結局、体を本調子に戻せないまま、次なる稽古がスタート。来月半ばの宇部・広島公演に向けて、ほぼ1年ぶりとなる『死に顔ピース』。ああ、先が思いやられる。ああ、こんな体じゃ毒も吐けない。というか、我が体から早く風邪菌、去ってくれ。
本調子ではないと思いつつ、ええい荒療治で汗をガシガシかけば風邪も退散してまうわ!とばかりにウォーミングアップに精を出すが、荒療治が効くのも年齢制限があるんだね。汗はかいたが、かえって頭はふらふらし始める。ただの「年寄りの冷や水」だね、これは。
『死に顔ピース』は3人ほど俳優がチェンジしているので、冒頭部分から少しずつ追いかけていくが、出だしのムーブメントといい、前半は段取りが鬼のように続くので、初演メンバーも記憶をほじくるように、初演DVDを観ては、「ああ、思い出した」「ああ、そうだった」と、まるで認知症軍団のようになって、ちまちまと稽古は進む。
体力消耗中の演出家も、ここで負けてはならじと、ナメくさった段取り芝居をかます新人Tに、「その目、一度突いていいですか」と毒を吐いてみるものの、その毒にキレはなし。体力がないと、ドSになるのもままならない。
リハビリセンターに集う人々のような稽古は結局、頭の3場面ほどしか進まず、稽古初日にして、にわかに不安に包まれる。
フィギュアスケートNHK杯、17歳の羽生弦選手がショートプログラムで歴代世界最高得点をマーク。高橋大輔選手はジャンプでミスがあり、約8点差の2位。
高橋大輔選手、どこぞの演出家とは違って、明日のフリーではキレまくる演技で、若造どもに「おまえなんぞ100年早いわ」と言い放ってくれ。

出過ぎた真似をしまして。その2。