それにしてもじっと凝視する時間が長いからか、首の凝りがひどい。右も左も耳の後ろから肩甲骨の下までを直線的に結んだ部分がすべて痛い。ああ、痛い痛いと思っていたら、緊急トラブル発生。
若手の俳優Hが突然、顔が真っ白になり、トイレに駆け込み吐きまくる。すわ、インフルエンザ?そうなれば公演中止? さざめき立つ動揺は無視して、Hを病院に行かせ、演出部の一人を代役に立てて場当たりを続行、夕方には終える。
Hは病院で「ほぼ急性腸炎」という診断が下され、これはひとえに非情な演出家の罵詈雑言によるストレスが原因ではないのか、とさらにさざめき立つみんなの憶測は徹底的に無視して、6時からゲネプロも代役のまま敢行。
点滴を打ってきたHはゲネプロの終了時刻と同じ頃に劇場に戻ってきて、かなり顔色を取り戻す。しかし、「今夜、高熱が出ればインフルエンザ」との診断もあり、10時に劇場を出て、舞台監督W、演出助手O、代役を担うかも知れない演出部のSと万一に備えて打ち合わせ。といっても、Sが今夜ひと晩でセリフを完璧に入れてくるしかないのだが。
さぁ、明日は初日。どうなる初日。芝居の中身同様、意表を突く展開の連続。サスペンスフルなミステリー。お見逃しなく。(と脳天気な演出家は他人事のように思う)

初日に備え、退館時刻間際まで美術の仕上げに余念がない。
ただ、幕は開くのか?