2013年04月07日

何の役にも立たない。――[1116]生誕19,685日

 目が覚めて、「おお、そういえば今日締め切りの原稿があったのだった、仕上げねば」と、まだだるさのとれぬ体を引きずって起き出し、午前中はせっせと文筆業に勤しむ。

 午後、事務所に出かける。劇団メンバーがDM発送作業に精を出す中、座長は手を動かすこともなく、だらだらと好き勝手なことを喋りまくって、それじゃ、と颯爽と出ていく。(邪魔しに行っただけという話ですな)

 夜、知り合いの俳優が出ている芝居、『太陽よ、汝は動かず』を下北沢のOFFOFFシアターで観る。ずいぶん久しぶりのこの劇場、なんだか広くなって様子が変わっているような。振り返って考えると、シモキタで芝居を打たなくなって相当な年月が経っていることに思い当たる。スズナリで2005年に上演した『Dの呼ぶ声』、あれ以来のご無沙汰。8年以上もシモキタとは疎遠になっていたんだと妙に感慨深くなる。

 芝居が終わって事務所に向かうと、まだまだ時間が掛かって大変だろうなぁと思っていたDM作業はちょうど終わりを迎える頃で、結局、何の役にも立たないまま座長はしばし油を売ったのち、すごすごと家に帰る。
 このところ役に立たないだけでなく、「何も生産していない日々」が続いている気がして、焦燥感だけが募る。

 4月がスタートしたぁ! と思ったばかりなのに早くも1週間が過ぎている。いい加減に「追われまくりの芝居モード」に頭も体も切り換えなければ、新作の幕が開きません。
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木に自転車をくくりつけて停める人はいません。
と、天の邪鬼はそう思う。
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2013年04月06日

いまいましい雨。――[1115]生誕19,684日

 強い雨の降るなか、西新宿の稽古場から自宅に戻ってみると、ものの見事に濡れネズミ。稽古場→西新宿駅、我が家の最寄り駅→自宅。外を歩いた距離はたったこれだけだというのに(計15分くらい)、靴の中はぐじゅぐじゅ、ズボンの裾からも上着の袖からも水滴がダラダラしたたり落ち、おまけに背負っていたリュックの中の書類までびちょびちょ。できあがったばかりの『恐怖が始まる』のチラシも50枚くらいが一気にパー。もう使いものになりません。まったくもって雨、いまいましい。

 そんな雨降るなか、今日はワークショップ2日目。昨日の「何やるの?何やらされんの?」といった緊張感もなく、参加者も楽しみながらワークに取り組んでくれて、まずはめでたし。

 と、腹黒い演出家が和気あいあいムードをそのまま野放しにしておくはずもなく、台詞のワークに入るや、「君ね今、話しかけてないから」「この台詞、誰に向けて言ってると思ってる?」「そのオッサンオッサンした喋り、なんとかなりませんかね」……。まぁ、よくも次から次にいじり(いびり?)の言葉がぽんぽん飛び出すもんだと我ながら感心する。

 今回は夜10時と終わりが遅かったので、懇親会はなし。次回のワークショップは6月16日(日)。皆の者、心して待て。
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一番搾りが、こんな邪道に手を出すなんて……。(泣)
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2013年04月05日

見飽きません。――[1114]生誕19,683日

 久々の開催となったワークショップでリフレッシュ。

 集まった男女20名以上でわっせわっせとウォーミングアップに汗を流すと、たちまち室内はむんむん。それにもめげずに、体を酷使するワークを次々にやってもらう。(演出家はちょちょいとやってみせるだけ、ご老体は無理しない)

 その後は川津羊太郎さんの新作戯曲『虚人の世界』の抜粋をテキストに、「台詞を聞く・台詞を言う」の実践。まったく新しい顔が何人もいるので、突然奇声をあげる大学生、台詞になった途端にあれあれ?と気取って構えるオッサン、小さい体をこれでもかと駆使してやたらと動き回る若き女優、劇団メンバーにはない反応が返ってくるので、演出家は少しも見飽きません。
 もちろん目ざとい演出家は、参加者のクセを見抜いてたちどころにダメを出し、いじり始める。(真っ黒だよ、この男)

 予定の4時間は、あっという間におしまい。

 その後、我が劇団のベテランO、女優Sと居酒屋に流れて今日のワークショップの感想なんぞを言い合い、秋の芝居のキャスティングについてもあーだこーだと意見し合う。

 といっても酒を飲みながら、つまみに食らいつきながらの話ゆえ、今イチ成果が上がらなかったように思うのは俺だけか?
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上へ上へ。
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2013年04月04日

そんなことも知らない。――[1113]生誕19,682日

 朝から通勤ラッシュで混み合うなか、中央線→埼京線→宇都宮線→東北新幹線と乗り継いで、郡山へ。
 10時20分に到着してホームに降りると、あまりに人がいないので、少々困惑。もしや、こちらの人々はこんなに出歩かなくなっているのか?と、日頃は原発のことなど考えもせずにのほほんと暮らしているヨソ者はあらぬことばかりを考える。

 改札を出ると、「がんばれ! 東北 がんばろう、福島・郡山」の立派な看板が掲げられ、「3・11」から2年あまり経った今も、当時とさほど変わっていませんよと改めて思い知らされる。

 その後、仮設住宅が建ち並ぶエリアに移動。簡易な造りの平屋集合住宅が所狭しと建ち並ぶ風景は、まるで奇妙な別世界。強制的にこの場所に移らざるを得なかった人たちの心境を思うと、さすがにのほほん頭にもその無念さが浮かぶ。
 2年近くが経った仮設住宅は、すでにあちこちに傷みが伺える。「仮設ってのは2年なんですよ。だいたい2年で出るっていう前提で造ってますからね」と案内してくれた人が言う。「なのに、あと2年、延長が決まったんですよ。ほったらかしですよ」

 ヨソ者はそんなことも知らない。

 それから仮設住宅群の一角にある「おだがいさまセンター」にお邪魔する。「おたがいさま」ではなく、「おだがいさま」。たぶん福島弁。中はテーブルと椅子が喫茶店のようにいくつも並び、我が身も勧められるままコーヒーなんぞをいただく。

 そのテーブルを囲んで、たぶん仮設の住人たちが井戸端会議のように近況報告なのか、笑顔であちこちに話の花が咲いている。驚いたことに室内には区切られたブースがあり、そこはなんと地元のFM局。結構、本格的な装備。情報交換、コミュニケーション、それが一番大事。そういうことなんだね、たぶん。

 その後は場所を変えて、今は郡山で暮らすTさん夫婦に震災後のあれこれを詳しく聞く。旦那さんは我が身より一つ年上で、元福島原発の作業員。まぁ、聞けば聞くほど驚くような話のてんこ盛りで、のほほん頭にしっかりカツを入れられる。

 あろうことかTさん夫婦には食事までごちそうになって駅まで送ってもらい、夕方の新幹線に飛び乗る。

 時を遡り、新聞記者のような一日であった。

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人一人いないプラットホーム。

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がんばろうよ、みんな。

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奇妙な別世界。

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コーヒー、おいしゅうございました。
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2013年04月03日

すっかり蚊帳の外。――[1112]生誕19,681日

 雨・風が吹き荒れる春の嵐のなか、お昼前から東池袋に足を運び、あうるすぽっとで音楽劇『二十四の瞳』を観る。今回、再々演。我が身が脚本を担当しているのだが、脚本だけの参加で再々演ともなると、まるで一般のお客さんと変わらない。「お時間よろしければ、是非お越しください」とメールが入るのみ。なんだかすっかり蚊帳の外に置かれたようで寂しい。まぁ、稽古スケジュールがばっちり送られてきて「何日間、来られますか?」と問い質されても困るのだが。

 ところでこの芝居、我が劇団の女優Yも出演しているのだが、終演後に女性楽屋を訪ねて呼んでもらったところ、来るとは言ってなかった我が顔を見るなり、Yは「げーーっ!」と言い放ちやがった。なんなんだ、「げーって」。吐き気でも催すのか?

 夜は劇団の制作会議。7時から延々11時すぎまで。

 長い……。長すぎる……。今日は今後の方針に関わる議題もあったので致し方ないとはいえ、それでも大半は事務的に決められることが多いのに、これがなかなか進まない。やはり、会議は「事前の準備」で決まる。次回からはそう徹底せねばと、疲れ果てた頭でぼんやり思う。
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『二十四の瞳』、日曜日まで上演中。
泣けます。(たぶん。作者自ら何度も涙しましたから)
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2013年04月02日

ヒッキーとなって。――[1111]生誕19,680日

 連載1111回。見事に「1」が並んだ。別に求められてるわけでもないのに始めたブログも丸3年を経過。なんども挫折しそうになりながら、よくもってるなぁと我ながら感心。そんなささやかな喜びをヨソに、今日は一日、外は雨……。

 冬ごもりの日々に戻ったかのようにヒッキーとなって、おりゃおりゃおりゃと書き物仕事にハッパをかける。いや、かけようと思うのだが気ばかり急いて、進み具合はすこぶる悪く、これは肩凝りのせいだ、体がバキバキに固まっているから集中力が続かないんだと、もっともらしいオノレへの言い訳を思いつくや、迷わずマッサージに駆け込む。(こういうときの行動は素早い)

 いつものように「固まってますね」とニーチャンにフフフ、と笑われながら(なぜ笑みが?)、拷問のようなグリグリ攻撃を受け続ける。首筋は今や首の真横、顎の下あたりにまで凝りが広がり、どこを押されても痛みが走る。

 約1時間ののち、体が軽くなった実感はほとんどないまま、再び囚人のようにパソコンの前にへばりつく。

 シリアでは民主化デモが始まって、丸2年が経過。今ではいつ終わるとも知れない泥沼の内戦状態が続いているが、3月の死者は6005人にのぼったという(反体制派組織「シリア人権監視機構」発表)。このうち子どもが298人、女性が291人。内戦とは無縁の人たちが巻き込まれる数も確実に増えている。
 この2年あまりに命を奪われた人の合計は6万2554人と、にわかには想像しがたい数に及ぶ。

 恐ろしい。あまりにも恐ろしい。毎日毎日死と隣り合わせに生きねばならないシリアの現状も恐ろしいが、国際社会が「我、関せず」とばかりにソッポを向いているとしか思えない状況はいっそう空恐ろしい。ここでは命があまりにも軽い。(こんなことしか書けない我が身が情けない)
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桜天井。平年なら今ごろが見頃。
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2013年04月01日

いいのか、こんな人生で。――[1110]生誕19,679日

 4月に突入。早くも2013年、4分の1が終了。ほんとにあっという間だ。いいのか、こんな人生で。

 3月は異常とも思えるほど暖かかったのに、ここに来て一気に花冷え。真冬に逆戻りしたかのような、老人には過酷な天気が続く。新年度スタートだというのに、寒いったらありゃしない。これじゃ体も心も縮こまる。

 今年はこの先、5月(オリジナル新作)、6月(学校公演)、7月(新進劇作家の新作)、8月(DOCS)、9月(新国立演劇研修所)、11月(翻訳ドキュメンタリーシアター)と演出の仕事が6本も待ち構えているというのに、その先の12月(翻訳劇)の芝居の打ち合わせ。

 いざ稽古スケジュールを立て始めると、いやあ、まるで時間がない、というか、開いてる日が滅法少ない。それでもなんとか稽古日を確保していくと、今年の後半は見事にOFFがなくなって埋まってしまう。あちゃー。今年は意地でもスハードケジュールの合間を縫ってロンドンに行くぞーと目論んでいたのだが、だんだん見果てぬ夢になってしまいそうで気持ちが萎える。いいのか、こんな人生で。

 50歳を過ぎて、50の手習いとばかりに、人生でまだやったことのないあれやこれやを今年はやり始めるぞーと年初に固く誓ったのに、日々の忙しさに負けていく我が身が哀しい。じっと手を見る。(見なくていいです)
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5月の新作。チラシに使用する古川タクさんのイラスト。
味わい深い。
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2013年03月31日

なんという愛情。――[1109]生誕19,678日

 本日も基礎稽古をみっちり。

 午前中は書き物仕事に四苦八苦。気がつけば、あれあれ、もう午後になってるぞと、バタバタと西新宿の稽古場に向かう。今日も体が悲鳴を上げるのね、未だに昨日の筋肉痛はまったくほぐれないまま階段の昇り降りに苦労しながら。

 まずは昨日のおさらいでジャズダンスの後半を通り、やれやれ、なんとか行き倒れることもなく終わったぞと歓喜の声をあげるのも束の間、今度はさらに動きの激しいエアロビクスダンスに突入。
 もちろん、もはやオッサン演出家に体力なんぞ髪の毛ほども残ってはおらず、自ら進んで「叱咤激励係り」を志願。オノレの体はちょぼちょぼしか動かさず(動けず)、ひたすら解説をまくしたてるべく口だけを動かす(口はやたらと動く)。

 こちらもなんとか最後まで通り、通った途端に「ハイ、じゃ若手だけでやってみよう」と連続3回も踊らせる。なんという愛情。ここまで若手にチャンスを与えるなんて。

 その後ようやく肉体を酷使する稽古から解放されて、発声、セリフ術へと移行。こうなると演出家は本性を剥き出しにして、若手にビシバシとダメを出す。我がドSぶりを再確認しながら。

 午後10時に終了。今日も全身にヘドロのような疲れをまとって帰宅すると、体が重く、何もする気が起こらない。いやいや、溜まっている仕事を片付けなければと殊勝にもパソコンに向かうが、頭はさっぱり働かず。
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いつにまにやら流行語。日本人は飛びつくの、早いね。(冷めるのも早いけど)
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2013年03月30日

ドMのように。――[1108]生誕19,677日

 老体、久々の基礎稽古にガンバル。

 終わってみれば、午後1時から9時半まで、ドMのように若手劇団員に奉仕する。しかも終わってみれば、本日やったのはフロアストレッチとジャンズダンスのみ。ひたすらドMのように体を酷使させられる。オッサン演出家はもちろん座長特権で都合よく、「ハイ、んじゃ若手だけで」「じゃもう一遍、君らだけで」と卑怯な作戦に何度となく出る。

 しかし、衰えましたわ、我が体。リズムに合わせてぴょんぴょん動いていると、すぐに息も絶え絶え。昔は体そのものが、も少し軽かったよなぁ、と現実のむごさをしみじみ噛みしめる。
 しかしもちろん、そんなことはおくびにも出さず、若手のT(21歳)やら、昆虫人間のN(29歳)やら、やたらと下半身の重いH(33歳、若手じゃねーし)やらに、「違う違う、自分の体、よく見なよ」と、ひたすら罵声を浴びせる。攻撃は最大の防御。年老いていくと、地位を利用して小ずるいことだけがうまくなっていく。

 ところが途中の休憩時間に、昨日観てきた芝居の話をしたら、ベテランOが突然観に行くと言い出し、結果、ベテランOとその出来の悪い息子たち(男優ども)は、演出家の罵詈雑言から逃れることに成功。
 哀れ、同行したにもかかわらずキャンセル待ちで結局入れなかった若手女優2名だけがすごすごと帰ってきて、その後、ほぼマンツーマンでしごきを受けることに。(いやいや、しごきではなく稽古です、あくまで稽古)
 しかし終わってみれば、オッサン演出家も疲労困憊。あちこち悲鳴をあげる我が体を、これ間違いなく年寄りの冷や水だよね、といたわりながら、あへあへあへと帰路に就く。
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ちょっと休憩。ながーく、休憩。

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2013年03月29日

若さの特権か。――[1107]生誕19,676日

 午後、スタジオサンモールで劇団チョコレートケーキの『熱狂』を観る。この劇団の演出家とは昨年末の某忘年会で話す機会があり、一度観ておかなければという思いに駆られて急遽出かけたのだが、劇場に着いてみれば、新聞記者のSさん、劇作家・演出家のNさん、同じくSさん、加えて『奇妙旅行』に出てもらったばかりの女優Oちゃんと、知り合いがあっちにもこっちにもいて、劇団の注目度の高さが窺える。
 『熱狂』、文字通り、熱い熱い男たちの物語。終始テンション上げ上げMAXで、オッサンは途中やや疲れはしたが、喋り倒して2時間、最後まで疾走するエネルギーは若さの特権か。

 DVDで映画『桐島、部活やめるってよ』を観る。
 3年ほど前になるのか、すばる文学新人賞を受賞後に出版された原作の小説はすぐに買って読み始めたのだが、なんとも甘ったるくて途中で挫折。でも映画の好評価をあちこちで聞いていたので触手を伸ばしてみたのだが、結果、二重丸。これ、久々にスマッシュヒットでしょう。いや、面白かった。
 ただ、異なる視点で同じ場面を繰り返し見せる構成が評判となっていたが、ああ、これは2006年のオーストラリア映画『明日、君がいない』(傑作!)の二番煎じだと思ったものの、『桐島、部活やめるってよ』では、この手法を取ることで高校生のクラスの中でのヒエラルキーが次第次第に浮き彫りになっていく。そこが面白い。青春群像劇としてのクオリティを一気に押し上げている。
 俳優では神木隆之介の巧さが全編に安定感を与えているが、橋下愛の凛とした佇まいが眩しいほどに美しい。2012年日本アカデミー賞作品賞受賞。
 でもって、挫折していた小説も引っ張り出して読んだ。映画化に当たって登場人物のキャラクターおよび相関関係図がずいぶん変更されているが、やはり原作以上に映画のほうが出来がいいと思った。あの小説から、核心をシナリオに抽出して今どきの高校生の価値観を見事に映像化できたのは、ひとえに監督の才能なのか。
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この作家、直木賞も獲りましたね。
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2013年03月28日

合掌したくなる。――[1106]生誕19,675日

 朝早くから劇団の若手Nからメールが入り、何事かと思ってもそもそと起き出して見ると、「劇団のハイエースに傷、凹みをつくってしまいました」。……なぬぅ?
 よくよく読むと、「今朝方、ハイエースの運転の練習をしていたのですが、ガソリンスタンドから出るときにガードレールにこすり……」云々、とある。練習ぅ?朝っぱらからぁ? んでもって車をガードレールにぶつけただとぉ?

 早朝から、予想外のメールに意気消沈。

 何をやっても要領が悪く、何をやっても裏目に出る。

 半世紀以上も生きていると、そういう人間にもたびたび出会うが、恐らく我が劇団のNはその中でも間違いなくトップクラス。根は真面目この上ないのだが、いかんせん、自分というものを知らない。誰かに教えを請うのも下手。まったく、どういう生活を送れば、あれほどとんちんかんな生き方ができるのか。腹立ちを通り過ぎて、思わず合掌したくなる。

 夕方近くから事務所に詰めて、カンヅメ状態に我が身を置いて書き物仕事に精を出す。今日はひたすらゲラを見まくるが、そこはそれ、とっくの昔に老眼の洗礼を受けている身なれば、ゲラを見るのにいちいち眼鏡を外し、まったく何のための遠近両用なんだとボヤキながら、裸眼で小さな文字を見続けると、たちどころに目が重くなり、それが痛みに変わる。もはや原稿を見るという行為だけでも、我が健康は損なわれていく。

 我が体は劇団のハイエース以上に、恐らくあちこちがポンコツになっているのだなあと、Nにふつふつと怒りの矛先を向けながら、しみじみ思う春の夜。
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桜。見飽きません。
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2013年03月27日

感謝、感謝。――[1105]生誕19,674日

 鬼のように溜まってそのままにしていた郵便物をだらだらと整理していたら、ともに演劇界の大先輩、プロデューサーのMさん、翻訳家のSさんから直筆のありがたい便りが届いていることに今ごろ気がつく。ああ、なんというだらしなさ。一刻も早く返事を書かなければ。MさんもSさんも先だっての公演『奇妙旅行』のことに触れていてくれて、ありがたいこと、この上なし。大いに励まされる。感謝。
 午後、事務所で我が劇団の制作F女史と打ち合わせ。お互いにやらねばならぬことをたくさん抱えているので、互いに自分のことしか言わない。たぶん、これは打ち合わせではない、愚痴にすぎない、と思いつつ打ち合わせは進む。

 DVDで観たかった映画『かぞくのくに』を観る。静かに、そして言葉数の少ない世界が展開されるが、我を忘れて見入った。何度も心臓がどきどきと高鳴って震えた。涙も流した。今までいかに、うわべだけのことしか知らなかったことかと、当事者たちの深く深く心底に刻みつけられた痛みの大きさに圧倒された。北朝鮮。我が日本の隣国。想像を絶する断絶の壁が立ちはだかっているが、目を逸らしてはならぬ。現実を見据えなければならぬ。「思考停止」するしか生きる道のない人々がいる。じゃあ、おまえは考えろ。考えて、世界を相手にしろ。無駄に生きるな。だらだらと無為に過ごすな。損な勇気が湧く。
 2012年のキネマ旬報第1位。こうした作品がちゃんと評価される。劇場でもそこそこヒット。我が国の観客もまだまだ捨てたもんじゃないと、その点でも勇気をもらう。主演女優賞の安藤サクラももちろんよかったが、是枝裕和監督作品から光っていた井浦新(ARATAから改名したらしい)も抜群にいい。脚本も務めたヤン・ヨンヒ監督に脱帽。

 いい映画を観ると、ほんとにエネルギーが高まる。感謝。
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思わず、商店街で足を止めてしまった自分が哀しい。
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2013年03月26日

歯切れがよくない。――[1104]生誕19,673日

 サッカーワールドカップのアジア最終予選、日本代表はアウェーのアンマンでヨルダンにまさかの1−2で敗れる。ブラジル行き決定は月までお預けとなった。

 遠藤選手のPK失敗が痛かった。やはり本田や長友がいないとダメと言われないためにも今日のメンバーでぜひとも決めてほしかったのだが、何度もあった決定的チャンスで精度が低い。またダメ、またダメでジリジリしている間にヨルダンにするするっと決められる。勝負の行方はわからないもんだね。

 ちょっとどうでもいいことではあるが、サッカー選手のインタビューの時の話しぶりが妙に苛々する。というのも、マニュアルがあるかのように、「……ですし、……思いますし、……」と誰もが「……し、」で言葉を繋ぎ、いつまでたっても一文が終わらない。思い起こせば、これはどうもKINGカズがこういう喋り方をした最初だったような気がするが、子どもたちのあこがれのスターなんだから、も少し歯切れのいい受け答えをしてほしい。

 今日は一日、整理・整理で日が暮れる。公演が終わると我が家の仕事部屋は修羅場のあとを如実にものがたる状態に陥るので、公演資料ひとつ整理するのも、まぁ、大変。そもそも、日頃からやっとけよ、という話ではあるが。
 集中力のないオッサンが整理に飽きて走りに出ると、昨日の雨でランニングコースの路上には早くも桜の花びらがかなり落ちている。おいおい、まだ4月にもなっていないのに。もう少し桜、踏ん張ってくれ。そう願いつつ、1時間をゼエゼエと走破。帰ってくると、もはや何もする体力がない。もはや我が体も、少しも歯切れがよくない、ということらしい。
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お花見。右が私です。……という妄想です。
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2013年03月25日

ガッチガチです。――[1103]生誕19,672日

 昨日の快晴から一転して、雨のそぼ降るどんより空。

 せっかくの満開桜が早くも散ってしまう。それは寂しすぎる。もうしばらく桜を堪能させてくれ。

 マッサージに行く。行くたびに思うが、肩や腰を押されて初めて、トンデモナイ状態になっていることを思い知る。「ガッチガチですね」とマッサージのニーチャンはにこやかに話しかけてくるが、ひたすら痛いだけのオッサンは「(ボソボソと)……ですね」と返すのがやっと。

 走ったり、マッサージに行ったりと、そこそこ体をリセットしているはずなのに、どうしてこうも一日二日で体がガチガチに固まってしまうものなのか。それほど日々、パソコンに向かっているときの姿勢が悪いのか。

 今週は公演の谷間で自由な時間が結構あるのだが、そうはさせじと書き物仕事が次々に押し寄せる。結局、この書き物仕事から逃れられない限りは我が体、いつまでたってもガチガチから解放されないのではないか。そう気がついて、呪いを込めつつキーボードを打ちまくる。
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ごちゃごちゃ書きすぎ。

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2013年03月24日

今が盛り。――[1102]生誕19,671日

 2日間、東京を留守にして戻ってみると、桜は満開。今が盛りと咲き誇っている。やはり桜は美しい。見ていて心がぞわぞわしてくる。
 我がランニングコースに立ち並ぶ桜の木もことごとく咲き誇り、晴れやかな気分でタッタッタッと走るものの、花見客でごった返す場所が多く、いつものペースで走れない。
 おまえら、桜が咲いたからって浮かれて昼間からビール飲んでんじゃねーよ。こっちはしょっちゅう、このルートを走ってるんだ。たまにやって来て、ランナーの邪魔すんじゃねーよ。

 と言いたかったが、もちろんそんなことは言えず、ごった返す人波をかいくぐるようにして、息も絶え絶えのオッサンは一人だけ場違いな雰囲気を撒き散らしながら走り抜ける。

 今年の満開は観測史上2番目の早さらしいが、こんなに早く咲いてしまうと、少々季節感に戸惑う。今が盛りということは今月中には散ってしまうのか?入学式シーズンに桜がないのもそれはそれで寂しいだろうに。(余計なお世話か)
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今が盛り。
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2013年03月23日

重みが違う。――[1101]生誕19,670日

 ホテルで朝食をしっかり食べ、三々五々に劇場に集合。
 午前11時からウォーミングアップは始まり、12時から若手女優Hの場面のみ部分稽古で返す。
 12時半からアフタートークの段取りを取ってしまうと、既に開場時間間際。「んじゃ、よろしくお願いしまぁーす」とスタンバイに入る。
 午後1時、開場。1時30分、開演。

 半年ぶりの上演となった『誰も見たことのない場所』は長年演じ続けているベテラン勢が深度を掘り下げている場面あり、新顔の若手がまだまだ見劣りする場面あり、ではあったが、やはりこの芝居で語られる言葉の数々は重みが違う。

 それにしても観客のマナーの悪さに久々に呆れる。
 上演中、あっちからもこっちからも、ガサガサとビニールの音が絶えないなぁと思っていたら、なんと主催者側がパンフレット類をご丁寧にもビニール袋に入れて渡していたらしい。時既に遅しであったが、せめて紙袋にしてくだされ。

 おまけにいつまで経っても五月雨式に遅れてきた客が入ってくるので、最初から真剣に見入っている方々に
申し訳なくて肩身が狭くなる。

 終演後にアフタートークになだれ込み、これも時間通りにきっちり終わらせ、午後4時30分にはすべて終了。
 それから一斉にバラシにかかり、6時前には現地にて解散。
 皆さん、お疲れ様。

 ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

 その後、劇場の前にあった「マグロ館」という海の幸をたっぷり食べさせてくれるお店の集まった場所に出向いて、我が身は中トロ丼を食す。もちろん、美味い。ついでに生シラス、白子、ウニ、穴子天ぷらなども堪能。

 パンパンになった腹を抱えて、すっかり飲み会モードに突入している客演のFさんや我が劇団のベテラン女優陣に別れを告げ、先発帰京隊6人でこだまに乗って静岡を後にする。
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撤収。手慣れたもので小1時間で、きれいさっぱり終了。
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中トロ丼。極上。桜エビのかき揚げもサクサク。
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2013年03月22日

遅れて行きます。――[1100]生誕19,669日

 東京駅8:03発の新幹線に乗るように。
 そう制作のF女史からお達しがあり、まぁ、向こうへ行ってから続きの仕事すればいいかと、明け方4:00近くまでパソコンに向かっていたオッサン演出家は殊勝にも午前6:30にスマホのアラームをセットしてベッドに潜り込むが、あれれ、これはいったいどういうことなのか、目覚めてみれば午前7:00……。
 驚いてスマホを見れば、アラームはしっかりOFFになっている。自分で止めたのか?まったく記憶にあらず……。

 しかし、こういうことにはまったく往生際が悪くない我が身は、ハイ、間に合いません、と即座に諦め、F女史と演出助手に「遅れて行きます」とメールを打つ。

 結局、そのまま起き出して我が家でせっせと原稿を書き続け、11:00になって出発。一人旅で新幹線、東海道線と乗り継いで午後1:40頃に静岡市清水に辿り着く。
 午後3:30から場当たり開始。動線とテクニカルを中心に2時間で最後まで通り、午後6:30からゲネプロ。

 稽古場での通しはやるごとにタイムが縮み、テンポがよくなってきたと思っていたのに、ここで一気に3分以上延びる。あらら、こりゃマズいんでないの?と思いつつも、ダメ出しをすませると早くも退館時間。

 10時に劇場を出てホテルに向かい、その後はスタッフ陣と居酒屋へ。せっかく清水に来たのだからと美味そうな魚料理を片っ端から注文して、もりもり食べる。たぶん体も、もりもり太る。
 日付が変わり、12:30を回ったあたりで、「んじゃ、帰りますか」とお開き。ホテルの部屋に戻ってパソコンを開くと、ありがたいことにF女史から新たな仕事が届いている。ありがたやありがたや、死ねってことですか?
 午前2:30すぎにひと段落、今夜はもう寝るかとテレビをつけてみると、NHKのBSで『glee』をやっている。我が身は既にDVDで全話観ているのに、愛しの面々に再会した気になって、ついつい最後まで観てしまう。

 いい加減に寝なさい。もう睡眠不足じゃ使いものにならない老人なのだから。明日は本番なんだから。はーい。
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清水の駅を出ると、おお、富士山の勇姿が!
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2013年03月21日

別れを告げる。――[1099]生誕19,668日

 午前中から会議で初台へ。月1回の新国立劇場マンスリープロジェクト企画サポート会議。間に『奇妙旅行』の本番期間があったので、会議の顔ぶれとはずいぶん久しぶりに会ったようなきになるが、止まっていたのはたぶん我が身のほう。世の中はきちんと

動き続けている。

 会議後は初台から錦糸町の稽古場へ。
 部分稽古を少しだけやって、3時すぎから稽古場での最終通し稽古。今日は照明Sさん、音響Kさんも揃い、仕上がり具合を確かめてもらうが、終わってKさんは何やら渋

い顔。まだまだイケるやろ? ということらしい。

 ダメ出し、小返しを終え、午後時前には稽古場撤収開始。老人演出家が手伝わなくとも作業分担は適材適所で決まっているのだが、仲間はずれも寂しいのでコソコソと美術の梱包をしたり、パンチをせっせと掃いたりする(振りをする)。
 立て込みには結構時間がかかるのに、バラシ、トラック積み込みはほぼ1時間であっという間に終了。
 トランポさんを「行ってらっしゃぁーい」と笑顔で送り出して、わずか3日間の稽古ではあったが、世話になった錦糸町の稽古場に別れを告げる。

 さあて、明日は静岡。ひと暴れしましょ。
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トランポさん、お願いしまぁーす。
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稽古場もきれいさっぱり。お世話になりました。
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2013年03月20日

楽していいのか。――[1098]生誕19,667日

 今日も午前中はせっせと書き物仕事をこなし、午後から錦糸町の稽古場へ。
 昨日に引き続き、部分稽古→通し稽古で、みっちり夜の10時まで完成度アップを目指して演出家は吠えまくり、毒を浴びせまくる。楽していいものなど生み出せるはずがない。そう固くオノレに言い聞かせながら。(毒づくオノレも正当化しながら)

 そうして稽古が終わると、昨日も今日も錦糸町からは劇団のハイエースで帰宅。楽ちん。(これは楽していいのだ)

 深夜、NHKの『ロボット革命』を見る。凄いんだね、ヒューマノイドの進化。これは既に現実なんだと目を見張る映像のてんこ盛り。福島第一原発の事故を契機に「減災ロボット」という目的でアメリカや韓国など、世界的にも一気にヒューマノイド実用化への道が加速している現状にも驚く。

 我が身は今から7年前の2005年に『Dの呼ぶ声』という芝居で、ヒューマノイドが人間と暮らす近未来社会を芝居にしたことがあるが、もはや「鉄腕アトム」はそう遠い未来ではないのだと思い知る。いやはや、そうなればいったい人間はいったいどうなるのか。我が老いぼれ頭では、ちょっと想像が及ばない。
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『誰も見たことのない場所』
やっぱし、この美術は美しいのう。(上手側から舞台中を望む)
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2013年03月19日

夏日。――[1097]生誕19,666日

 生誕○日目の数字、下三桁が「オーメン」になっている。
 と言っても今の若い人はほとんどわからないのだろう。こうしたことも次から次に、ただの老いの繰り言になっていく。あな、恐ろしや。
 本日、東京都心は気温25度まで上昇。今月、2度目の夏日。暖かい日射しは老人には天国。ホントに汗ばむほどの陽気はありがたい……って、まだ3月半ばだよ?

 年々、春と秋が失われていき、四季は遠い昔という日もそんなに遠からず訪れるのではないか。恐ろしや、恐ろしや。

 『誰も見たことのない場所』は実寸稽古1日目。ぐうたら演出家が社長出勤で稽古場に行くと、おお、既にセットが組み上がっている。劇団メンバーのみんな、お疲れ様。
 早速、午後2時から部分稽古を始め、夕方6時からは通し稽古に臨む。

 ……うーむ、俳優陣はまだまだ流れを追うのに余裕がない。考えてみれば、この作品も足かけ7年目に突入。すっかり手垢にまみれた台詞やキャラクターを今一度、しっかりと洗い直さなければ、生きた舞台にはなりませぬ。
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今日から稽古場は錦糸町。間近に見えるスカイツリーももうすぐ開業1周年。
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