんラーメン」。しかし我が身はラーメン絶ちをしているので未だに未開封。(何のために買ったんだか)

posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月14日

五十肩なんじゃね?――[1092]生誕19,661日

 世界フィギュア選手権、男子ショートは高橋大輔選手はなんとか4位に滑り込む。羽生弦選手は若さゆえか、無残なほどに自滅。9位とメダル圏内から大きく遠のいた。
 期待の大きさに押しつぶされる日本勢を尻目に、3連覇を狙うパトリック・チャンは圧巻の演技。98点台という驚異的な世界歴代最高得点をたたき出す。これまでチャンがどんなにジャンプを決めようとも芸術性は圧倒的に高橋が上。誰がなんと言おうと我が身はそう思ってきたのだが、どうも今回の高橋が滑る『月光』にはいつもほどのオーラが感じられない。やはりシーズン途中でプログラムを変更したことで練習不足なのか……。なんだか無難なんだよなぁ、『月光』。見せ場に乏しいというか。情感ほとばしるところがないというか……。
 その一方で3連覇という相当なプレッシャーがあっただろうに、おまけに今シーズンはコーチを変えたりして絶不調と言われてきたのに、今大会にピタリと照準を合わせてくるあたり、チャンはさすが絶対王者アスリート。ジャンプはパーフェクト。敵ながら天晴れ、でありました。

 かくして、またもチャンの背中を追いかける展開となったわけだが、アスリート・チャンとの差は14点近い。アーティスト・高橋大輔、なんとかフリーでは食らいついてくれ。我が身を、我が心を震えさせてくれ。

 今日はひたすら原稿書きの一日。長時間、机にへばりついていたからか、それとも昨日のマッサージの揉み返しなのか、両肩が異様に重く、痛い。左腕を上げると肩胛骨の下あたりがイテテテとなるので、コレ、五十肩なんじゃね?と本気で心配になる。(あながちハズレではないかもしれない)

 ああ、トリプル・アクセルが飛べる体になりたい。
2013-03-14.JPG

気分一新と思って2013年版手帳(4月スタート版)を買いにいったら、なんと長年愛用してきたA6版が見当たらず、店員に聞いたところ、「あ、今年度から廃盤になったんですよ」だと。えーっ?俺、気分一新、できねぇーの?

左が長年愛用してきた能率手帳A6版。あまりに空しくなったので腹立ちまぎれにメーカーを変え、今年度から右の「手帳の高橋」A6版を使うことにした。(能率サン、私ァ恨みますよ)

posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月13日

ホラーな演出家。――[1091]生誕19,660日

 つい先ほどまで劇作家のKさん(36歳)と電話で長話。ちょっぴり疲れを覚えつつ電話を切ると、恐ろしや、2時間以上が経過して午前様になっている。
 Kさんには7月に上演する新作戯曲を依頼しているのだが、先日送られてきたその第2稿の戯曲について、あれやこれやと偉そうに意見していた次第。早い話が、ダメ出しですな。戯曲の構造から、展開のさせ方、登場人物の心情の変化……言いたい放題の演出家のツッコミはとどまるところを知らず延々と続いていたわけで、それを聞きながら、恐ろしや恐ろしやと思っていたのはKさんのほうかもしれぬ。

 この新作は『虚人の世界』というタイトルで、まさかの「ホラー演劇」。芝居でホラー?
 
ハイ、やっちまうんです、俺ら。チャレンジャーですから。パイオニアですから。だからKさん、第3稿、早くお願いしますよ。さらにダメ出しを浴びせるべく、黒くてホラーな演出家は今か今かと待ち構えていますんで。

 芝居の出来はもちろん戯曲が成否の大きな決め手となるが、キャスティングも重要さでは引けを取らない。「脚本が決まって配役を決めれば、演出家の仕事の90%は終わったようなものだ」とは先輩演出家Kさん(60歳)の言葉だが、最近それをひしひしと思うようになった。
 というわけで午後、我が劇団の制作F女史と今後の企画のキャスティングについて打ち合わせを願ったのだが、F女史は俳優のことより、目先の領収書や請求書ばかりが気になるらしく、ちっとも話に本腰が入らない。
 あーそうでしたそうでした、あなたの仕事じゃないですもんね、コレ、演出家の仕事ですもんね。こんな話を振った我が身がバカだった思いながらも、「で、どう思う?」と水を向けると、「公演の領収書、さっさと出してね」と力ワザの切り返しが……。

 敗北感を噛みしめながら演出家は事務所を退散する。

 2週間ぶりくらいにマッサージに行く。

 担当してくれたニーチャンは我が頭部の後ろをグリグリやりながら、「固いっすね」「めっちゃ固いっすね」と壊れたレコードのように連発する。そこまで頭が固い固いと言われると、我が身が頑固オヤジに思われているような気になり、途端にぶすっと不機嫌になってしまうのは、やはり頑固オヤジだからか?
2013-03-13.JPG

こんな障害を乗り越えて侵入してまで、書きたいものなのか。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記

2013年03月12日

いい大人なんだから。――[1090]生誕19,659日

 午後、会議で半蔵門へ。2時間足らずの会議ではあったが、ルールを変えることの難しさ、また、ルールを運用することの難しさを改めて思い知る。何事も万人が満足を得られるルールなんてないことはわかるものの、もっと現状に即して柔軟に対応できないものかと少々苛々する。
 
 夜は恵比寿エコー劇場で『水の音』を観る。劇団協議会の事業、日本の「劇」戯曲賞最優秀賞受賞作の上演公演。
 舞台床に終盤、ひたひたとホンモノの水が溜まったいく演出を見ながら、かつて我が身も『アジアン・エイリアン』という芝居で床に水を張ったなぁと、ありありとその大変さを思い出す。あとで聞いたら水は約1トンということだったが、『アジアン・エイリアン』では最低3トンは溜めたなぁと、無性に再演したい気持ちに駆られる。
 終演後は受賞者のNさん、演出を担ったTさんを囲んで、最終選考委員、劇団協議会常務理事&事務局の面々で初日打ち上げ。
 最初のほうこそ、みんなNさんにあれこれ尋ねていたが、酒がまわるにつれて、「留学してた頃、ゲイにもてた」(文学座演出家)だの、「あたしはレズビアンにめちゃくちゃもてる」(民藝演出家)だの、「新聞記者を辞めて演出家になった古城はバカだ、許せない」(民藝演出家)など、しょーもない話ばかりが飛び交い、次第に主役のNさんは置き去りにされる始末。
 みなさん、もっと大人の飲み会をしましょう。いい大人なんだから。ね、Nさん(文学座)。
2013-03-12.JPG

応援しまっせ!

posted by 老い日記 at 00:00| Comment(2) | 日記