2013年03月28日

合掌したくなる。――[1106]生誕19,675日

 朝早くから劇団の若手Nからメールが入り、何事かと思ってもそもそと起き出して見ると、「劇団のハイエースに傷、凹みをつくってしまいました」。……なぬぅ?
 よくよく読むと、「今朝方、ハイエースの運転の練習をしていたのですが、ガソリンスタンドから出るときにガードレールにこすり……」云々、とある。練習ぅ?朝っぱらからぁ? んでもって車をガードレールにぶつけただとぉ?

 早朝から、予想外のメールに意気消沈。

 何をやっても要領が悪く、何をやっても裏目に出る。

 半世紀以上も生きていると、そういう人間にもたびたび出会うが、恐らく我が劇団のNはその中でも間違いなくトップクラス。根は真面目この上ないのだが、いかんせん、自分というものを知らない。誰かに教えを請うのも下手。まったく、どういう生活を送れば、あれほどとんちんかんな生き方ができるのか。腹立ちを通り過ぎて、思わず合掌したくなる。

 夕方近くから事務所に詰めて、カンヅメ状態に我が身を置いて書き物仕事に精を出す。今日はひたすらゲラを見まくるが、そこはそれ、とっくの昔に老眼の洗礼を受けている身なれば、ゲラを見るのにいちいち眼鏡を外し、まったく何のための遠近両用なんだとボヤキながら、裸眼で小さな文字を見続けると、たちどころに目が重くなり、それが痛みに変わる。もはや原稿を見るという行為だけでも、我が健康は損なわれていく。

 我が体は劇団のハイエース以上に、恐らくあちこちがポンコツになっているのだなあと、Nにふつふつと怒りの矛先を向けながら、しみじみ思う春の夜。
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桜。見飽きません。
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2013年03月27日

感謝、感謝。――[1105]生誕19,674日

 鬼のように溜まってそのままにしていた郵便物をだらだらと整理していたら、ともに演劇界の大先輩、プロデューサーのMさん、翻訳家のSさんから直筆のありがたい便りが届いていることに今ごろ気がつく。ああ、なんというだらしなさ。一刻も早く返事を書かなければ。MさんもSさんも先だっての公演『奇妙旅行』のことに触れていてくれて、ありがたいこと、この上なし。大いに励まされる。感謝。
 午後、事務所で我が劇団の制作F女史と打ち合わせ。お互いにやらねばならぬことをたくさん抱えているので、互いに自分のことしか言わない。たぶん、これは打ち合わせではない、愚痴にすぎない、と思いつつ打ち合わせは進む。

 DVDで観たかった映画『かぞくのくに』を観る。静かに、そして言葉数の少ない世界が展開されるが、我を忘れて見入った。何度も心臓がどきどきと高鳴って震えた。涙も流した。今までいかに、うわべだけのことしか知らなかったことかと、当事者たちの深く深く心底に刻みつけられた痛みの大きさに圧倒された。北朝鮮。我が日本の隣国。想像を絶する断絶の壁が立ちはだかっているが、目を逸らしてはならぬ。現実を見据えなければならぬ。「思考停止」するしか生きる道のない人々がいる。じゃあ、おまえは考えろ。考えて、世界を相手にしろ。無駄に生きるな。だらだらと無為に過ごすな。損な勇気が湧く。
 2012年のキネマ旬報第1位。こうした作品がちゃんと評価される。劇場でもそこそこヒット。我が国の観客もまだまだ捨てたもんじゃないと、その点でも勇気をもらう。主演女優賞の安藤サクラももちろんよかったが、是枝裕和監督作品から光っていた井浦新(ARATAから改名したらしい)も抜群にいい。脚本も務めたヤン・ヨンヒ監督に脱帽。

 いい映画を観ると、ほんとにエネルギーが高まる。感謝。
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思わず、商店街で足を止めてしまった自分が哀しい。
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2013年03月26日

歯切れがよくない。――[1104]生誕19,673日

 サッカーワールドカップのアジア最終予選、日本代表はアウェーのアンマンでヨルダンにまさかの1−2で敗れる。ブラジル行き決定は月までお預けとなった。

 遠藤選手のPK失敗が痛かった。やはり本田や長友がいないとダメと言われないためにも今日のメンバーでぜひとも決めてほしかったのだが、何度もあった決定的チャンスで精度が低い。またダメ、またダメでジリジリしている間にヨルダンにするするっと決められる。勝負の行方はわからないもんだね。

 ちょっとどうでもいいことではあるが、サッカー選手のインタビューの時の話しぶりが妙に苛々する。というのも、マニュアルがあるかのように、「……ですし、……思いますし、……」と誰もが「……し、」で言葉を繋ぎ、いつまでたっても一文が終わらない。思い起こせば、これはどうもKINGカズがこういう喋り方をした最初だったような気がするが、子どもたちのあこがれのスターなんだから、も少し歯切れのいい受け答えをしてほしい。

 今日は一日、整理・整理で日が暮れる。公演が終わると我が家の仕事部屋は修羅場のあとを如実にものがたる状態に陥るので、公演資料ひとつ整理するのも、まぁ、大変。そもそも、日頃からやっとけよ、という話ではあるが。
 集中力のないオッサンが整理に飽きて走りに出ると、昨日の雨でランニングコースの路上には早くも桜の花びらがかなり落ちている。おいおい、まだ4月にもなっていないのに。もう少し桜、踏ん張ってくれ。そう願いつつ、1時間をゼエゼエと走破。帰ってくると、もはや何もする体力がない。もはや我が体も、少しも歯切れがよくない、ということらしい。
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お花見。右が私です。……という妄想です。
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2013年03月25日

ガッチガチです。――[1103]生誕19,672日

 昨日の快晴から一転して、雨のそぼ降るどんより空。

 せっかくの満開桜が早くも散ってしまう。それは寂しすぎる。もうしばらく桜を堪能させてくれ。

 マッサージに行く。行くたびに思うが、肩や腰を押されて初めて、トンデモナイ状態になっていることを思い知る。「ガッチガチですね」とマッサージのニーチャンはにこやかに話しかけてくるが、ひたすら痛いだけのオッサンは「(ボソボソと)……ですね」と返すのがやっと。

 走ったり、マッサージに行ったりと、そこそこ体をリセットしているはずなのに、どうしてこうも一日二日で体がガチガチに固まってしまうものなのか。それほど日々、パソコンに向かっているときの姿勢が悪いのか。

 今週は公演の谷間で自由な時間が結構あるのだが、そうはさせじと書き物仕事が次々に押し寄せる。結局、この書き物仕事から逃れられない限りは我が体、いつまでたってもガチガチから解放されないのではないか。そう気がついて、呪いを込めつつキーボードを打ちまくる。
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ごちゃごちゃ書きすぎ。

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2013年03月24日

今が盛り。――[1102]生誕19,671日

 2日間、東京を留守にして戻ってみると、桜は満開。今が盛りと咲き誇っている。やはり桜は美しい。見ていて心がぞわぞわしてくる。
 我がランニングコースに立ち並ぶ桜の木もことごとく咲き誇り、晴れやかな気分でタッタッタッと走るものの、花見客でごった返す場所が多く、いつものペースで走れない。
 おまえら、桜が咲いたからって浮かれて昼間からビール飲んでんじゃねーよ。こっちはしょっちゅう、このルートを走ってるんだ。たまにやって来て、ランナーの邪魔すんじゃねーよ。

 と言いたかったが、もちろんそんなことは言えず、ごった返す人波をかいくぐるようにして、息も絶え絶えのオッサンは一人だけ場違いな雰囲気を撒き散らしながら走り抜ける。

 今年の満開は観測史上2番目の早さらしいが、こんなに早く咲いてしまうと、少々季節感に戸惑う。今が盛りということは今月中には散ってしまうのか?入学式シーズンに桜がないのもそれはそれで寂しいだろうに。(余計なお世話か)
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今が盛り。
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2013年03月23日

重みが違う。――[1101]生誕19,670日

 ホテルで朝食をしっかり食べ、三々五々に劇場に集合。
 午前11時からウォーミングアップは始まり、12時から若手女優Hの場面のみ部分稽古で返す。
 12時半からアフタートークの段取りを取ってしまうと、既に開場時間間際。「んじゃ、よろしくお願いしまぁーす」とスタンバイに入る。
 午後1時、開場。1時30分、開演。

 半年ぶりの上演となった『誰も見たことのない場所』は長年演じ続けているベテラン勢が深度を掘り下げている場面あり、新顔の若手がまだまだ見劣りする場面あり、ではあったが、やはりこの芝居で語られる言葉の数々は重みが違う。

 それにしても観客のマナーの悪さに久々に呆れる。
 上演中、あっちからもこっちからも、ガサガサとビニールの音が絶えないなぁと思っていたら、なんと主催者側がパンフレット類をご丁寧にもビニール袋に入れて渡していたらしい。時既に遅しであったが、せめて紙袋にしてくだされ。

 おまけにいつまで経っても五月雨式に遅れてきた客が入ってくるので、最初から真剣に見入っている方々に
申し訳なくて肩身が狭くなる。

 終演後にアフタートークになだれ込み、これも時間通りにきっちり終わらせ、午後4時30分にはすべて終了。
 それから一斉にバラシにかかり、6時前には現地にて解散。
 皆さん、お疲れ様。

 ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

 その後、劇場の前にあった「マグロ館」という海の幸をたっぷり食べさせてくれるお店の集まった場所に出向いて、我が身は中トロ丼を食す。もちろん、美味い。ついでに生シラス、白子、ウニ、穴子天ぷらなども堪能。

 パンパンになった腹を抱えて、すっかり飲み会モードに突入している客演のFさんや我が劇団のベテラン女優陣に別れを告げ、先発帰京隊6人でこだまに乗って静岡を後にする。
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撤収。手慣れたもので小1時間で、きれいさっぱり終了。
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中トロ丼。極上。桜エビのかき揚げもサクサク。
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2013年03月22日

遅れて行きます。――[1100]生誕19,669日

 東京駅8:03発の新幹線に乗るように。
 そう制作のF女史からお達しがあり、まぁ、向こうへ行ってから続きの仕事すればいいかと、明け方4:00近くまでパソコンに向かっていたオッサン演出家は殊勝にも午前6:30にスマホのアラームをセットしてベッドに潜り込むが、あれれ、これはいったいどういうことなのか、目覚めてみれば午前7:00……。
 驚いてスマホを見れば、アラームはしっかりOFFになっている。自分で止めたのか?まったく記憶にあらず……。

 しかし、こういうことにはまったく往生際が悪くない我が身は、ハイ、間に合いません、と即座に諦め、F女史と演出助手に「遅れて行きます」とメールを打つ。

 結局、そのまま起き出して我が家でせっせと原稿を書き続け、11:00になって出発。一人旅で新幹線、東海道線と乗り継いで午後1:40頃に静岡市清水に辿り着く。
 午後3:30から場当たり開始。動線とテクニカルを中心に2時間で最後まで通り、午後6:30からゲネプロ。

 稽古場での通しはやるごとにタイムが縮み、テンポがよくなってきたと思っていたのに、ここで一気に3分以上延びる。あらら、こりゃマズいんでないの?と思いつつも、ダメ出しをすませると早くも退館時間。

 10時に劇場を出てホテルに向かい、その後はスタッフ陣と居酒屋へ。せっかく清水に来たのだからと美味そうな魚料理を片っ端から注文して、もりもり食べる。たぶん体も、もりもり太る。
 日付が変わり、12:30を回ったあたりで、「んじゃ、帰りますか」とお開き。ホテルの部屋に戻ってパソコンを開くと、ありがたいことにF女史から新たな仕事が届いている。ありがたやありがたや、死ねってことですか?
 午前2:30すぎにひと段落、今夜はもう寝るかとテレビをつけてみると、NHKのBSで『glee』をやっている。我が身は既にDVDで全話観ているのに、愛しの面々に再会した気になって、ついつい最後まで観てしまう。

 いい加減に寝なさい。もう睡眠不足じゃ使いものにならない老人なのだから。明日は本番なんだから。はーい。
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清水の駅を出ると、おお、富士山の勇姿が!
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2013年03月21日

別れを告げる。――[1099]生誕19,668日

 午前中から会議で初台へ。月1回の新国立劇場マンスリープロジェクト企画サポート会議。間に『奇妙旅行』の本番期間があったので、会議の顔ぶれとはずいぶん久しぶりに会ったようなきになるが、止まっていたのはたぶん我が身のほう。世の中はきちんと

動き続けている。

 会議後は初台から錦糸町の稽古場へ。
 部分稽古を少しだけやって、3時すぎから稽古場での最終通し稽古。今日は照明Sさん、音響Kさんも揃い、仕上がり具合を確かめてもらうが、終わってKさんは何やら渋

い顔。まだまだイケるやろ? ということらしい。

 ダメ出し、小返しを終え、午後時前には稽古場撤収開始。老人演出家が手伝わなくとも作業分担は適材適所で決まっているのだが、仲間はずれも寂しいのでコソコソと美術の梱包をしたり、パンチをせっせと掃いたりする(振りをする)。
 立て込みには結構時間がかかるのに、バラシ、トラック積み込みはほぼ1時間であっという間に終了。
 トランポさんを「行ってらっしゃぁーい」と笑顔で送り出して、わずか3日間の稽古ではあったが、世話になった錦糸町の稽古場に別れを告げる。

 さあて、明日は静岡。ひと暴れしましょ。
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トランポさん、お願いしまぁーす。
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稽古場もきれいさっぱり。お世話になりました。
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2013年03月20日

楽していいのか。――[1098]生誕19,667日

 今日も午前中はせっせと書き物仕事をこなし、午後から錦糸町の稽古場へ。
 昨日に引き続き、部分稽古→通し稽古で、みっちり夜の10時まで完成度アップを目指して演出家は吠えまくり、毒を浴びせまくる。楽していいものなど生み出せるはずがない。そう固くオノレに言い聞かせながら。(毒づくオノレも正当化しながら)

 そうして稽古が終わると、昨日も今日も錦糸町からは劇団のハイエースで帰宅。楽ちん。(これは楽していいのだ)

 深夜、NHKの『ロボット革命』を見る。凄いんだね、ヒューマノイドの進化。これは既に現実なんだと目を見張る映像のてんこ盛り。福島第一原発の事故を契機に「減災ロボット」という目的でアメリカや韓国など、世界的にも一気にヒューマノイド実用化への道が加速している現状にも驚く。

 我が身は今から7年前の2005年に『Dの呼ぶ声』という芝居で、ヒューマノイドが人間と暮らす近未来社会を芝居にしたことがあるが、もはや「鉄腕アトム」はそう遠い未来ではないのだと思い知る。いやはや、そうなればいったい人間はいったいどうなるのか。我が老いぼれ頭では、ちょっと想像が及ばない。
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『誰も見たことのない場所』
やっぱし、この美術は美しいのう。(上手側から舞台中を望む)
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2013年03月19日

夏日。――[1097]生誕19,666日

 生誕○日目の数字、下三桁が「オーメン」になっている。
 と言っても今の若い人はほとんどわからないのだろう。こうしたことも次から次に、ただの老いの繰り言になっていく。あな、恐ろしや。
 本日、東京都心は気温25度まで上昇。今月、2度目の夏日。暖かい日射しは老人には天国。ホントに汗ばむほどの陽気はありがたい……って、まだ3月半ばだよ?

 年々、春と秋が失われていき、四季は遠い昔という日もそんなに遠からず訪れるのではないか。恐ろしや、恐ろしや。

 『誰も見たことのない場所』は実寸稽古1日目。ぐうたら演出家が社長出勤で稽古場に行くと、おお、既にセットが組み上がっている。劇団メンバーのみんな、お疲れ様。
 早速、午後2時から部分稽古を始め、夕方6時からは通し稽古に臨む。

 ……うーむ、俳優陣はまだまだ流れを追うのに余裕がない。考えてみれば、この作品も足かけ7年目に突入。すっかり手垢にまみれた台詞やキャラクターを今一度、しっかりと洗い直さなければ、生きた舞台にはなりませぬ。
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今日から稽古場は錦糸町。間近に見えるスカイツリーももうすぐ開業1周年。
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