2011年04月14日

巨大倉庫を彷徨う。――[392]生誕18,960日

 「T装飾梶vという会社がある。テレビドラマ、映画、演劇の置き道具・小道具類をレンタルする、ほとんど独占企業。確かにその物量たるや恐ろしいほど膨大だが、扱っている商品はホームページにもまとめられておらず、冊子としてもカタログ化されていない。「独占企業ゆえ、企業努力なんか必要ないんですよ」(by舞台美術家)。
 なので未だに、この会社から小道具類を借りるには担当者と一緒に迷路のようなでっかい倉庫の中をあっちに行ったりこっちに行ったり、借りたい物を一点一点、実際に見に行って、めぼしい物があればキープするために紙を貼っていく。素晴らしいアナログの世界。
 ここ最近はイメージだけ舞台監督に伝えて物のチョイスは任せていたのだが(そもそも、特殊な置き道具が必要な芝居をしていない)、さすがに今回の『又聞きの思い出』は1950年代前半のブルックリンという設定なので、椅子だのテーブルだの、数々の置き道具が芝居の雰囲気を決定づける。
 そこで今日は、ものぐさ演出家も仕方なく美術家・舞台監督と連れ添って何年ぶりかでレンタル会社に出向き、巨大倉庫の中を上に下にと半日練り歩く。
 ところが、やる気満々で捜し回っても。「お、これ、いいな」と思う物は、大抵よそのプロダクションにキープされている。NHK『おひさま』とか、映画『宇宙兄弟』とか。
 「コレいい!」と思うのはみんな同じってことなんだろうが、おかげでこっちは「何かないか、どこかにないか」とまるで不毛な宝探しのような時間を過ごして、ほとほと疲れる。
 
 ネオシーダーは今日も日中に3軒回ってみたが、見事に皆無。こらえ性のない懲りないオッサンは、歌舞伎町なら深夜もやってるはずと踏んで、稽古終了後の夜11時過ぎから30分ほど深夜のデンジャラスゾーンを歩き回って薬局を2軒訪ねるが、どちらも「欠品してます」。ああ、この喪失感。努力しても報われるわけではないのね、と思い知らされる。探し求める物はまったく得られないのに、「次の店、決まってますか?」「いい女の子、いるよ」と客引きからはバンバン声が掛かる。それがまた腹立たしい。
 というわけで、望んだわけでもなく、覚悟を決めたわけでもないのに、結果的に今日は「完全無煙の一日」。
 おいおい、このまますっかり健康人になっちまうのか?

椅子が並ぶフロア.jpg
 
椅子がずらりと並ぶフロア。手前の椅子をキープしたので『又聞き〜』の貼り紙がしてある。

この椅子もキープ.jpg 
この椅子もキープしました。

ほかにもこんなキープが.jpg 
ほかには、こんな番組のキープがあちこちに。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: