2011年02月20日

老い日記[339]――生誕18,907/禁煙292日目

 今流行りの3Dにまったくもって興味が湧かぬ。理由は簡単。3Dに見える我が目を持ち合わせていない。以前、俳優Oが「これ、すげぇよ」と持ってきて見せた新聞広告が3Dになっていたらしいのだが、我が身は「どこ?どこが浮いて見えるわけ?」と必死に目を凝らしても広告は平面のまま。新聞を持って近づけたり遠ざけたり、目を細めたり見開いたり、何度も試行錯誤を繰り返すうちに、ようやく絵や文字の特定部分が浮き出て見えた。どうやら我が目は瞬時に像を一つに結んで立体感を出す「立体視機能」が著しく弱っているらしい。
 ただしこれは今に始まったことではない。昔から双眼鏡を覗いても、右目で見える世界と左目で見せる世界は決して一つにはならなかった。戦争映画などで双眼鏡を覗く場面になると、画面はよくきれいな一つの円で描かれたものだが、我が身は観ながら、幼心によく自問自答していた。「これは何らかの表現上の理由から一つの円にしているのか?それとも俺以外の人はみんな、こうやって見えているのか?」
 そんな立体視機能に欠陥のある男が今は舞台演出なんぞを仕事にしている。人生、摩訶不思議。今でも劇場で次第次第に組みあがっていく舞台美術を見ながら、「もしかしたら我が目には、ほかの人とは違うみえかたをしているのやもしれぬ」、いつもそう思う。
 
 稽古場での稽古はすべて終了。撤収、積込があるため、午後3時すぎには通し稽古をスタートし、通し後のダメだし・小返しも6時半には終了。ペンより重い物が持てない演出家は、「お疲れさまでした」と挨拶だけは元気よく、撤収には参加せず早々に退散する。 自宅に帰るや殊勝にも、『又聞きの思い出』の仮チラシを作成。その後は書き物仕事と書類片づけに明け暮れるが、もちろん少しも進まない。(これは目のせいではない)
2011-02-20.jpg 
等身大の写真パネルに本物のガウンが着せてある立体感のアンバランスが不気味。これも3D?
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(0) | 日記
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