2012年09月13日

鍵騒動。 ――[910]生誕19,479日

 『誰も見たことのない場所』、西東京市民会館での最終実寸稽古。先に三つほどの場面をしつこく攻めてから、3時に衣裳も着けて通し稽古をスタート。

 芝居は徐々に「締まり」は出てきたものの、新キャストのパートはまだまだ綱渡り状態……。俳優としての技術云々ももちろん無視はできないが、やはりこの芝居は何より思いの深さが勝負。伝えたい情熱がどれほどあるのか。どれほど切実なのか。それを言い慣れたリズムではなく、ドキドキするような新鮮な気持ちでどれだけ言えるかのか。そこにしか活路はない。

 ダメ出しの後、6時半頃からバラシにかかり、トラックに積み込む。ぐうたら演出家も人足となって、せっせと荷物を運ぶ。 8時頃には会館もきれいさっぱり片付け終わり、トランポの運転手を「お願いしまぁす」と送り出す。
 「では明日は大阪、遅れないように、解散」となって劇団のハイエースに乗り込んだところで、若手のNが突然わめき出す。「すいません、部屋の鍵をトラックに積んでしまいました」……。
 呆れながらも急いで運転手に電話を入れ、いったん路上停車で待っててもらい、ハイエースで追いついたはいいが、荷物を確認するも鍵はどこにも見当たらず……。
 すると今度は「事務所に置いてきた上着かもしれません」などとほざき始めるNを一度殺してやろうかと思いつつ、再びハイエースに乗り込んで事務所に向かう。その車中で、ほかの劇団メンバーが「どんな鍵?キーホルダーとか付けてないの?」と尋ねると、Nが「全部一緒にしてるんです、部屋の鍵にアパートの入り口の鍵、実家の鍵、それに自転車の鍵が二つ……」と言い終わらぬうちに、「はあぁっ?自転車の鍵も?」「何それ、自転車に乗るときもジャラジャラまとめて鍵をぶら下げてんの?「フツー別にしとくだろ、チャリの鍵は」などと同乗者たちから総ツッコミを受ける中、同じく若手のOがボソリと、「あ、事務所前にあったN君の自転車、鍵が付けっぱなしになってたよ」……。
 果たしてNの部屋の鍵はチャリにぶら下がっておりました、とさ。めでたし、めでたし。じゃねーよ、バカN。

 日頃から整理能力のまるでないNの台本は丸めた紙くずのようになっていて、それを見るにつけ怒りが込み上げていた演出家は、次は殺す、と本気で思う。
2012-09-13.JPG

『誰も見たことのない場所』の美術の木々。
右の真っ白いのは本物の木で(白く塗ってある)、左のリアルに見える木は作り物。
posted by 老い日記 at 00:00| Comment(2) | 日記
この記事へのコメント
なんてオチ。
うっかり爆笑してしましました。
Posted by しもせき at 2012年09月14日 11:32
そういうオチですか。
思わず、爆笑。
Posted by しもせき at 2012年09月14日 13:57
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