2013年05月08日

挫折感を抱えて。――[1147]生誕19,716日

 歯の痛みはついにごまかしきれず、こんなにズキズキ疼いたんでは仕事にならぬと、SOSの電話を掛けて歯医者に行く。
 歯周病はこの1年あまりでどれほど悪化してるんだ? と戦々恐々としていたら、「右下の奥から二番目の歯の横側にぽっかり穴が開いてますねぇ」。
 ……なんと、虫歯であった。
 「これ、もう相当穴が開いてますねぇ。ものを噛むときに痛くなかったですか?」「いえ、疼き始めたのは一昨日くらいからで、それまでは特に……」と答えたところ、実に衝撃的なひと言を歯科医女史はのたまった。「ああ、そうですか。まぁ、ずいぶん年取ってからの虫歯はゆっくりゆっくり進行しますからねぇ」

 ずいぶん年取ってからの、という言葉がエコーがかかって聞こえる。ずいぶん、ずいぶん、年取って、年取って……

 「じゃあ、中を洗ってみますけど、これ、もしかしたら神経までいっちゃってるかもしれませんので、そしたら残念ですけど神経を取っちゃわないといけないかもしれません」
 そう宣言したと思いきや、歯科医女史はガーガーと我が歯を削り始め、ときどき器具で歯をコンコンと叩いて、「これ、痛いですか?」「……いえ」。ガーガー。コンコン。「これは痛いですか?」「いえ、特に痛くありません」「んー、これ神経までいっちゃってますね。今から麻酔打って神経取りますね」
 え? 痛くないと答えたのになんで神経抜くの? 見た目だけでわかるんなら、なんでコンコンと叩いたの?
 と、ここで久々に歯医者に来たオッサンは思い出す。

 そうだ、ここの歯科医院には男先生と女先生、2人の歯科医がいて、女先生のほうは躊躇もない、遠慮もない、猪突猛進歯科医なのであった、と。

 神経を抜かれ、あらかた今日できる治療が終わってからの問診でもこの猪突猛進女先生、こっちの質問を遮って言いたいことだけ言うと、「じゃあ今日はこれで」と打ち切りやがった。
 おーい。患者の声を聞け。確かに我が身はあれは? これは?とうるさい患者かもしれんが、それ手なずけるのがあんたの仕事だろーが。

 歯の痛みとともに、何かに負けたような挫折感を抱えて、そのまま劇団の制作会議へと向かったのであった。
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この樹木のフォルムが好き。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記